演:川久保雄基
概要
九之巻『蠢く邪心』に登場。
人物像
見た目からして年長の高校生かもしくは大学生と思われる少年。
身勝手で自己中心的性格をしており、万引きの様な犯罪に手を染める事への自制心が無く、自分の非を認める事も一切ない。
また、非常に短絡的かつ享楽的な性質から、気に入らない事があれば暴力を振りかざす事も厭わず、おまけに粘着質なまでに執念深い等、人間性が著しく欠落している。
その癖、自分が助かる為ならば仲の良い人間も平然と見捨てる、弱い者に対してはどこまでも横暴になれるのに対し強そうな相手に遭遇すると捨て台詞を叫びながら逃げ出す等、卑劣極まりない行動原理の持ち主である。
彼女と思われる同年代の少女(演:斉藤友以乃)がいるが、この少女もかなり身勝手な性格をしており、都合の悪い事に関しては黙秘を通し、自分では無い誰かのせいにする様子を見せる始末だった。
そのどうしようもないレベルでの自己中振りからも、おそらく作中どころか『平成仮面ライダーシリーズ』に登場した一般市民の中でも1、2を争えるレベルで視聴者からのヘイトを稼ぎまくった一般市民であるのは間違く、この人物に比べれば後に登場し明日夢に挑発的な態度をとる桐矢京介など可愛いレベルにさえ見えるだろう。
劇中の様相
蠢く邪心
寝坊してしまったのが原因で映画に行きそびれてしまう事になった安達明日夢は、柴又駅近くの本屋へ立ち寄る事になるのだが、これが彼の不運の始まりとなってしまった。
少年が少女と共に本屋の漫画を万引きしていた所、その光景を偶然にも明日夢に目撃されてしまい、気を取られていた所で万引きに気付いた店長によって取り押さえられそうになるが逃亡。しかし、少女の方が巻き込まれて転倒した明日夢に躓いて転んでしまうのだが、「何やってんだよ!」と自分は罵るだけで手を貸そうともしないばかりか、彼女を置いて一人だけ逃げてしまうという身勝手さを見せつける。
当然、逃げ遅れた少女は捕まり、黙秘を通した事で警察に連絡を入れられてしまう事になるのだが、彼女は全く反省しないばかりか明日夢に対して逆恨み全開で睨み付ける有様であった。そんな災難に見舞われ、彼女の抵抗の際に漫画の詰まった鞄で殴られてまでいる明日夢に、治療を行った女性店員は気の毒に思っていた様で、後に「災難だったね」と話しかけている。
しかし、明日夢の災難はこれで終わらなかった。
少年「お前のせいで…ふざけやがって!」
何と、万引きをして逃亡した少年は、共犯の少女によって時機に自分の存在を警察に話されると悟ったのか、自分の行いを反省しないばかりか全てを明日夢のせいにする形で逆恨みしており、戸惑う彼を追い詰めて暴行を加えようとしたのだが、そこへ偶然にも立花勢地郎がすんでの所で止めに入り、「もう少しよく考えなさい」と諭される。
しかし、明日夢への恨みつらみしか頭に無かった少年は、自分では勝てないと見るや、捨て台詞を残して逃げ出し、どこまでも身勝手さしか見せなかった。
絶えぬ悪意
理不尽な経験の事など忘れ、また平和な日常と音撃戦士達の戦いを繰り返す中、季節は夏を迎えるまでに至ったのだが…。
少年「いいとこで会ったなぁ…。お前のせいでな…」
何と不運にも、明日夢は依然襲われ掛かったあの万引き少年と、またしても遭遇してしまったのであった。
しかも、万引き少年は夏服に衣替えしているとは言え、以前よりも不良染みたガラの悪い恰好をしており、明日夢への憎悪を剥き出しにしている様子からも、以前逃亡した後に何があったかは何となく想像出来る。
- 警察に捕まった少女によって自分の存在がチクられて、警察に補導された。
- 警察に補導された結果、両親に自らの行いがばれて関係がこじれる(場合によっては勘当される)事になった。
- 釈放後、捕まった少女に絶交され、彼女の両親からも怒りを買う事になった。
- 万引きの件が通っている学校や教師、友人達にもバレてしまい、総スカンされる(あるいはいじめられる)事になった。
- 元から素行が悪いなら、通っている学校を退学処分にされた。
- 万引きの件が足枷になり、別の学校への再入学も、アルバイトさえも満足に出来なくなった。
大体は、以上の記載の可能性となるが、勿論こうなったのは全て万引き少年の自業自得で、明日夢のせいでは断じて無い。
しかし、以前の自己中振りからも反省なんてするはずが無かった少年は、止められる人間がいないのを良い事に、「ここで会ったが100年目」と言わんばかりに、明日夢に対して一方的に好き放題ぶちのめす事になった。
そして留飲の下がった少年は、そのまま物語からフェードアウトするのだった。
この一件後、肉体的にも精神的にも打ちのめされた明日夢は、自分が悪かったのかと思い悩んでしまう程、意気消沈する事態となるのだった。