人魚は笑わない
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にんぎょはわらわない
「人魚は笑わない」とは高橋留美子作の短編。人魚シリーズの1作目。
1984年 『週刊少年サンデー増刊』 8、9月号に掲載された2話の短編作品。
人魚シリーズの第一作で、主人公の湧太と真魚の出会いでもある。
時代設定はモブキャラの会話からチェッカーズが現役である時代、掲載時のリアルタイム年代と思われる。
山間の里で「おばば」や里の女性たちに世話されながら暮らす少女真魚は15歳になっていた。
里の女性達は人魚であり、そのうちの一人の肉を真魚に食べさせた矢先、「人魚に会って不老不死を解除し平穏に老いて死にたい」との望みを持って湧太が現れたことで運命は大きく動き出す。
人魚の里
人魚達
- 鮎(あゆ)
見た目は若く見えるが、一番長く生きたためにその身を捧げる。
- 鰍(かじか)
- おばば
名前は不明の老女。真魚の世話係であり、村の長であるような振る舞いをしている。
真魚のわがままや癇癪にも怒ることはなく、彼女を大切にしているように見える。
以降ネタバレ
真魚は15年前に人魚達にさらわれた女児であり、人魚達が若返るための餌として育てられていた。
そのため逃げないように物心ついた頃から足枷を嵌められていた。
鮎の肉を食べて不老不死になった真魚を食べ、人魚達が若返るのが目的であったが湧太の介入や真魚自身の「生きたい」という気持ちからの抵抗のうちに時間切れとなり、人魚は人の姿に戻れなくなった。
「おばば」の正体は人魚の肉を食べた人間であり、老齢になってから不老不死となったため他に行き場がなく、村長の体裁をとった人魚達の下僕として笑うこともない人生を送り、何十年かおきに攫われてくる女児をいずれ殺すために育てる生活を続けていた。
湧太が真魚を連れて里を出ると告げてもおばばは「朽ち果てるまでここにいる」と人魚との暮らしを選んでとどまった。
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