この先、ロックマンX4のネタバレを含みます
概要
ゼロ「アイリス!アイリス!」
アイリス「ゼ…ロ…。」
ゼロ「しっかりしろ!アイリス!」
アイリス「お願い…もうレプリフォースに手を出さないで…。一緒にレプリロイドだけの世界で暮らしましょう……。」
ゼロ「アイリス…レプリロイドだけの世界なんて幻だ!」
アイリス「そうよね…でも信じたかった…。レプリロイドだけの世界であなたと………」
ゼロ「アイリス…アイリス!アイリス!アイリス!アイリスッ!アイリス…アイリス…。」
ゼロ「うぉぉぉぉぉー!俺は!俺は…!一体何の為に!戦っているんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
レプリフォースステージ2にてアイリスが殉職したときにゼロが言った言葉。
いつも思い悩むエックスとは対照的にクールでどんなイレギュラーにも一切の容赦がない故に戦友や自分を愛してくれる女性を手に掛けざるを得ないゼロの在り方(※1)やイレギュラー戦争の過酷さを端的に表したセリフである。
悲しい事にこの戦いや惨劇を陰で引き起こした黒幕であるシグマを叩き切っても、どれだけイレギュラーを叩き切ってもゼロが報われる事はなく、その先に待つのは新たに出現し続けるイレギュラーや性懲りもなく復活して他者を自分達のように弄んで暗躍するシグマとの戦いなのである。そして皮肉にもイレギュラー出現とシグマ暴走の要因となったのはゼロの持つロボット破壊プログラムだったのだ。
※1:しかしながら、いくらイレギュラーに容赦のないゼロとはいえ、一方的に彼らを切ったわけではなく、兄とは争って欲しくないというアイリスの思いを汲んで、カーネルにクーデターの中止を呼び掛けるなど出来るだけ平和的な解決を求めていた点は忘れてはならない。それでも戦友は軍人としての誇りを優先し、彼も一人のイレギュラーハンターとしてこれを迎え撃たなければならなかったのだ。
漫画版
台詞こそ同じだが、流れが大きく異なっている。
漫画版のアイリスはゼロとカーネルの対立に心を痛めつつも、「いつかまたみんなと一緒に笑い合える日が来る」と信じて中立の立場を貫いて敵味方関係なく傷ついた者達を治療する女性として描かれており、カーネルが目の前でゼロに殺されてもゼロを憎みはしなかった。
しかし、最愛の兄の死を目の当たりにした悲しみに支配されたアイリスの機能は暴走を起こし、カーネルの残骸を取り込んでその場にいた者全てを攻撃し始めてしまう。
自分が何をしているのかすらわからない状況でただカーネル、そしてゼロに助けを求めるアイリスの姿にゼロは……
「俺の闘いが君を追いつめる事は判っていた…」
「けど俺は闘いの中でしか自分を見出せない男だから……」
「そんな…俺でも…」
「君の心に…応えられ…る…なら…」
「応えたい…」
「俺は…生まれて初めて…」
「他人(ひと)の為に闘う!!」
「アイリス!!お前一人の為だけに!!」
直後、拳一つで暴走するアイリスの外装を破壊し、囚われていたアイリス本体を救出したゼロ。
アイリスもまたゼロとの再会を喜び、カーネルが死んで周囲を傷つけたにもそんな感情を抱いてしまった事を「だからバチが当たったんだ」と自嘲し、どうせだからとゼロに強く抱きしめるよう求める。
「馬鹿言え…お前にあたるバチなんてあるわけ…」
「アイリス?」
「俺は…」
「俺は…」
「いったい何の為に闘っているんだぁあぁあぁぁぁっ!!」
アイリスはゼロの腕の中で静かに機能を停止し、アイリスの為に闘ったにもかかわらず彼女を救えなかったという結果にゼロは絶望の叫びを上げるしかなかった……
漫画版ではゼロは自分の闘いは信念によるものと発言しており、その信念に則って闘いを続け、『X4』ではそのためにイレギュラーハンターから離脱までした。
カーネルと戦ったのも互いの信念をかけたものであり、カーネル個人は友として好ましく思っており、彼を斬った事自体は苦々しい思いを抱いていた。
そしてカーネルを斬った結果、暴走を起こしたアイリスを救うこともできなかった。
己の信念のまま突き進んだ結果、こちらの世界でもゼロは報われるどころか、友も恋人も失ってしまうのであった…
ネタ化
DAAAAAAAA!!を参照。
余談
- 漫画版でこの台詞を発した際はゼロはヘルメットを外しているためゼロがヘルメットを外すレアな場面である。
- X4発売当時のCMではこの台詞が使われることもあった(ネタバレはなし)。
- 日本語圏ではその迫真の演技からネタ化した本台詞であるが、英語圏では吹き替えの棒読みっぷりから日本とは別ベクトルで無事meme化した。
- ロックマンX7でゼロはイレギュラー化していくレッドアラートから脱走したアクセルを気遣っているがこれは親しい者達と戦わねばならなくなったと言うX4での辛く悲しい経験を思い出したのかもしれない(そしてレッドアラートをイレギュラー化させたのもやはりあの時と同じくシグマであったのだ)。
- ロックマンゼロでも自分の在り方を「オレは悩まない。目の前に敵が現れたなら…叩き斬る…までだ!」と評し、エックスを「いつも悩んでばかりの意気地無しだったさ…だからこそ、ヤツは英雄になれたんだ」と述べている。このシリーズではエックスの先代が渋った人間の殺害をゼロは躊躇なくやってのけた。記憶のほとんどを失っていたものの、自身の在り方だけは憶えており、一方でX4で経験した絶望的な事件を最後まで思い出さなかったことが世界を救う結果となったが、禁忌を犯した直後に自らも命を落とすことになったのは、何やら運命めいたものを感じさせる。
関連動画
関連タグ
新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ:作中において似た台詞を発している。
ゼロ「これが…本当の俺なのか…本当の俺って奴なのか…?結局誰も助けられなかった…アイリス……」
『アイリス…俺たちレプリロイドは…結局皆イレギュラーなのか…?』