概要
プロフィール
人物
山田浅ェ門の一人。試一刀流十位。
イメージカラーは赤。島上陸中は金髪を額当てでオールバックに纏めている。山田浅ェ門は浪人だが、彼は二本差しである。
性格
直情径行の熱血漢で、自他ともに認める単細胞(バカ)。
それ故に、自分より知恵に長じる者には、歳下だろうと素直に尊敬の意を示す潔さもある。
人情が深く、他の浅ェ門たちが私情と御役目に一線を引いているのに対して、珍しく仁義を重んじ、「自分が納得できないことは腑に落ちない」性質の持ち主。
ヌルガイの監視を買って出たのも、「罪状不詳の子供が極悪人として処刑される」矛盾に納得出来ず、一縷の望みをヌルガイに提示したことに起因する。
島での動向
神仙郷から一度はヌルガイと共に脱出を図るが、難破船の墓場で謎の触手に襲われ、紆余曲折を経てヌルガイと共に窮地を脱して再び島に戻り、仙薬探しを改めて開始する。
当初、ヌルガイが少女であることに気づかず、ヌルガイ“くん”と呼んでいたが、浜に流れ着いて返り血を濯いでいる最中に、改めてヌルガイの性別を知り、以後はヌルガイ“さん”に改めた。
腕前
階級こそ低いものの、こと振り抜きの速さは抜きん出たものを持っており、島の怪物相手に決して遅れを得ることなく対応している。また膂力も高く、その拳で人の頭蓋を破壊できるほどの一撃を繰り出せる。
奥義は“篠突く雨”、素早い連続斬撃を繰り出す技である。
過去
かつては喧嘩に明け暮れる粗暴な悪童だったが、齢が12歳の頃に士遠に可能性を見出され山田家の門を潜ることに。当初は士遠にも山田家にも反抗的だったが、その生来の真っ直ぐな性格から紳士的で生真面目な青年に成長する。
若き日に拾ってもらった恩から士遠には尊敬の念を抱き、彼を直の師匠として慕っており、「先生」と呼んでいる。
スピンオフの小説「うたかたの夢」の第四話“桜咲く庭”ではそんな彼の浮浪児だった過去と士遠との出会いが事詳細に書かれている。このエピソードはアニメ1期の8話で原作本編と合わせて映像化された。
結末
※重要なネタバレ注意
その後、ヌルガイと本土に帰るための海流を探していたが、森の騒がしさに浜辺に出てきた天仙、朱槿と交戦。
異常な戦闘力を察知し、ヌルガイと共に森へ撤退。
途中、師の士遠と合流し、援護されて窮地を脱するも、罪人のヌルガイを守って行動していることを咎められる。
必死の説得でヌルガイの処遇は保留になるが、直後に天仙の奇襲に遭い、士遠が首筋を斬られて重症となる。
戦闘が困難な士遠を気遣い、危険を承知で単独で朱槿に挑むが、自分の技を朱槿に見切られ、喉と胸を神通力で十字に撃ち抜かれて致命傷を負う。
そのまま死を覚悟しかけるが、朱槿に立ち向かおうとするヌルガイと士遠を見て最期の力を振り絞り、2人の逃走時間を稼ぐため、素手で朱槿に挑んで時間を稼ぎ、潰れた喉で士遠を静止し、その意味に気付いた士遠がヌルガイを抱えて撤退。
見届けると、命が尽きるまで朱槿と殴り合い、若い命を散らせた。
今際に、かつて士遠から「お前には可能性がある」と言葉を投げかけるられたことを思い出す。
その時、典坐は「士遠のように弟子を取って若手を育てる」未来、そして「成長したヌルガイと祝言を挙げる」未来の可能性を幻視して果てた。
※彼の死後のネタバレ
彼が身に付けていた鉢金は第2陣で島に上陸した岩隠れの忍者たちの島内調査で回収され、共に上陸した殊現の手に渡され、形見として懐に収められる事になる。
その鉢金は、殊現の戦闘中に砕けるが彼の命を守る役を担う。
また、士遠は典坐の復讐の憎悪に囚われ、典坐の命を奪った天仙に勝利どころか命を捨てる様な戦い方で挑んでいくが、同行するヌルガイは典坐が2人を逃したときに安堵の笑みで見届けていた事を伝え、決して典坐は無念の死を遂げていなかった事をヌルガイを通して士遠に告げられる。
ヌルガイから典坐の想いを伝えられた士遠は、復讐心から解放され、生き抜く決意をする。
早々に命を散らした典坐であったが、彼の遺したものは仲間たちを救い、決して無駄に命を散らせることはなかった。