「第IX機関は存在する、探せ!原始博士は全ての秘密をそこに置いてきた!」
——とある巡海レンジャーが、酔った時に言った言葉
概要
正体不明の科学者であり、天才クラブ64番目のメンバー。そしてクラブでも数少ない知恵の使令でもある。
同時に人類を実験対象としか見ていないマッドサイエンティストでもあり、#27ルパート同様、長いクラブの歴史の中でも宇宙規模の災厄を起こした有数の危険人物として知られている。
中でも下記の実験は特に悪名高く、本人は行方不明とされた現在でも、多くの勢力から指名手配されている状態にある。
天才の引力漫歩によると「男性」であり、バナナが好物。人間なのか他の種族なのかは不明だが、人間との繋がりを極端に嫌っている模様。
スクリューガムは模擬宇宙の新メンバーに博士を招待しようと提案するが、お尋ね者の彼を匿うトラブルを避けたいヘルタはこれを却下した。
人類退化実験
「ミーム汚染」とは本来、言語・音楽・動画など人間が持つ媒体を通して、常識や認識が少しずつ本来の定義から歪んでしまう伝播現象のこと。
原始博士が開発した「ミームウイルス」はその作用を操作・増強させるもので、感染者の精神に激しく干渉し、過去の感情や常識を消した狂人や廃人にすることすら可能。
中でも「知能の退行」という使い方を好んで調整しており、侵食させられ切ると内面だけではなく姿まで「本物の猿」に「退化」する。こうなると基本的に二度と元の姿に戻ることはできない。
退化の対象となるのは霊長類に限らず、無機生命のオムニックは只の機械に、鳥人系の種族と思われるザスカー人は鳥へと変化する。
丹恒やラローズ(ピノコニーのNPC)が掴んだ情報によると、博士の実験によって数十の世界の住民が「猿(退化)」に変えられた模様。彼の配下・信奉者である源究の森が、実行部隊として侵攻を行う事も多い。
博士達が来る前は、どの世界も星間航行ができるほど文明が発達していたらしい。その惨状には嵐すら目を背けたと言うが、真偽は不明。
上記の行為により巡海レンジャーに目を付けられ、命を狙われ続けている。しかし本人は痛手を負いつつ、引力だけで宇宙空間を自由に歩き回る技術などで逃走を続けているらしく、その原理は博識学会ですら解明できていない。しかし自身が追跡できる手がかりをわざと残している等、むしろ楽しんでいる様子。
また後を追ったレンジャー達も博士によってテナガザルに変えられ、そのせいで勢力が大きく減少したと噂されているが、ブートヒルはこの説を否定している。
なお、ブートヒルなど体を改造したサイボーグなら肉体的な退化は起こることはない。しかし巡狩の本能を持った彼も内面への影響は受けたため、本当に最後まで変わらないのか検証は不透明のままである。
ある培養された新人類たる少女は不可逆な発狂を患いながらも猿にならなかった特殊体質であり、これを伝播させてミームを打ち消すことが可能。
源究の森
原始博士の傘下にあたる一派。
星間文明の発展が停滞しているのは「人類という種が行き詰まったからだ」と考える学者たち。あらゆる知的生命体や文明を片っ端から退化させることで、再び生命に無限の可能性を取り戻そうとしており、自分達も望んで猿と化している。
基本的に原始博士の信奉者によって構成され、「真の天才は原始博士のみ、それ以外の発展は誤りか贄でしかない」という傲慢極まりない思想の元、人類退化実験を各地で実施しており、博士同様に巡海レンジャーの討伐対象たりうる危険人物…ならぬ猿物の集まりである。
その狂信ぶりは、「知恵」の派閥でありながら"博士個人の一瞥"を追い求めている程だが、当の博士からの期待は薄く殆ど相手にされていない。一応連絡は取れるようだが、配下の研究所一つが構成員ごと壊滅しても何の動きも見せない程度には無関心。
「研究モンキー」「戦闘モンキー」といった役職名で人員が分類される。また、職級の名称は「退化」するほど高くなる。例えば単なる「サル」呼びは「ホモ・ハビリス」より位が高い。一見ふざけているようだが、所業自体はきちんと高度かつ悪辣である。