概要
小野不由美の小説『十二国記』の登場人物。描写されている原作作品は『白銀の墟_玄の月』。戴国の人物。
驍宗への大逆が起こった後の朝で、禁軍右軍将軍を務めている。恵棟とは軍に入ったころからの朋友。元は阿選軍の師帥であり、かつて同じ王師の師帥同士だった驍宗麾下の霜元とは旧知の間柄。驍宗への大逆が起こる際、『文州で変事がある』と事前に知らされていたうちの一人だった。
帰宅するとすぐ服を脱ぎ捨てる性癖があり、面倒で下官も置かないため住居がいつも混沌としている。
以下、「白銀の墟_玄の月」のネタバレを含みます。
阿選の忠実な部下であったが、玉座を簒奪しておいて政に興味を抱かず、民を苦しい状況に置いてなお朝を疎かにする、麾下を蔑ろにし風評のよくない烏衡を重用する、土匪を利用してから処分することを命じるなど、品行を重んじていたはずの阿選の今の在りように複雑な思いを抱いており、内心、苦悩していた。
函養山に閉じ込めた驍宗を白圭宮に連行するため文州に派遣された際、函養山周辺を根城にする土匪とそれを支援する李斎・霜元らと交戦、敗北し捕虜となるが、口封じのために罪のない土匪の殺害を命じた阿選と、自らの存在が露見する危険を冒しても土匪たちを救うために戦った驍宗麾下とを比べ、自分も後者のようでいたかった思いを自覚。
それゆえに、長い間誇りをもって従ってきた自慢の主であった阿選が道から外れてしまったことを認め、軍を離れることを決意。捕らえられた友尚軍は、霜元の元へと下ることになった。