概要
※以下、ネタバレにつき閲覧注意。
「伊之助はあったかいねぇ 私の宝物 一緒にいられて幸せだねぇ」
CV:能登麻美子
「鬼滅の刃」に登場する主要人物の一人、嘴平伊之助の母親。フルネームよりも『琴葉』と表記されることが多い。
大正という時代もあって伊之助を産んで間もない時点で17、8歳。黒髪に緑色の瞳の可憐な容姿の持ち主で、美少女と見紛う伊之助の顔立ちは彼女譲りである。
那田蜘蛛山の戦いで、父蜘蛛に殺されかけた伊之助の脳裏に浮かんだ走馬灯の中で初めて登場。当時の伊之助は彼女が誰なのか思い出せなかったものの、後に童磨と対峙した時には記憶が蘇っている。
琴葉は夫や姑からの家庭内暴力に苦しんでおり、夫が泣いている伊之助を邪険に扱うのを止めようと婚家に反抗したのをきっかけに、雪降る夜に裸足のまま息子を抱えて飛び出した先で救いを求めて新興宗教「万世極楽教」の門を叩く(その時の彼女の顔は原形も留めぬほど腫れ、殴られて片目は失明していた)。もちろん教祖である童磨が人を喰う鬼などとは知る由もなかった。
その後、琴葉を治療した童磨は寺院に乗り込んできた夫と姑にうるさいと煩わしさを感じ、殺して山に捨てたが、この「うるさい」は琴葉に暴力を振るった夫の言葉と重なっており童磨と夫の人間性が実は似ているという事を暗示している。
童磨曰く頭は残念だけど心は綺麗だったと評され、彼には気に入られおり、彼女の寿命までそばに置いて人食いは先送りするつもりだった。なお、回想のみから察する性格は、童磨の元で花をばらまいたり童謡を歌う姿しかないために温厚で慈愛が深いが、成人としては些か幼稚(大正時代のため二十歳前、かつ就学経験がない可能性もあり、また赤子と接する姿しかないのもあるだろうが)な印象を与える。
しかし、極楽教の生活も琴葉は童磨の人喰いの現場を見てしまい、伊之助を連れて寺院から逃げ出す。断崖にまで追い詰められた彼女は最後の希望を託して伊之助を崖下に投げ落とし、自分はそのまま殺害されてしまい、琴葉の死体も童磨によって骨まで残さず喰われてしまったらしい…。
この時、「赤ん坊がこんなところから落ちれば生きてはいないだろう」と童磨も探そうとせず、結果として伊之助は生き延びたのであった。
この顛末を聞いた伊之助は童磨を自分の母親と仲間を殺した仇であると再認識。怒りに燃えることになる。
伊之助への愛情は深いもので、彼を包んでいたおくるみに名前をしたため、童磨の前でも伊之助を抱いて指切りの歌を歌っていた(毎回歌詞が違っていて、途中から狸の歌になったりしていたらしい)。
伊之助の記憶の底にも、その指切りの歌は残っていたらしく、しのぶと指切りを交わした際に彼女に琴葉の面影が無意識の内に重なり、昔どこかで会った様な既視感を覚えていた。
(アニメでは、この点も踏まえた琴葉としのぶのキャスティングだったのかもしれない、という意見も一部で囁かれている)
また本編ではないが、19巻のカバー裏で琴葉が伊之助の頬を「つんのこ!」と言ってつつく仲睦まじい様子が描かれていた。
読者からはあまりにも男運が悪過ぎた女性と評される声も。