概要
小野不由美の小説『十二国記』の登場人物。描写されている原作作品は『白銀の墟_玄の月』。戴国の人物。
文州の老安という小さな里で、主公と暮らしていた少年。
回生が主人とする男は六年前、満身創痍で里に運び込まれた兵士で、父親を妖魔から救ってもらった縁で(本当の父親はその時の傷が元で死亡)、それ以降、その兵士に面倒を見てもらっていた。普通ならば命を落とすほどの傷を負い、少し回復しては無理をして病みつくことも多かったその兵士に、臥牀の中から小刀を研ぐ手ほどきをしてもらったり、普通のものより質がいいと一目でわかる懐剣を一振りもらったり、親子のような深い信頼関係を築いていた。回生もその兵士からもらった字(あざな)。
だが、回生本人は息子ではなく、“俺の恩人で、たった一人の主君”と麾下になったつもりで、いつか強い兵士になり虐げられた国と民を救い、「一緒に宮城を取り戻す」という主公との約束を叶えることを夢見ていた。
以下、「白銀の墟_玄の月」のネタバレを含みます
驍宗を捜索する李斎たちが、老安に負傷した兵士が匿われているとの情報を得、里に訪れる直前の秋、長患いの末、その兵士が死亡。
その亡くなった兵が驍宗だったのではないかと、李斎一行は絶望に包まれるが、のちに、回生が唯一、字(あざな)を教えてもらっていたため、その兵士の身元が判明した。
それは驍宗ではなく、驍宗麾下の文州師将軍、基寮であった。