アナログ放送は共同アンテナや個別アンテナなどを使って視聴できていたのに山陰などの地形的要因で電波が届かない場合や混信で地上デジタル放送が視聴できない世帯や地域向けに、BS放送用の人工衛星を使って暫定的にNHK東京、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビの同時再送信を行うもの。ただし都道府県によって視聴できる局が異なる。
仕組み
日本向けに割り当てられている衛星放送用の物理チャンネルのうちBS-17チャンネルにNHKと在京5局を押し込んで地上へ向けて再送信している。
放送にはスクランブル(鍵)が掛けられており、対象地域以外は視聴できない。対象地域でも申請をしないとチャンネルを合わせても「このチャンネルは有料放送です」「このチャンネルは地デジ難視対策衛星放送です」などと表示される。テレビの機種によっては難視対策放送の視聴を可もしくは不可に設定することが出来、不可に設定すると選局できないようになる。
対応するキー局がない独立UHF局は再送信されない。なのでTOKYOMXやtvkなどは視聴できない。地元に独立局があってそこがテレビ東京の番組を購入して放送している場合、テレビ東京の番組をBSジャパン経由以外で視聴できなくなる。
地元のテレビ局が複数のニュース配信系列、番組供給系列に属している場合、その局がメインとしている局を視聴できる。例えば福井県では福井放送がクロスネット局だが、福井放送のメイン系列である日本テレビの難視対策放送が視聴できる。しかし、大分県ではテレビ大分がクロスネットだが、こちらではテレビ大分が加盟している日本テレビとフジテレビの両方が視聴できる。
画質はハイビジョンではなく標準画質でデータ放送や双方向サービスはない。字幕放送は行われる。電子番組表は番組内容の表示を行わない簡素なものを送信している。
視聴できる局
再送信されているのは冒頭で述べたNHK、AX、EX、RX、TX、CXだが、民放は地域によって視聴できる局が異なる。NHKは全ての対象地域で視聴できる。
- 北海道では基本的に全ての局が視聴できるがアナログ放送時代にテレビ北海道の中継局が開局しなかった地域ではテレビ東京の難視対策は視聴できない。
- 青森、山口ではフジテレビとテレビ東京以外を視聴できる
- 秋田ではTBSとテレビ東京以外を視聴できる
- 岩手、宮城、福島、山形、長野、新潟、静岡、三重、岐阜、滋賀、和歌山、奈良、京都、兵庫、愛媛、広島、長崎、熊本、大分、鹿児島ではテレビ東京以外を視聴できる
- 茨城、栃木、群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、愛知、大阪、岡山、香川、福岡では全ての局が視聴できる
- 山梨では日本テレビとTBSが視聴できる
- 福井では日本テレビとフジテレビが視聴できる
- 高知、鳥取、島根ではテレビ朝日とテレビ東京以外を視聴できる
- 宮崎ではTBSとフジテレビを視聴できる
- 沖縄では日本テレビとテレビ東京以外を視聴できる
- 徳島と佐賀は民放が1局しかないため、理屈の上では地デジ難視対策放送は徳島では日本テレビ、佐賀ではフジテレビしか視聴できないが地元自治体、地元民放、国とで調整を行って視聴可能範囲を決める
- 富山と石川は対象地域がないため難視対策衛星放送は視聴できない
難視対策放送の終了
難視対策放送視聴対象地域で何らかの形(ケーブルテレビによる地デジ再送信、チャンネルリパックによる混信解消)で地上デジタル放送が視聴できるようになると一定の猶予期間を経て再びスクランブルが掛けられ、難視対策放送が視聴できなくなる。
かねてより2015年3月で難視対策放送を終了する予定となっており、2014年7月3日、予定通り2015年3月を以って難視対策放送を終了することが総務省より発表され、2015年3月31日正午に放送を終了。翌日には番組表からも姿を消した。