注意
本項目は『ブラック・ジャック』のあるエピソードのネタバレを含みます。
また、本項目は令和の現代において不適切と思われる表現がありますが、作品掲載時の状況を鑑み、なるべく原典に近い形で記載しております。ご了承ください。
概要
第50話『めぐり会い』に登場する人物。
ブラック・ジャック(BJ)=間黒男が通っていた医大の後輩の女医。
(左がケイ、右がめぐみ)
作中では登場せず、兄を名乗る美貌の船医如月ケイが「自分の妹」として、その悲劇を語った。
黒男とめぐみは同じ病院の医局に籍を置いていた。
めぐみは周囲から浮いていた黒男に心惹かれ、黒男も彼女が段々気になっていき、言いよるチンピラをぶちのめしたり、雨の日に傘を置いて行ったりと、やがてめぐみと相思相愛になっていく。
しかし、幸せな日々は瞬く間に崩れ去って行った。めぐみは子宮癌に侵されていた。
発見は遅れ、もはや余命いくばくもないめぐみ。仮に治療したとしても子宮も卵巣も膣も全摘出することとなる。黒男はやむなくめぐみに許諾を取り、手術を行うことを決める。
黒男「君が女であるうちに言っておこう。めぐみさん、君が好きだ。心から愛している」
めぐみ「やっと言って下さったのね、嬉しい」
そう言って二人は口づけを交わし、手術が始まった。
…ここまでしかピノコはケイから聞くことはできなかった。
BJがもし両性愛者であれば、あるいはめぐみが女性機能の全てを失ってもBJを変わらず愛していれば、これから先の物語は違っていたのかもしれない。
しかし、二人はあくまで異性愛者であり、それを変えることはできなかった。
ピノコがケイから話を聞いた翌日、BJはケイの元に向かった。
めぐみとBJの写った思い出のアルバムを渡す為に。
BJ「渡し忘れていたよ、君の昔の写真だ」
そう、如月ケイなんて人間は居なかった。自分の漢字である「恵」を音読みしためぐみ本人だったのである。
「女」であることを喪った「如月恵」は、結局BJとヨリを戻すことはなく、船医として新しい人生を生きることを決めたのである。
その後、195話『海は恋のかおり』ではケイに惚れている船乗り(ホモというわけではなくケイを元女性だと知って片思いしていた)が登場しており、BJが「めぐみがあんな小僧相手にするもんか」とめっちゃ嫉妬しているなど、「ケイ」になってからもBJは「めぐみ」のことをまだ思慕しているのではないか、という描写が見受けられた。
BJの深層心理を描いた連載最終話『人生という名のSL』ではBJの夢の中のSLでケイが登場している。
アニメでは
上記の通り、現代では倫理観の変化もあって扱いにくいキャラクターということで『めぐり会い』『海は恋のかおり』はアニメ化されておらず、第2期OPにケイが登場するだけで終わっている。
第2シーズン『ブラック・ジャック21』第1話ではBJが手術に及ぶ寸前のシーンが回想で登場しており、意向を無視された事に腹を立てた教授たちが「キミの医師免許をはく奪するぞ」と脅している。そのため、めぐみの手術を敢行したことが、BJが無免許になった原因なのではないかという推察も上がっている。
なお、漫画『ヤング・ブラック・ジャック』では大筋は同じものの、掲載時期における倫理観の変化もあり、若干内容が異なっている。
関連項目
桑田このみ:めぐみと別れた後、BJが気になっていた女性。