概要
称号:丹宮(たんきゅう)
「霹靂布袋戲」シリーズの登場人物。
「霹靂俠影之轟動武林」などの作品で活躍した。
四大奇観の一つである煙都(えんと)出身の異端児。
「血淚之眼(けつるいのめ)」という特殊な体質を持ち、剣術の腕が一流である。
任務を行う時は東洋の怨霊のごとく、人を殺すことに躊躇しない。
プロフィール
関連イラスト
人物
赤き異端児
全身に赤い服をまとった煙都の剣士。煙都は男尊女卑な社会で、男性は一定の年齢になると、宮礼(去勢)をして宦官になる風習がある。煙都にいる宦官たちは、ほとんど薄い色調の衣装を着ているのに対し、宮無后のみが鮮やかな赤い衣装を着けていた。
生まれつき「血淚之眼」という特殊な体質を持つ。幼いころから煙都の主・古陵逝煙に厳しい訓練を受け、性格が残虐なものに曲がってしまった。異端児扱いされる宮無后だが、群を抜いた剣術の腕から、古陵逝煙に重用されている。
幼馴染の死
五歳で宦官になる前に、水瑩兒(すいけいじ)という幼馴染が侍女として、彼の世話をしていた。二人の感情がよく、水瑩兒といる時は、彼にとって一番温かい思い出である。無情樓で厳しい修行が4859日を経て、ようやく試練を突破できた宮無后は、真っ先に彼女を探そうとしていた。だが、水瑩兒はとっくに命を落とした。男尊女卑な煙都では当たり前のことだが、この件をきっかけに、宮無后は煙都と古陵逝煙を恨むようになる。
経歴
初登場の時に、疏樓龍宿らが煙都に潜入調査をしに来た。宮無后は赤い旋風と化して、冰樓の王子・百里冰泓を殺害する。その後、朝天驕を殺す任務にて、わざと煙都の武術で痕跡を残した。冰樓に手がかりをくれたことで、古陵逝煙を大きく困らせた。百里冰泓の死により、煙都と冰樓の敵対関係が加速していく。
冰樓の滅亡
冰樓の主・玄冥氏が救援を求めることを予測した古陵逝煙は、宮無后に玄冥氏の妨害を命じる。一方、古陵逝煙は冰樓の公主をさらった。宮無后の剣術は、玄冥氏に勝るはずだが、敗れて人質となってしまう。冰樓と煙都が人質交換を交換する際に、宮無后の不意打ちで、双方の関係がさらに嫌悪になっていく。
その後の闘争で、煙都は計略で冰樓を滅亡させた。そんな中、鬼荒地獄變の介入により、兄弟子の西宮弔影が命を落としてしまう。尊敬していた兄弟子が亡くなり、宮無后は仇を取る思いを心に秘めていた。
父親と再会
西宮弔影の仇を討つべく、宮無后は弱まった鬼荒地獄變とその主・焱無上に襲い掛かる。だが鬼荒地獄變の捨身攻撃により、重傷を負ってしまい、父である別黃昏に救われる。「血淚之眼」を持つことから、別黃昏が息子のことを思い出す。
宮無后は元々、別黃昏の一人息子であり、幼名は賦兒(ふじ)と呼ばれた。生まれてから奇病を患い、父親が様々な医者を探すが、病が収まらずに二歳で死にかけた。その真実は、当時赤子だった賦兒を世話した戚太祖が、仮死状態にさせたためである。「血淚之眼」の力を手に入れたい野心から、戚太祖は死んだ幼児と入れ替えさせ、煙都との取引で賦兒を渡した。
賦兒を手に入れた古陵逝煙は、五歳の時に宮礼(去勢)され、「宮無后」と名付けた。無情樓での苦痛な修行と試練を経て、現在の宮無后に至る。真実を知った別黃昏は、息子を連れて隠居しようとしていた。だが父を守るべく、宮無后は最終的に煙都に戻ってしまう。
復讐
「血淚之眼」を完全に成就させるため、古陵逝煙はすぐに別黃昏を謀殺した。宮無后が父の死を知った時は、古陵逝煙への殺意が一番高まった頃である。このことから、宮無后はすべてを捨て、復讐を決意する。非情を貫くため、兄弟のように接してくれた従者の朱寒(しゅかん)を殺し、古陵逝煙に挑む。
激闘の末、古陵逝煙に勝利したものの、彼の心は一切喜べなかった。この勝利は、亡き幼馴染と父の敵討ちに過ぎなかった。すべてを捨てると決めた瞬間、彼の人生はすでに終わっていたかもしれない。なぜなら宮無后はどこに行っても、その背後に「古陵逝煙」の名が拭い去れない。最初から最後まで、出身地「煙都」の烙印が消えられない。
最期
古陵逝煙と戦いで、重傷を負う宮無后は、葉小釵に救われる。葉小釵は、百里冰泓の仇を取るために来た。正々堂々な戦いを臨むべく、宮無后の傷が完治した後に、雪原で対決が始まる。激しい対決を経て、宮無后が敗北する。
敗北した宮無后は、煙都に戻る。朱寒の死体を抱え、本拠地に火を放ち、燃やし尽くす。亡くなった者は、二度と生き返らせない。心身ともども疲れ切った宮無后は、朱寒と共に炎に包まれ自害した。
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関連リンク
- 公式人物資料(宮無后)※中国語