概要
富士五湖とは、山梨県の富士山麓にある、本栖湖、精進湖、西湖、河口湖、山中湖の5つの湖の総称。富士急行の創設者である堀内良平によって命名された。
江戸時代には、前途5つの湖の他、四尾連湖、明日見湖、泉津湖or須戸湖を加えた「富士八海」と呼ばれていた。
いずれも富士山の噴火によってできた堰止湖で、富士箱根伊豆国立公園に指定されている。2011年9月21日に国の名勝に指定され、2013年6月22日には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の一部として五湖すべてが世界文化遺産に登録された。
富士五湖一覧(西側より)
本栖湖
面積は4.7平方kmで、富士五湖では3番目の面積。最大水深は121.6mともっとも深い。
千円紙幣E号券、五千円紙幣D号券の裏面に描かれる逆さ富士の図案が有名。
レジャーの場に使用されている。ウィンドサーフィンのメッカであり、夏季には多くのウィンドサーファーが訪れる。ブラウントラウトやニジマスなどを狙う釣り人も多い
精進湖
富士河口湖町に位置。
0.5平方キロkmと富士五湖の中でもっとも湖水面積が狭い。最大水深は15.2mで河口湖と並び3番目の深さ。青木ヶ原樹海に囲まれており、建物が少ない。
西湖
富士河口湖町に位置。
面積は2.1平方kmで、富士五湖では4番目の面積。最大水深は2番目の深さで71.7m。
山梨県指定天然記念物フジマリモの群落地である。西湖の南側には青木ヶ原樹海が広がる。クニマス再発見の地として有名。
河口湖
富士河口湖町に位置。
面積は5.48平方kmで富士五湖では2番目の面積で、最も長い湖岸線(19.08km)を持つ。最大水深は精進湖とほぼ同じで 14.6m の深さ。
湖の中央に鵜の島と呼ばれる小さな島がある。
河口湖には天然の流出口がないため、江戸時代後期に放水路が作られた。
観光開発が一番早く始まっており、富士河口湖温泉郷がある。唯一鉄道駅(河口湖駅)が所在する。
山中湖
面積は6.57平方kmで、富士五湖の中で最大の面積。逆に水深は富士五湖の中で最も浅い 13.3m。
平野があり、周辺に観光施設やサイクリングロードがある。
余談
西湖、精進湖の2湖は、かつては剗海(せのうみ)という一つの大きな湖であったが、西暦864年の富士山大噴火によって大半が溶岩で埋まってしまい、2湖はその残った部分である。
現在でも水面の標高が連動しているため、地下で水脈を共有していると考えられている。
ちなみに剗海を埋めた溶岩の上には約1200年の歳月を経て青木ヶ原の樹海が出来上がった。
さらに紀元前3000年の大噴火以前には本栖湖とも繋がった巨大な古剗海が存在したとされているが、縄文時代のことなので当時の記録は残っていない。が、本栖湖も精進湖や西湖と水面の標高が連動しているのでその可能性は非常に高い。
精進湖の東南に赤池と呼ばれる普段は水がほとんど無い池が存在している。16年(もしくは20年)に一度水を湛え、それは天変地異の前触れ、具体的には地下のマグマの活動が活発になり地下水を押し上げたからで富士山噴火が近い証拠とされているがガセである。
赤池は1970年くらいまでは普通に水を湛えていたが、地下で水脈を共有している精進湖の水位が下がった事で水がほとんど無くなってしまったのが真相である。
精進湖の水位が下がったのは、地下水脈を共有しているとされる本栖湖と西湖の湖水を水力発電に使用するために放流したからで、これらの事も本栖湖、精進湖、西湖、赤池が地下で繋がっている証拠とも言える。
台風などの大雨で精進湖の水位が上がり地下水脈を通じて水が流れ込み、かつ赤池に周囲から雨水が流れ込むことによって数日間だけ赤池の見事な緑色の池水(池底を覆っている草の緑が陽の光により池水が緑色に見える)が現れる。
赤池の水がほとんど無くなって以降に、最初に水が現れたのは1982年とされ、この時の報道では既に先述の「16年に一度~」なる話が書かれていた。
その後は1983年、1989年、1991年、1998年、2004年、2011年、2020年に出現しているので、とてもの事16年に一度とか20年に一度などでは無く、しかもこれらの年に富士山が噴火した事実もない。
ちなみに現在も放送されているとあるお昼の番組では、富士五湖と赤池に何かあるとすぐに富士山噴火に結ぶ付けたがる。いいのかそれ。