帝国(エンジェル・ハウリング)
ていこく
精霊を使った軍事力で広大な領土を支配する大国。アスカラナンの商連合をも従える。
首都は帝都イシィカルリシア・ハイエンド。
帝都以外は辺境として放置するという大胆な政策を施行する。
中枢である豊かな帝都、基盤となる辺境の土地、精鋭たる軍事力、辺境を支配する警察力、精霊を生み出す硝化の森、そして念糸能力者である軍属精霊使いと黒衣を従えることで世界を支配している。
戦争
発祥は60年前。
ジルオージラに封じられていた正統印の継承を求めて決起した先帝カリオネル・キューブネルラはその後たった30年の間に地図の実に三分の一を自分のものとした。多くの精霊使いを配下として聖庁レント・ジルオージラを攻略したのが帝国の起こり。おかげで簒奪者といわれている。精霊を戦争に使うことでアスカラナンや辺境諸国を蹴散らして帝国を作る。ジルオージラ神殿からは正統印と一緒に封印されていたいくつかの精霊も奪い取り手がつけられないほど強かった。
侵略停止
支配体制を整えるための準備がすべて整うと帝国は侵略戦争を終える。先帝は帝国領がアスカラナンと接すると同時に全世界へ、もうこれ以上の領土拡大はない、と布告した。信憑性はなかったものの抵抗すれば失うものは大きく何もしなければ失うものはない。アスカラナンは沈黙せざるを得なかった。大敵アスカラナン商連合と決戦を行わなかった
理由は諸説あるが明確な説は存在しない。
終戦
侵略が迅速に完了できた理由はいくつか存在する。
一つは誰も彼の出現を予期していなかったため。アスカラナンの商連合でさえ彼の帝国が強大化するまで対応できなかった。
もう一つはたった一人の支配者がそれだけの広大な帝国をいつまでも維持できるものではないという読みがあった。しかし精霊産業を手中に収めることで自滅を回避して見せる。
帝宮の大火事
8年前におきた帝宮の火事。このとき先帝カリオネル・キューブネルラ、帝妃、第三皇子が死亡。帝国は息子ベッサリー・キューブネルラが継ぐことになった。
帝都以外の辺境は放置
帝都イシィカルリシア・ハイエンドを建ててそれ以外を辺境として放置するという大胆な統治策を打ち出している。辺境は逆らわないという意味での服従さえ守っていれば帝都から何もされることはない。総合的に見れば見返りすらある。従属することによるデメリットがなく。そして離反することによるメリットがなければ誰も自由のために血を流そうとはしなかった。この制度はうまく機能しており帝国内で大きな内戦は生じていない。
念糸使いの登用
帝は国の体制を維持するために特殊能力者を中央に集めた。
軍属精霊使い、黒衣などに念糸使いを登用していく。実際の数はそれほどのものでもなかったがその力の大きさは周囲を恐れさせた。
帝国の政治の中心地。
名前の由来は最古の精霊である戦精霊イシュカルリシアの名前から。
歴史は浅く先帝が印の継承を行った後に建てられた。侵略終盤の有名な侵略停止の宣言はできたばかりの帝宮から発せられた。
帝都は都市計画の理想で整備された街並が機能美を形作る。
治安、経済、衛生、教育すべてが高い。
白いものが多く住人も白を好む。
帝都の財政に極端な余裕があるため手入れに手間と費用のかかる木々が多い。
戦争は祖父母を奪ったために帝都住民の平均年齢を若くしている。
帝都周辺と最も最果ての辺境とで人口密度がそう違うということはない。
帝都の周辺は灰色の荒野となっている。戦争時に精霊を使って地形が変わるほど徹底的に破壊したため。
目立った要害を持つわけでもないこの地が攻められたことはないのはそれだけ恐れられているからである。
辺境のほとんどは教育から見放されている。まともな警察を維持しているのは一部の都市のみで犯罪が起こりやすい。私刑なども行われる。
辺境はアスカラナンのスパイだらけなのは周知の事実。
元々は小国の群れであり一口に辺境と呼んでも地域ごとに民族も風習も違いがある。