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「貴様、半妖だろう。半分は妖怪の血が流れていながら…人を喰う楽しさも知らんのか」

概要

声:佐藤正治

第三妖怪・悟心鬼

奈落が放った心を悟る「鬼」の分身。一人称は「俺」。0歳(人間換算は不明)。

奈落の分身の中では長男にあたり、神無神楽の弟にもあたる。

人間に近い容姿だった2人とは違い、体表が薄紫色で二足歩行する巨大なトカゲのような姿をしている。頭部には長い2本角と赤い目、そして大きな鋭い牙が並んだ怪物然とした姿が特徴である。

また、首筋から背面にかけて灰色の体毛が生えており、その下には奈落の分身の証である蜘蛛の火傷がある。もちろん他の分身同様、臭いは奈落と同じである。

その化け物じみた姿に相応しく非常に獰猛で好戦的な性格の持ち主。人里を襲撃した際には家畜を食い漁っているなど随所で凶暴性を垣間見せている。

神楽の事を本人の前では「姉上」と呼んでいるが、陰では呼び捨てにしており、内心では「2人の姉を自分が生まれるまでの前座に過ぎなかった」として見下している。

しかし、あながち自信過剰というわけでもなく、その巨体から繰り出されるパワーや鋭い牙や爪による攻撃力は非常に高く、正面きっての戦闘力は他の分身たちに劣らない。

能力

特殊な攻撃手段は取らず、爪と牙による純粋な白兵戦闘を行う。また、人の心を読む能力があるため相手の行動を予見し先回りして戦うことができる。

悟心鬼の読心は相手が今考えている事柄を読み取る能力であり、後に誕生する「赤子」と「白童子」と違い心の深淵を覗く力はないが、相手を見るだけで心が読める部分では勝っている

上述の通り、悟心鬼の場合ある程度近くに居れば相手の表層心理を読めるという違いがあり、単純な戦闘用としてはこちらの方が使い勝手が良い。名前の「悟心鬼」は「相手の心を読む妖怪」サトリに由来すると思われる。

……が、実は「心を読む妖怪」サトリの漢字は「覚」のほう。つまり「覚心鬼」のほうがサトリらしくはある

「悟」は仏法の真理を悟ることにあり、「悟」の字が心を読むことに使われることは無い

(「覚」の字は悟と同義の、仏法の真理に目覚める(覚醒する)ことに使われる。「正覚」など)

活躍と最期

鉄砕牙を噛み砕き、犬夜叉を追い詰めたが、犬夜叉が妖怪に変化(へんげ)し、引き裂かれてしまった。なお、首を飛ばされた悟心鬼の牙は天生牙で甦った後、殺生丸の依頼により、灰刃坊が「闘鬼神」という刀に仕立てた。

武器

闘鬼神」は、灰刃坊が悟心鬼の牙から鍛造した妖刀である。

外見は一般的に想像される江戸時代の日本刀ではなく、古代の剣や西洋の剣のような両刃の直刀。

鍔は四角く、柄頭には丸い輪とそこに結ばれた紐飾りが付いている。

強烈な剣圧を備え、鍔迫り合いの際は勿論、切っ先を向けるだけでも相手に切り傷を負わせることが出来る。切れ味自体も凄まじく、飛んできた飛来骨すら容易に両断可能。

鉄砕牙の風の傷のような固有の大技は備えていないが、対人戦闘では驚異的な力を持つ。

一方、あまりに邪気が強いせいで、邪気を抑え込めるだけの実力を備えていない者は闘鬼神に意識を乗っ取られ正気を失ってしまう。また、使い手が弱いと剣圧の反動で、使い手自身の身体がバラバラにされてしまうというリスクがある

作中では打ち出した灰刃坊本人が闘鬼神に取りつかれ、訪ねてきた邪見を殺害(直後に殺生丸が天生牙で蘇生)。その後、犬夜叉一行の前に現れ戦いを挑み、その剣圧で犬夜叉をなます切りにした。

だが、鉄砕牙との鍔迫り合いの最中、剣圧の反動で灰刃坊の体が消し飛んでしまい敗北を喫する。

しかし、直後に現場へ駆け付けた殺生丸が涼しい顔で邪気を払いのけたことであっさりと彼の刀となる。なお、鞘は作られていないため、殺生丸は抜き身のまま天生牙とともに腰帯に差している。

以降は殺生丸の愛刀として活躍し、犬夜叉を始め奈落などに対しても使われた。

劇場版では殺生丸の必殺技である「蒼龍波」を放つ際にも使われている。その威力は爆流破を消し飛ばし、地面に伝導させ放てば小山を消し飛ばしてしまうほど。

しかし殺生丸は「鬼の牙の闘鬼神ではこの程度」と語っており、闘鬼神では蒼龍波を完璧に放つことは出来ない模様。

実際劇中では蒼龍波の連発で闘鬼神に負荷がかかり刃こぼれしてしまっていた。

最期は、長らく殺生丸の刀としてその威力を見せ付けたが、魍魎丸との戦いの最中ブチ切れた殺生丸が全妖怪中最高の硬度を誇る冥王獣の鎧甲を破壊しようと無理矢理闘鬼神を押し込んだ結果、刀身が負荷に耐えきれなくなりへし折れてしまい、戦闘後は殺生丸によって破棄された。

余談

なお、奈落の分身たちの中では唯一、悟心鬼だけは美形ではないのだが、これは原作者の高橋留美子氏いわく「元になった妖怪がそんな顔をしていたから」らしい。

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