撃っちゃうんだなぁこれが!
うっちゃうんだなぁこれが
地球連邦宇宙軍はサイド6の学園都市コロニーであるメーティスにサイコ・モニターによるサイコミュの感応波を捉え、フェネクスを捕獲するためシェザール隊を出動させる。
しかし、そこにいたのはフェネクスではなく、敵軍ジオン共和国袖付きの強化人間ゾルタン・アッカネン大尉の搭乗するシナンジュ・スタインだった。袖付きも連邦同様にフェネクスの力を狙っていたのだ。
連邦がフェネクスだと確信していたのは、同年に「サイコフレーム封印協定」が締結され、協定違反となるサイコフレーム搭載機はどこにも属せず宇宙を漂流するフェネクス、そして軍が違反承知で極秘に追加装備を施したナラティブガンダムしかいないと思い込んでいたため。
しかし実際はジオン側も前作で破壊されたはずのサイコフレーム搭載機の2つ目の原石であるシナンジュ・スタインを解体せず続投しており、フェネクス捕獲において連邦と全く同じ算段だった。
皮肉にも両軍のサイコフレーム搭載機同士が邂逅した事で協定締結後も連邦・ジオン共に協定違反のモビルスーツを使用していたのがお互いにばれてしまうシーンでもある。
場所が市街地であるため、両軍共に戦闘は避けたい所……
だが、その男は高らかに声を上げる。
「撃っちゃうんだなぁこれが!」
ゾルタンは(事前にエリク・ユーゴから忠告されていたにもかかわらず)躊躇うことなくナラティブにビームライフルを発砲、その流れ弾がコロニー内の建物や道路、住人にも命中。
さらには攻撃を続行しといて「避けるなよ、コロニーに穴が空いちまうだろうが…」と無責任極まりない発言までしている。
これによりメーティスは多数の死者を出し、甚大な被害を受けることとなってしまった。
場所の問題もあるので通常ならば、撃つ事、ひいては戦闘自体を躊躇う。故に撃たない事が当たり前。
だからこその、「撃っちゃうんだなぁこれが!」であり、同時にゾルタンが上述の要素を持たない(コロニーに穴が空いちまうだろうが、と言うコロニーを心配しながらもその発端が自分である事も含めて)破滅的な人間であると言う事を如実に表している。
『ジョジョの奇妙な冒険』の岸辺露伴の名言である「だが断る」と同じような意味合いのネットミームとして定着しているが、こちらも同様に「撃ってもおかしくない場面」で「撃っちゃうんだなぁこれが!」と言っても何の矛盾も無いただの攻撃宣言であり、あえて撃つからこそゾルタンがあんなにハイになっていた点には注意。
元々劇場版本編を見なくとも予告動画で真っ青とも言うべき肌色や刺青を掘ったような目元、前髪以外は刈り上げている髪型、そして何よりも狂気しか感じない表情など明らかに「やべーやつ」だと分かるゾルタンの見た目から何も起きないはずがなくという視聴者の嫌な予感がそのまま的中することとなってしまった。
この時の失態が後の展開にも大きく影響するため、実際に劇場に足を運んだ客には良くも悪くもゾルタンを象徴する台詞としてゾルタンというキャラの存在感と共に深く浸透していくこととなった。
実際劇場版での反響を受けて劇場公開から一月半後に制作された『ゾルタン様の3分でわかる宇宙世紀!』でも動画の最後がこの台詞を改変した「年が明けてもぉ、ロングランヒットしちゃうんだなぁ!!これがぁ!!」で締められている。
尚、ガンダムプラモデルのHGUCとして発売された、シナンジュ・スタイン (ナラティブVer.)のインストにも本台詞の記載があるがこちらは「撃っちゃうんだよなぁ、これが!」となっており厳密には誤りである。
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