概要
この部隊においては自衛官が必要とされる基礎等を習得させるための教育のための施設などを保有する部隊である。
なお部隊における専門教育を行う教育機関は、一般的に学校と呼ばれる施設(例としては自衛隊体育学校、術科学校など、各種施設が存在する)で行われる。
また、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の3つの組織により運用が異なる。この項目ではおもに陸上自衛隊の項目に関して説明を行う。
新隊員教育課程
この過程においては3ヶ月前後(採用区分により異なる)の間全寮制で厳しく規則正しい生活を送り、自衛官としての基本を叩き込まれる。
徒手格闘、武器訓練(64式小銃・89式小銃)、行進・宿営、基本教練などをおおむね習得させる。
また、座学(触手の大まかな流れや戦闘に必要な知識等、応急処置なども)や中隊長、大隊長による精神教育もあり寝ていると反省が待っている。
「※自衛官の心構え」は必ずと言っていいほど出るので、覚えよう。
現在においては前期教育中は「自衛官候補生」「一般曹候補生」という身分の扱いとなり、自衛官候補生(自侯生)は○○候補生と呼称し前期教育修了後、二等(陸・海・空)士に昇任する。一般曹候補生は教育開始後二士に任命され、○○二士と呼称する。
陸上自衛隊
前期教育3カ月、後期教育3カ月の6カ月間の教育期間がある。
前期教育においては共通教育中隊や新隊員教育隊において基本となる動作の基本教練、10㎞、25㎞行進、体力錬成、武器訓練、射撃検定が行われる。
後期教育は各職種ごとに設けられた後期教育隊において、主に職種の専門的教育が行われ、普通科であれば普通科の、機甲科であれば初級機甲といった特技教育が行われる。
後期教育修了後の10月1日付で部隊配属となるのである。
陸曹教育隊
陸曹教育隊とは、下士官である陸曹を養成するための教育であり、北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊の5つに一つづつ設けられ、それぞれ1から5までの数字が充てられている。
陸士長から素養試験を合格して部隊で履修前教育を終えた者が前期3カ月、後期3カ月の計6カ月の教育を受ける。
前期は機甲科を除く各職種とも共通であり、後期は職種の学校に入校して行われる。
なお機甲科隊員は駒門駐屯地の第一機甲教育隊において陸曹候補生課程を行う。
ただし、今後の改編によって縮小、解隊された戦車部隊の陸曹候補生が方面隊付属の教育隊にて教育を受ける可能性が存在する。
その他の教育隊
冬季戦技教育隊…冬季戦技に関する研究および冬季遊撃課程の指導。
国際活動教育隊…国際派遣に関する教育及び、派遣部隊の訓練支援及び評価
空挺教育隊…第1空挺団の下に位置する教育隊。
水陸機動教育隊…水陸機動団の下に位置する教育隊。
海上自衛隊
横須賀教育隊、舞鶴教育隊、佐世保教育隊、呉教育隊の4つが存在し、それぞれ自衛官候補生、一般海曹候補生及び初任海曹の教育を行う。このうち横須賀教育隊は女子自衛官の教育も行う。
このほかに航空学生(パイロットを養成する過程)の教育は小月航空基地に存在する小月航空教育群が行う。
航空自衛隊
航空教育隊にて自衛官候補生、一般空曹候補生及び初任空曹、女子自衛官に対しての教育訓練が行われている。なお航空学生の訓練は防府北基地に存在する第12飛行教育団航空学生教育群でで行われる。
防府南基地に第1教育群、熊谷基地に第2教育群が置かれており、それぞれで自衛官候補生、一般空曹候補生、初任空曹および上級空曹の教育も行っている（ただし最後の2つは防府南のみ）。
基本的に西日本在住者は防府南、東日本在住者は熊谷で着隊する。女性隊員については在住地問わず防府南基地で教育を受けていたが2024年度より熊谷でも女性隊員の教育が始まっている。
卒業後は各術科学校で教育を受け、職種ごとの専門的な教育を施された後各部隊へ旅立っていく。ただし一部の職種は直接配置となる他、枠の都合上最初に部隊配置されて後から術科学校で教育を受ける、というパターンもある（ちなみに後者の場合、術科学校に行くまでの間は基本的に部隊で雑用をやらされる）。
各術科学校
- 第1術科学校（浜松基地）：航空機関連、高射関連など、主に空自の中核を担う職種やその他整備職種の教育を担当。
- 第3術科学校（芦屋基地）：調達、会計などの総務的な業務や補給、施設、輸送、消防などの後方運用に関する職種の教育を担当。
- 第4術科学校（熊谷基地）：通信・情報、気象並びにIT関連、通信器材等の操作及び整備に関する職種の教育を担当。
- 第5術科学校（小牧基地）：航空管制や警戒管制の教育を担当。陸、海上自衛隊の管制の教育も行っている。
- 第2術科学校（浜松基地）※廃止：レーダーや高射関連の教育を担当していた。2020年に第1術科学校に統合され廃止。
関連タグ
※自衛官の心構え
使命の自覚
個人の充実
責任の遂行
規律の厳守
団結の強化
（自衛隊入隊を考えている方は事前に覚えておくとちょっと楽かも……）
