概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』のエピソードの一つ。
TC31巻収録。
エピソード
ある日、のび太はママから「宿題を終わらせるまで遊びに行ってはいけない」と言いつけられる。
ドラえもんは、「宿題をすませておけば、安心してゆっくり遊べるじゃないか」とママの肩を持ってのび太を諭した。
しかし、のび太は「それができれば苦労はしない」と逆ギレした挙げ句、しずかちゃんと遊ぶ約束があることと、約束を破ってしずかちゃんに嫌われて将来結婚できなくなったらどうしようと未来のことを引き合いに出して泣き落としにかかった。
見かねたドラえもんは、時門を取り出してそれを閉め、のび太に宿題を促した。ちなみにこの時、時計は三時半前を指していた。
のび太はなんとか宿題を終わらせたが、体感時間からしずかちゃんとの約束の時間を当に過ぎたと思っていた。
しかし、時計を見るとまだ四時前。
つまり、のび太は三十分で宿題を終わらせたのだった。
ドラえもんは、時門の種明かしをしてのび太に渡したが、この時に「世界中の時間を遅らせることになるから無闇に使うな」と厳しく注意し、ママから頼まれた草むしりに行った。
のび太は、しずかちゃんの家に着くなり時門を閉めて、彼女とゲームをしたりして楽しく遊んだ。
一方、草むしりをしていたドラえもんは腰の痛みを訴えており、時間がたつのが遅いような気がすると違和感を感じていた。
しずかちゃんと遊んだあと、のび太は家に帰り五時から始まる「宇宙ターザン」を見始めた。
番組を見ていたのび太は、「三十分で終わるのはつまらない」と思い、三度時門を閉め出した。
まだ草むしりをしていたドラえもんは、流石に時間がたつのが遅すぎると思い、のび太が時門を閉めていることに感づいて注意しようとするものの、ママは六時まで草むしりする約束だと言って離れることを許さなかった。
ところがママは「今日は時間が経つのが遅い」と夕飯の支度をしながら不思議に感じる。会社にいるパパも「会社の終わりの時間がまだ来ない」と不思議に感じ、同僚も「もう二日分ほど働いた気がするよ」と言っていた。
一方、のび太は宇宙ターザンが次週、そのまた次週の怪人と戦っているのを見ていたが、「ホントならもう夜になってるはずだ」と言って、そのまま居眠りをしてしまった。
しずかちゃんは五時からピアノのレッスンをしており指が疲れたと先生に訴えたが、先生は「六時までレッスンする予定」と言ってそのままレッスンを続けさせる。いつまでたっても時間が進まないことにパパも「まだ会社が終わらない」とうんざりし、ママも「おつゆが冷めちゃうわ」とイライラしていた。
そしてのび太が目を覚ますと、テレビでは宇宙ターザンが怪人と戦いすぎたせいで入院したことがアナウンスされていた。
すかさず草むしりを終えたドラえもんが居間に現れ「時門を開けろ!!」と怒鳴り込んできた。
慌てて時門を開けると、パパは「今日は変な一日だった」と怒って帰ってきていた。
また、ママも時間の進みが異様に遅かったことにイラついて「むしゃくしゃする」と言っていた。
ドラえもんは、その様子を見たのび太に「あたりまえだ。日本じゅう、いや世界じゅうの人が、きみのせいでひどくめいわくしたんだぞ」と説教した。
その後のび太は、この事を黙っていてほしいとドラえもんに懇願するも、ドラえもんは「さあねえ、どうしようかねえ」と腹の虫が収まらない様子でのび太を不敵な笑みで睨み付けていた。