概要
野球漫画『あぶさん』の登場人物で主人公。
通称は「あぶさん」で、非常に強いリキュール「アブサン」(Absinthe)と名前の音読み(安武→あぶ)に由来する。
飲兵衛であり、高校野球の地方予選で自らサヨナラホームランを打ったのに直後に飲酒がバレて優勝を取り消されたり、勤めていた会社を酒のトラブルで懲戒解雇されたりと、プロ入り前は散々であった。
ポジションは外野手。初期の頃は『渋い脇役』の指定席とも言える「代打専門」として活躍していた。後に三冠王を取る。
打席に立つ前の景気付けに、口に含んだ酒を「物干し竿バット(長尺のバット)」のグリップに吹きかける行動が特徴。
1973年より2009年まで南海ホークス(→福岡ダイエーホークス、福岡ソフトバンクホークス)に所属。
2013年シーズンより一軍の助監督に就任。シーズン4位・Bクラスに終わった事に責任を感じ、王会長に退団を申し出た。オフ中の2014年2月、退団し球界から完全に身を引く。
という設定の架空の人物。
……のはずなのだが、現役時代からの背番号「90」は現実のホークスにおいても2015年まで準永久欠番扱いとされていた(2016年からロベルト・スアレスが、2020年から小久保裕紀コーチが着用)。
これは登場作品である『あぶさん』が野球漫画の中でも珍しいパ・リーグを主体として長期に渡って扱い続けた作品であり、パ・リーグの宣伝役として愛されていた(連載時はパ・リーグ選手にとってこの漫画で扱われる事が一種のステータスになっていた程)という経緯がある。
作中で現役を引退した年には架空の人物であるにもかかわらず球団主催で引退記念式典が行われた。
補足
代打専門になった理由は、作者・水島新司が当時南海の選手兼任監督だった野村克也と入団交渉を行った際に「飲兵衛は持久力は無いけど、瞬発力があるから代打専門」と言われたため。