※この記事は『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』単行本第20巻のネタバレが書かれています。
「ワシはオマエの…、本当のおじいちゃんじゃ!!」
概要
本当のおじいちゃんとは『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』単行本第20巻収録の『本当のおじいちゃんじゃっ!』と『思い出の場所…じゃっ!』に登場した謎の老人で、その名の通り自称孫の本当のおじいちゃんである。
人物
この漫画の代名詞とも言える、じーさんの不条理ギャグに対し全く反応しないという、今までの作中の登場人物の中では最もまともな性格の持ち主。
また身体能力も高く、強力な攻撃を放ったり、孫を抱えたまま長距離を走る事も可能。
容姿
立派な着物を羽織っており、じーさんはもちろん、孫よりも背が高い。
髪型は孫に酷似している。
活躍
本当のおじいちゃんじゃっ!
散歩をしていた孫の元に突如現れ、感涙しつつ孫を抱きしめ再会を喜ぶ(当然、孫は困惑していた)。
そして通りかかったじーさん(上記の光景を見たじーさんはあらぬ誤解をした)と孫に、上記のセリフを言って二人を愕然とさせ、さらにじーさんを『今まで孫の祖父のフリをしていた、ただのおっさん』と言い放つ。
この言葉に(おしっこの勢いが微妙だった時ぐらい)怒ったじーさんに『よだれたれ流しゲーム』というギャグ漫画全開の勝負を挑まれるが、
「おふざけはやめなさい、いいトシした大人なんだから」
と冷静にたしなめる。
今までこのような対応をされた事がなかったじーさんは、凄まじく動揺する。
そして本当のおじいちゃんは『やはりここは決闘で勝負』と強力な攻撃を放つ。
その攻撃は(じーさん曰く)孫への気持ちが燃えているかの様だった。
じーさんも負けじと怒りの炎を燃え上がらせるが、燃えすぎて自滅した。
そして、戦いに勝った本当のおじいちゃんは孫を連れさらってしまうのだった…。
「ひさしぶりだぜ…… …すべてのコトが………な!」
と意味深な事を呟きつつ、微笑を浮かべる本当のおじいちゃんの姿を最後にこの話は終わる(連れさらった孫が一緒にいない点や、後述する次の話で夜の場面が無い点を見ると、恐らくこの場面は本当のおじいちゃんがじーさんと孫と出会う前と思われる)。
思い出の場所…じゃっ!
孫を取り返すべく、本当のおじいちゃんを追うじーさん。
逃げる本当のおじいちゃんに、何者なのかを問うじーさんに対し、本当のおじいちゃんは「自分に付いてくる事ができたら全てを教える」と答えた。
本当のおじいちゃんを追い、長距離を走るじーさん。
疲労困憊になりつつも、遂にじーさんは彼を追い詰めた。
しかし、じーさんは追い詰めたその場所を見て愕然とした。
そこには一本の桜の木があった。
本当のおじいちゃんの真の目的はこの桜の木をじーさんと一緒に見る事だった。
彼はそのために、自身が本当のおじいちゃんと嘘をついて孫をさらったのだった。
孫は彼が自分の本当のおじいちゃんではない事に安堵するが、じーさんは納得がいかなかった。
何故なら、じーさんはこの桜の木の事を誰にも話した事がなかったのだ。
それなのに、どうして見ず知らずの彼が知っているのかと問い詰めるじーさん。
それを聞いた彼は、遂に自身の正体を明かす事にした。
以下、ネタバレ注意!
正体
「オレは…70年後の未来から来た…、アナタの孫です、おじいちゃん!! 」
なんと、彼の正体は70年後の未来の世界からやって来た孫だった。
その事を全く信じられない二人に、未来の孫は未来の世界では時間を超える事が可能である事、どうしてもじーさんに再会し、じーさんにとって最高の思い出が詰まっている桜の木を一緒に見たかったのだと明かした。
その時、未来の孫の姿が消え始めた。
彼曰く時間を超える事が可能になっても、その時代に居られるのは限りがあるのでそろそろお別れだという。
未来の孫は帰る直前、
「 ひさしぶりに会えてうれしかったよ! おじいちゃん!! 」
と言い残し、未来へと帰っていった。
じーさんは孫の名を叫び、その場で泣き崩れるのであった…。
余談
孫は作中でギャグ漫画特有の大げさなツッコミや運動が苦手な描写がされていたが、上記の活躍を見る限り、70年の間に運動神経も良くなり、じーさんのギャグを受け流す等、肉体的にも精神的にも成長した事が窺える。
「なんと!でんぢゃらすじーさん」の大長編「ひーひーいってたら未来から来ちゃった」では、突然現れた筋肉質の老人に孫と呼ばれたが、当の孫(以下本名である洋助)は冗談半分で「俺の本当のおじいちゃんだったりして…」と思っていた(ネタバレになるので詳しくは伏せるが、その孫とは別人に向けて言っていた)。その大長編のラストでは、祖父似の子供が人がかりの中に紛れていた。洋助は「…まさかね」と言っていたが、思っていた通りなら、その子がある原因で未来から来た洋助の孫かもしれない。
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以下、更なるネタバレ注意!!
ふと気がつくと、孫は布団の中にいた。
実は今までの出来事は孫の見ていた夢だったのだ。
その事を知った孫は、夢の中に現れた未来の自分が言っていた
「 ひさしぶりに会えて うれしかったよ! 」
という言葉で、いつも一緒にいる事が当たり前のじーさんと別れなければならない日がいつかやってくるという事を自覚するのだった…。
そして、その別れは、突然やってくる!!
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