「オーレッド、これが俺達の守るものなんだ」
演:信達谷圭
概要
U.A.(国際空軍)に所属していた青年で、階級は少尉。
三浦参謀長の部下に当たり(※)、彼をして「正義感に燃える優秀な若者」と評するほどの人物であったようだが、第19話での回想ではその正義感が先走るあまりに取った行動が、自らの運命を大きく暗転させたことが描かれている。
事は物語開始から2年前に遡る。当時三浦は、マシン帝国バラノイアの地球侵攻を予見し、オーレンジャーロボに先駆けて巨大ロボ・レッドパンチャーを開発、機体そのものは完成に漕ぎ着けていた。が、桐野も同様にどこからかバラノイアの地球侵攻が近い証拠をつかんでおり、前述した正義感の強さゆえに桐野はなんと独断でレッドパンチャーに搭乗・出撃するという暴挙に出てしまう。
この時点で、三浦は超力の合成に成功したとはいえ、その強大なエネルギーを制御する術を確立するまでには至っていなかった。そのことも災いし、出撃したレッドパンチャーは桐野を乗せたまま暴走を続け、その果てに崖から転落。レッドパンチャーは崖下に埋没し、コックピットから放り出された桐野もまた若い命を散らす結果となった。
この一件は、遠藤中佐の件に次いで三浦にとっても深い傷を心に残す格好となり、桐野の死を自らの責任として、彼の妹である美雪からの恨みも甘んじて受け止めるとともに、レッドパンチャーを二度と蘇らせたくないとの思いから、その存在をオーレンジャーにも秘匿し続けていたのである。
しかし、バラノイアによるさらなる攻勢が迫る中、三浦の作ったロボットを信じると、そして今の自分の気持ちは桐野と同じだと言い切った吾郎により、レッドパンチャーは再起動を果たすこととになるのだが、やはり思いだけではレッドパンチャーを制御することは叶わず、かつてのように暴走を繰り広げた末にマシン獣・バラビルダーからの攻撃に遭い、レッドパンチャーは地に伏してしまう。
搭乗していたオーレッド(吾郎)も意識を失う中、彼の前に姿を現したのは他ならぬ桐野の魂であった。彼の導きにより、地球の様々な大自然を目の当たりにしたオーレッドは、記事冒頭に示した台詞の通り、これこそが自分達の守るべきものであると桐野より教えられることとなり、意識を取り戻すと「共に生きとし生けるもの全てを守る」という決意を新たにした。
そしてそれに応える形で、超力基地地下の遺跡からも超力がレッドパンチャーに注がれ、レッドパンチャーはここに完全なる起動に至った。そしてバラビルダー撃破の後、桐野の墓前に手を合わせた吾郎は、彼の魂が戦う者の心を教えてくれたと語り、それを受けて三浦も、
「桐野少尉の魂を甦らせたのも、超力の成せる業なのかもしれん。超力とは、ただのエネルギーではなかったということだ」
と、超力に秘められた可能性が未知数であるとの思いを新たにするのであった。
(※ 少なくとも、この時期にはまだオーレンジャーは結成以前であるのだが、一部書籍では彼を「先代オーレッド」とするものも存在する)
関連タグ
星川健/ファイブブルー:『地球戦隊ファイブマン』の登場人物、およびヒーローの一人。演者の信達谷が、過去にスーパー戦隊シリーズにて演じた役柄である