概要
『アイドルマスターシンデレラガールズ』のキャラクター・島村卯月とアニメ版のオリジナルキャラクター・武内Pのカップリングまたはコンビを表すタグ。
アニメでさっそく映像になったアイドルとプロデューサーの二人組である。
経緯
アニメ版のストーリーは、養成所でレッスンに励んでいた卯月とプロデューサーが出会うところから始まる。
プロデューサーの方はアイドルのプロジェクトのメンバースカウトとして養成所に現れたのだが、その目つきの悪さとガタイの良さ、そして無口な雰囲気からくる威圧感のせいで当初卯月には不審者(というか怖い人)と勘違いされた。
誤解を解いたうえでプロデューサーが先述のプロジェクトに関する説明をしたことで卯月は自分のアイドルデビューが決まったことを知るのである。
本編での関係
- 1話
卯月がまだアイドルではなかった春、養成所でレッスンをしているところに、厳つい外見の大男が現れる。
当初は彼の外見や雰囲気に圧倒され悲鳴まであげてしまった卯月だが、彼が『シンデレラプロジェクト』の欠員補充のために自分をスカウトするために訪れたP(プロデューサー)であることを知ると、一転して彼に笑顔と意気込みを見せる。
この時、「一度オーディションに落ちた自分が何故選ばれたのか」と選考理由についてPに訊ねると、Pは真っ直ぐ彼女を見て「笑顔です」と短く答えた。それを卯月は大いに喜び、「笑顔だけは自信があります!ぶいっ!」と笑ってみせた。
その後、渋谷凛のスカウトに難航する彼とともに凛の実家を訪ね、彼女と話す中でPのことを「長年の夢を叶えてくれるかもしれない人」と評して溢れんばかりの感謝を抱いている姿を見せた。
「プロデューサーさんは私を見つけてくれたから!」
「私はきっとこれから夢を叶えられるんだなって!」
「それが、嬉しくて!」
- 3話
城ヶ崎美嘉から誘われる形で彼女のステージのバックダンサーを務めることになった卯月たち三人と、やや難色を示しつつも彼女たちを見守るP。
当日ギリギリまで不安を抱えながらも、小日向美穂や日野茜の励ましにも助けられ、無事に初ステージを成功させる。
終了後、その場を訪れたPに真っ先に駆け寄り、目に涙を浮かべ声を震わせながら「ステージに立たせてくれてありがとうございました!」と感謝を伝える卯月。
そこでPは、(序盤の彼にしては珍しく)笑顔を浮かべながら「いいステージでした」と賞賛するのだった。
- NO MAKE #3
<<美嘉のライブに出演してから1週間後。まだ興奮冷めやらぬ卯月はプロジェクトルームで久しぶりにプロデューサーと2人きりに・・・。(公式サイトより抜粋)>>
スケジュールの過密化による負担を心配するPに対し、卯月は自らの心の内にあったわずかな不安を吐露する。
「私なんかが、アイドル、こんな凄いところでやっていけるのかな、って」
「私、みんなと比べたら、ダンスも下手っぴだし、歌もあんまり自信ないから、大丈夫かなー、って」
Pは「大丈夫です」と短く返答し、それを聞いた卯月は深く安堵した様子で「島村卯月、これからもがんばります!」と答えた。
- 6話
CDデビューと併行する形でのミニライブが行われるが、理想と現実とのギャップに苦しむ未央がPの失言をきっかけに感情を爆発させて走り去ってしまう。それを追いかけて卯月と凛もその場を後にするが、Pはその場に立ち尽くしたままだった・・・。
- 7話
事務所に来なくなってしまった未央と、煮え切らない態度のPへ不信感を募らせる凛。
そんな中で風邪を引いて休むことになった卯月の元に、Pが見舞いに訪れる。
(この時、無防備なパジャマ姿に加え、寝癖が跳ね放題の髪をとても気にして赤面する卯月は「ぼさ村さん」「もじゃむー」などと呼ばれ多くの視聴者を魅了した)
未央や凛と同様、「プロデューサーとしての不備」を責める言葉を予想して身構えていたPだが、卯月から向けられたのは、あくまでも前向きにアイドルとしての未来を願い、Pに期待する笑顔だった。
卯月の笑顔によって、折れかけていた心を奮起させ走り出したPは、再び未央と凛のもとを訪れて説得し、彼女たちを連れ戻すことに成功する。
- 13話
サマーフェスという大舞台が、様々なトラブルを乗り越えながら無事成功し、閉幕後の舞台で余韻に浸るシンデレラプロジェクトのメンバーたちとP。
ラストに表示される皆で撮った記念写真には、2話では同席を辞退したPが、誇らしげな笑顔を浮かべながら共に映っていた。
- NO MAKE #13
サマーフェス終了後のある日、涙目でプロジェクトルームを訪れた卯月。その手には一通のファンレターが握られていた。
彼女曰く、養成所で同期だった(=途中で夢を諦め辞めていった)少女からファンレターが届いて、嬉し泣きしていたという。
我に返り、自分は変ではないかと問いかける卯月に、Pは「いえ、変ではありません。それが、島村さんのよいところだと思います」と答えると、卯月は「プロデューサーさんが褒めてくれました!」と大喜びするのだった。
- 14話
Pに付きまとっている人物を突き止めるべく探偵ごっこをするプロジェクトの面々は、ストーカーの正体が佐久間まゆで、ラブレター(のようなもの)をPに渡したことに色めきたつが、
まゆの目当てはP(武内P)とは別のP(まゆの担当P)であるという真相がPの口から語られ、大半のメンバーが「なーんだ」と呆れる中で、彼の隣に座る卯月はホッとした表情を見せていた。
- 15話
美城常務の打ち出した新方針に反発し、対案作成のため夜遅くまでデスクに向かうP。
疲弊した心身を鼓舞すべく手に取ったものは、サマーフェス成功の記念写真が収められた、卯月のフォトフレームだった。
- 21話
プロジェクトルームにて二人で話す卯月とP。
今後の展望についてPから意見を求められるが具体的な答えを返せず言葉に詰まる卯月に、Pは小日向美穂とのユニット活動を提案する。即OKする卯月だったが、その表情には若干の翳りが見えていた。
そうして俯きながら卯月が訊ねた「私のいいところって、何でしょうか?」という問いに、自信を持って「笑顔です」と答えるP。
彼の言葉に一見元気を取り戻したかに見えたが・・・。
- 22話
オータムフェスを終えて後、美穂とのユニット活動を開始する卯月だったが、撮影スタッフから幾度も修正を求められるなど、その表情からは笑みが失われつつあった。
そこに凛を伴ってPが現れ、現場のスタッフに対して頭を下げて謝罪するPの姿を目撃してしまい、卯月は「自分のせいで」と強い自責の念に囚われる。
励まそうとするPに対して、悲痛な表情でひたすら「がんばります」と繰り返す卯月だった・・・。
- 23話
養成所でレッスンをしたいと言い出す卯月の意向を一旦は承認するPだが、時間を見つけては彼女のもとに通っていた。
様子を見ていくうちに、このままではいけないと判断したPは、NGsのクリスマスライブを企画して卯月にも声をかけるが、やんわりと拒絶されてしまう。
そうして、凛と未央に養成所の場所を伝えて会いに行かせるが・・・。 → 笑うなんて誰でもできるもん
一方で、常務から呼び出され「島村卯月を切り捨てろ」と勧告されるPだったが、
「彼女は・・・島村卯月は、シンデレラプロジェクトに必要なメンバーです」
「彼女は戻ってきます。私は彼女を待ちます。・・・いえ、待たせてください」
彼はあくまでも卯月の復帰を信じ続け、常務に対し深く頭を下げて懇願した。
- 24話
そして、クリスマスライブ当日。
卯月を車で迎えに来たPは、ライブ会場へ向かう途中、彼女が懐かしそうに見上げたライブ会場に寄り道していくことにしたのだった。
誰もいない会場を見て回る途中、舞台袖で立ち止まり、自分を見つけてくれたPへの感謝と、今なお抱える未来への恐怖を吐露する。
そんな卯月にPは、
「春に出会った時、私はあなたに、選考理由を訊ねられました。私は、『笑顔だ』と答えました」
「私は、今もう一度同じことを質問されても、やはりそう答えます」
「あなた“だけ”の、笑顔だと」
「今、あなたが信じられなくても、私は信じています」
「あなたの笑顔がなければ、ニュージェネレーションズは、私たちは、ここまで来られなかったからです」
「島村さん、選んでください」
「このまま、ここに留まるのか。可能性を信じて、進むのか」
「どちらを選ぶかは、島村さんが決めてください」
「・・・島村さん。選んだその先で、あなたは『独り』ではありません」
「私たちが、みんながいます」
卯月の笑顔によって救われてきた道程と、彼女への信任を伝えるのだった。
そして・・・ → 取り戻した、この笑顔 (この時Pは思わずガッツポーズをしている)
NO MAKE #25(最終回)
『シンデレラの舞踏会』の打ち上げへと向かう道をPと二人で歩く卯月。
そこで、空に輝く星の名前を訊ねた卯月に対して「あの星が夕暮れに輝くことは、誰もが知っています。名前などなくても、みんなの心に輝きを届けられるのであれば、私はそれでいいのではないかと思います」と返答したPを、「わぁ!プロデューサーさんって詩人みたいですね!」と無邪気に笑う卯月。
凛・未央と合流した後でも「さっきの話をみんなに話してください!きっとみんな喜びますから!」と卯月にせがまれ、ますます狼狽するPだった。
関係・総括
プロデューサーと卯月の関係で特徴的なのは、二人が出会った当初(1話)から最終話(25話NO MAKE)まで信頼関係が常に良好なことである。
そもそも卯月はコミュ力が高く、1話の時点でプロデューサーのスカウトに同行し、ほぼ初対面の凛とも気兼ねなく話している。
自他共に認める「普通の女の子」である卯月にとっては長年憧れていたアイドルになることはまさに夢のような出来事であり、かつ養成所時代の経験からアイドル界の厳しさも知っている。
そんな中、自分を抜擢してくれたプロデューサーに感謝を伝える場面も多い。(一方で歌唱力では凛に、演技力では未央には勝てず、他のメンバーに対して無自覚なコンプレックスを抱えており、それが表面化したのが22話以降の話となる)
プロデューサーも卯月の話しかけやすい(そして話したがりな)性格のせいか、今後の方針やアイドル活動について等の事務的な話題だけでなく、卯月の養成所時代の話や他のアイドルの話をすることも多い。 → 武内Pを参照
その他
一部の視聴者からは「卯月は武内Pの『癒し』ならびに『支え』になっている描かれ方をしている」と言われている。
二人の初顔合わせの後、プロデューサーは凛のスカウトを試みるが、アイドルに興味がないと言う凛はなかなか応じてはくれず、スカウトは難航する。しかし、何度目かのスカウトの際、卯月がプロデューサーに同行を申し出たことで卯月と凛は再会(卯月と凛の初対面については1話を参照すべし)。そこから凛の愛犬ハナコの散歩がてら、二人は本格的に交流を深めることになる。アイドルになる夢を語る卯月を見て心を揺さぶられた凛は、後日ついにスカウトに応じるのである。
また第7話、ニュージェネレーションズ初のミニライブが催されるが、ちょっとした行き違いからプロデューサーは未央と凛から失望されてしまう。この時、過去の失敗の記憶が去来し、プロデューサーは精神的に追い詰められることになる。こうした危機的状況にあって、プロデューサーは風邪を引いて休んだ卯月の下へ見舞いに訪れる。プロデューサーは、未央や凛と同じように卯月からも失望の声を投げかけられるではと身構えるが、なお前向きな姿勢を崩さない彼女の精神的な強さに驚き、未央と凛の信頼を取り戻すべく行動を起こすことを決意。こうして、NGs解散の危機は回避された。
これからいろいろなエピソードが描かれていくが、NGs解散とプロデューサーの挫折再発の防止に間接的に貢献するなど、卯月がやや特別な立ち位置にいるようにも感じられる。卯月にとってプロデューサーとは、自分の長年の夢を叶え、そこから様々な経験をさせてくれる希望と言えた。故に卯月はプロデューサーへの信頼を失っていなかったのである。
- 卯月の好みの男性のタイプ
MAGIC HOUR Special Program Smile Historyでは好きな男性のタイプについて「優しい人は好きですし、面白い人も好きです!かっこいい人も・・・あっ、あと凛ちゃんのパパもかっこいいんですよ!」と発言している。
ちなみに二次創作でたまに見かける、天然毒吐き&鬼畜な言動で凛ちゃんを出し抜いてプロデューサーを独占するような卯月はアニメ準拠の二次創作では殆どない(はず)。