概要
怪しい者(或いは敵)が居た場合は誰何を行い、状況次第では捕縛したり射殺する。
加えて、敵の侵攻を察知した場合は警報を飛ばし、友軍に危機を知らせる役割も担う。
身も蓋もない言い方をすると「見張り番」であり、非常に地味で平時や後方においては退屈な任務ではある(夜間の不寝番は特に)が、歩哨が敵によって密かに殺害されたり無力化され、そこを逆に突破口として利用するかたちで多数の敵が侵攻してきて大損害を被ることもあるため、昼夜問わず歩哨の担う役割は非常に重要である。
また、歩哨は大抵の場合少人数で構成され、なおかつ基地や建物の外周や出入り口といった、部隊の主力とは多少離れた場所に配置されることが大半なため、敵が攻めてきた際に真っ先に攻撃を受ける可能性の高い、危険な任務でもある。
映画やゲームといったフィクション作品においても「油断してだらけていた歩哨が近付いてきた敵に音もなく殺られる」「突如として突撃してきた敵の大部隊に歩哨が即応できず、為す術も無く蹴散らされる」といったシーンは少なくない。
歩哨はその内容の地味さから、主に練度の低い新兵や若年兵が就くものと思われがちであるが、実際は前述の通り非常に重要かつ危険な任務であるため、(部隊の性質や戦況などにもよるが)ある程度以上の経験を積んだ兵士が就くことが一般的であるとされ、「歩哨を見ればその部隊の士気や練度がわかる」とさえ言われている。
たしかに、見張り番たる歩哨が居眠りこいていた日には、敵に侮られるのは火を見るよりも明らかというものであろう。