概要
オープンワールドRPG『原神』の長編世界任務シリーズで展開されるストーリー。
水の国「フォンテーヌ」の各地を冒険しながら、かつての孤児院「水仙十字院」で育った4人の子供たちの物語を追う。
世界任務「古き色合い」「水仙のアン」「未完成のコメディ」「水仙の痕跡を追って」などの重大なネタバレが含まれるので注意。
登場人物
水仙十字院の子供たち
マリアンの兄。別名は「奇械公」「護国の白騎士」。出自は不明だが、水仙十字院解散後はエマニュエルの養子となった。
「フォンテーヌ自然哲学学院」で研究者として活躍し、彼が発明したクロックワーク・マシナリーの動力コアは現在に至るまで使われている。ルネ、ジェイコブとは研究仲間だったが、助手カーターがルネたちの実験によって無惨な変容を遂げたことをきっかけに決別した。
一時期マレショーセ・ファントムに所属しており、エリナス内部で水仙十字結社と対決した。マリアンの死後に「フォンテーヌ科学院」を設立、初代院長となる。退職後は自身の工房に籠ったままだったという。
フォンテーヌの科学を進歩させた偉大な天才として、多くのエンジニアから尊敬を集めている。
- マリアン・ギヨタン
アランの妹。出自は不明だが、水仙十字院解散後は兄と共にエマニュエルの養子となった。四人の中では最も年下だが、一番お姉さんぶっている。
兄と共にマレショーセ・ファントムのエージェントとなり、水仙十字結社の捜査を担当した。この頃、兄から助手としてセイモアを贈られている。エリナス内部での戦いで瀕死の重傷を負い、リリスに人格を抜き取られる。
フォンテーヌ科学院の「マリアン記念公園」は彼女の名前に由来するものと思われる。
- ジェイコブ・インゴルド
サーンドル河の酒場の店主エドワルド・ベイカーの息子。水仙十字院解散後はカール・インゴルドの養子となった。
泣き虫で、いつもルネにくっついている。スメールの遺跡探索中に体調が悪化し、ルネはアビスの力を借りてジェイコブを救った。この時から体質が変化し、エリナスの血を摂取することで力を得ることができるようになった。
ルネと共に「水仙十字結社」を設立し、彼の研究を助けた。ルネが水を通した変身に失敗した時は一人で研究を続け、何人もの結社会員を実験台にしながらルネを「ナルツィッセンクロイツ」として復元することに成功した。
エリナス内部での戦闘にも参加。その後は姿を消していたが、現代になって再び活動を開始。旅人たちの妨害を受けながらも原始胎海の封印を解いてナルツィッセンクロイツを迎える準備を整え、終末時計の針に押し潰されて死亡した。
- ルネ・ド・ペトリコール
ポワソン町の町長ルノー・ド・ペトリコールの息子。水仙十字院解散後はカール・インゴルドに引き取られた。
「金色の劇団」やカーンルイア人が残した文献を研究し、自ら作り上げた「世界式」によって数百年後に世界が滅亡することを算出した。信奉者を集めて「水仙十字結社」という秘密結社を設立し、あらゆるフォンテーヌ人の意識を一つに融合させて世界の滅亡を乗り越えようとした。水を通して自ら人間を超越した存在になろうとしたが失敗して原始胎海の水に溶け、ジェイコブの研究のおかげでやっと「ナルツィッセンクロイツ」になることに成功した。
マレショーセ・ファントムに計画を阻止されると原始胎海に入り、強大な意志によって運命に抵抗しながら存在を維持し続けた。旅人と出会い、聖剣によって意志の力を奪われた時に、ナルツィッセンクロイツは自分の計算が間違っていたことを知った。
- カーター
アランの助手。水仙十字院の出身で、アランたち4人よりも少し上の世代。重病を患っており、休みがちだった。ルネとジェイコブは彼を救うためにアビスの力を利用した実験を提案し、カーターは同意した上で参加したが、実験は失敗してしまった。
親世代
- エドワルド・ベイカー
サーンドル河の酒場の店主。ジェイコブの父親。仲間たちと共に当地の治安を守っていた。
フォンテーヌ政府の整備案に反対して逮捕されたが、仲間たちのおかげで脱出。護送役を人質に取ってポワソン町に立てこもり、理不尽な要求を数多く出した。フォンテーヌ政府との交渉は決裂し、エマニュエル・ギヨタン率いるマレショーセ・ファントムがポワソン町を包囲・殲滅した。おそらくこの時に死亡。
- エマニュエル・ギヨタン
ファントムハンター。水仙十字院の出身で、カールやバザルの幼馴染。ポワソン包囲を指揮した際に顔に傷を負った。この事件で多くの罪なき人々が犠牲になったことに嫌気が差し、マレショーセ・ファントムを離れて酒に溺れる生活を送った。バザルの頼みでアランとマリアンを引き取る。
- カール・インゴルド
記者。水仙十字院の出身で、エマニュエルやバザルの幼馴染。ポワソン包囲では交渉役に志願してエドワルド一味の要求を政府に伝えたが、交渉は失敗した。記者を辞職した後は探検家となった。バザルの頼みでジェイコブとルネを引き取る。
- バザル・エルトン
フォンテーヌ海軍司令。水仙十字院の出身で、エマニュエルやカールの幼馴染。海軍を退役後に水仙十字院の副院長に任じられ、4人の子供たちを世話するようになった。「罰ゲームみたいな味」と言われるほど料理が下手だったが、練習を続けるうちに美味しいケーキが焼けるようになった。
「500年前の災厄」が始まると子供たちを旧友たちに託し、海軍に戻って魔獣エリナスとの戦いで戦死した。
- リリス
純水精霊。結社での呼び名は「赤の女王」。知能が低いために国外の水域へ行く資格がなく、水仙十字院の院長に任命された。「500年前の災厄」で水仙十字院が解散されると、彼女が事態を理解できないまま廃墟に留まっていた。後にルネがリリスの「肉体から意志を分離する能力」に目をつけ、「水仙十字結社」に勧誘した。
エリナス内部での戦闘で死にかけたマリアンを抱きしめ、彼女の人格を分離して自分と混ぜ合わせた。この二人の混ざり合った存在が「マリアン」となった。
世界任務の登場人物
- アン
「安眠の地」にいる「マリアン」が生み出した小さな純水精霊。水仙十字冒険団の物語の登場人物でしかなかったが、旅人と出会ったことで物語から解放される。
メロピデ要塞にいる少年。かつての呼び名は「幻光蛾蝶のさなぎ」。
- セイモア
アラン・ギヨタンがマリアンのために作った犬型クロックワーク・マシナリー。自立した思考と会話が可能で、撮影、潜航、採掘など多くの機能を搭載している。正式名称は「プロトタイプ4ACV07」。エリナスの戦闘で破損した後、マメールに発見された。
メリュシー村に住むメリュジーヌの一人。画家。
- ラノール
メロピデ要塞で生まれ育った女の子。
余談
- ゲシュタル塔の通告書にはアラン・ギヨタンとヌヴィレットのサインが書かれており、ヌヴィレットは水仙十字結社の事件を知っていた事が窺える。また先代水神が死亡した頃はまだ子どもだった当時のアランたちの年齢から考慮すると、水神が代替わりしてヌヴィレットが最高審判官に就いた時期が490年〜470年程前である事が推測される。
- マリアン・ギヨタンの顔がある人物に似ていると話題になった。
- アラン=白い騎士、リリス=赤の女王、キャタピラー=芋虫など、ルイス・キャロルの小説『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をモチーフにした描写が多い。