空間を全速で飛ぶ私の船を見る者がもしいたとしたら……それは断続するグリーンの尾を引いた流星だと思ったにちがいない……
概要
当時流行した、オリジナル作者による有名漫画の読みきり新作企画の一環として描き下ろされたサイドストーリー。デスラーの妻子(「メラ」と「ジュラ」)が描かれている唯一の作品。それが【永遠のジュラ編】。
作品解説
地球を救うため惑星イスカンダルへの旅を続けるヤマトだが、クルーたちが次々奇妙な幻覚を見せられる現象が相次いでいた。
登場人物
サイレン人
ジュラ
声 - 井上喜久子(PSゲーム版)
ガミラス総統デスラーとサイレン人の母メラの間に生まれた一人娘。母親譲りの読心能力と幻覚発生能力を持つが、その能力を嫌ったデスラーによって母とともにサイレンの星に幽閉されていた。
見た目:デスラー譲りの濃い金髪ロング、目の色は青、指の数は3本、緑色のワンピースを着用、なぜかその下には紺のレギンス(横に黄色の線が入っている)を着用(PSゲーム版より)
メラ
デスラーの妻。デスラーいわく「心が優しくていい女」とのことだが読心能力が原因で幽閉に近い形で別居中。
見た目:色素の薄い金髪ロング、指の数は3本、赤いドレスを着用(PSゲーム版より)
ヤマト
古代進
ご存じ戦闘狂…もとい戦闘班長。
死んだ筈の兄の幻覚に誘われ機関室に叩き落とされかけた。
徳川彦左衛門
ヤマト機関長。機関室に転落しかけた進を助けるが自身も地球で待つ孫のアイ子の幻覚を見せられ……
森雪
我らがヒロイン、生活班長。
見せられた幻覚は「無数のしなびた長い怪物の手に全身を掴まれる」という物だった。
一人だけなぜこんなホラー調な幻覚を……?
アナライザー
おなじみ万能ロボット。
相変わらずのスケベロボット。
機械なおかげか幻覚は見なかったがサイレンの星から放たれるエネルギー流を感知する活躍を見せる。
島大介
本作はあまり活躍なし。
佐渡酒造
ヤマト名物酔いどれ獣医。
医務室に幻覚を見せられたクルーを次々に運び込まれるが当の本人は一升瓶が渦を巻いて飛び回るという幻覚を見せられていた。
一人だけなぜこんなギャグ調な幻覚を……?
そして果たしてこれで精神攻撃になるのだろうか……?(本人的にも悪くない光景だったそうな)
沖田十三
我らが宇宙戦艦ヤマト艦長。
古代守を初めとする先に戦死していった宇宙戦士たちの幻影に自分だけ生き残っていると責め立てられるが自分の死期を悟っていてかいずれ同じ所へ行く身だと撥ね退ける。
(この時挙がる宇宙戦士の名前は全員第1作のスタッフに由来。)
真田志郎
ヤマト技師長にして言わずと知れた生きるチート。
今回はあまり活躍場面はないが、ゲーム版ではサイレンの星を破壊するため放たれたミサイルの弾頭をマイクロブラックホールだと見抜いている。また見せられた幻覚は死んだ姉だったと設定された。
太田健二郎
第1艦橋勤務航海レーダー担当。ゲーム版にて原作で名無しのクルーだった場面に当て嵌められて登場。
地球
古代守
冥王星宙域で消息不明になった駆逐艦長。そして古代進の兄。
弟進と元上官沖田の前に幻覚として現れる。
……まあこの時点では誰も知らないけど実は死んでなかったんですけどね!!
ガミラス
デスラー
「あ~あ、メラは心優しくていい女なんだがなぁ……」
(いつもは)偉大なるガミラス総統。本作にて既婚者だったことが判明。
が、今回は彼の「私」の面にも踏み入った内容のため↑のような砕けたセリフをぶっちゃけちゃったりなんかしちゃったりして。
別居の原因はサイレン人の読心能力を嫌がった+スターシァに心を惹かれていたからだそうな。(要するに浮気がバレた、と)
こんな状態でも夫婦間の愛がなくなっていたわけではないようだが、メラを通じてヤマトにガミラスの情報が流れるのを危惧し総統としての非情さを以て命令を下す。
ヒス
苦労人なガミラス副総統。
愚痴る総統に今一つずれたフォローを入れてグラスを投げつけられるなど相変わらず損な役回り。
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我こそはという方はここに貼り付け願います。
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余談
- PS用ソフトのファンディスク「英雄の軌跡」内にてゲーム版が収録されている。
ただしストーリーパートでボイスがついているのは冒頭とクライマックスのジュラのモノローグのみ。
- ジュラとメラはワンダースワン版『宇宙戦艦ヤマト』にも登場、隠しシナリオではジュラがガミラス残存部隊と合流してくる。
- 2199に登場するセレステラとミレーネルもガミラス人ではない長い耳を持つ種族である点(ジレル人)、精神感応能力を持つという点、その能力故に迫害を受けている点、その種族の生き残りは2名という点が共通している。
ネタバレ
デスラーが派遣したパトロール隊はヤマトの波動砲によって全滅、メラはヤマトにもガミラスにもつかないことを選び自ら命を絶った。
一人生き延びるようメラから命じられたジュラはヤマトから教えられた波動エンジン搭載の宇宙船で単身ヤマトを追うが、その行動は生き延びていたデスラーに味方するためかヤマトにデスラーのことを教えるためなのかは自分にもわからなかった。
しかしジュラが追いついたとき既にデスラーは敗れ乗艦は宇宙の塵と化していた。
私はジュラ…… 父を愛し、地球人を愛した宇宙の娘……。
私がこれからどこへ行けばいいのか教えてくれる者はいない……。
私はジュラ、その信ずるままにガミラスの栄光と共に死んだ偉大なデスラーの娘……。
私はジュラ、永遠にさまよう宇宙の娘…………