池田厚子
いけだあつこ
池田厚子とは、昭和天皇の第4皇女であり、元皇族である。昭和27年に旧岡山藩主侯爵家の継嗣・池田隆政と結婚し皇籍を離脱(降嫁)。
既に次姉の和子内親王が内親王としては88年ぶりに降嫁していたが、厚子の嫁ぎ先は元大名・侯爵の嫡男とは言えこれまでに前例の無い家系(これまでの降嫁先は五摂家などの高位の公家か、将軍家であり、姉の和子の嫁ぎ先も五摂家の一つ鷹司家であった)であり、また戦後に池田家は故地・岡山に戻っていたため「岡山の農場主と婚約」と報じられたほどであった。
昭和28年、隆政と二人で池田動物園を立ち上げており、岡山県下で最大の動物園となる。園長は長年夫の隆政が務めていたが、隆政の死去に伴い厚子が継承した。
1964(昭和39)年4月29日、生存者叙勲の再開により、内親王の身位を遡って勲一等宝冠章を授与された。
1988(昭和63)年、体調が芳しくない姉・和子の退任に伴い神宮祭主の職を継承した。その直後の平成元年には父帝と姉を相次いで亡くすこととなる。祭主職は平成29年まで務めたが、後年は高齢のため、2013(平成25)年式年遷宮の際には臨時祭主として姪の黒田清子が補佐役を務めている。29年を以て祭主職を清子に譲り、退任した。
なお、通常神宮祭主が務める神社本庁最高職・総裁においては引き続き厚子が務めているとされる。
夫妻に子は無く、また池田家では縁戚の鳥取藩主家・若桜藩主家も断絶もしくは寸前のため、池田氏一門の内華族となった各家全ての絶家が危惧されている。
また池田動物園は、近隣の鳥取県・香川県も含めた3県エリアで唯一の日本動物園水族館協会
(JAZA)加盟の動物園であるが、こちらも近年は経営難のため園長である厚子自身の資金貸出も含めた厳しい経営や後継者不在により、廃園の可能性が囁かれている。
現在、皇籍を離脱した内親王の中で存命最年長の人物であり、令和3年(2021年)には満90歳を迎えた。