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犬狼伝説

けんろうでんせつ

『犬狼伝説 - Kerberos Panzer Cop』。押井守原作、藤原カムイ作画による日本の漫画作品。『ケルベロス・サーガ』の一つであり、設定の根幹となる作品。
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銃を持って立ち塞がる者あらばこれを撃て

たとえ相手が誰であれ


解説編集

押井守原作・藤原カムイ作画による漫画作品。

ケルベロス・サーガ』と呼ばれる作品群の一つであり、『紅い眼鏡』で断片的に語られるに留まったプロテクトギアやそれを取り巻く「首都警」を始めとする世界設定の根幹を描いた作品。

1988年から1989年にかけて笠倉出版社の「アメージング・コミックス」で、1989年から1990年にかけて日本出版社の「コンバットコミック」で連載され、1999年にアニメ映画『人狼 JIN-ROH』の公開にあわせて角川書店の「月刊少年エース」で完結篇が連載された。


第二次大戦でドイツに敗戦した日本という架空戦後史を舞台に、強大な権限と戦闘力を持つ首都の治安の番犬として産み落とされた首都警及びその中核を成す実働部隊「特機隊」が、世論の指弾を受けながら当面の敵たる反体制武装過激派集団「セクト」と血みどろの抗争を繰り広げる水面下、首都警を解体し国家警察への昇格を目論む自治体警察、特機隊をスケープゴートに首都警存続を図る首都警公安部、特機隊を第三の暴力装置として警戒する自衛隊など様々な組織との軋轢の中で孤立し、武装決起事件<ケルベロス騒乱>を引き起こすまでの過程とその顛末が、複数の首都警関係者達の視点を通して群像劇的に描かれる。


ケルベロス・サーガはいずれの作品においても微妙に設定が異なっているが、あえて時系列を整理して並べるならば、本作は『紅い眼鏡』の冒頭シーンの直前に至るまでの前日譚となっている。


登場人物編集

巽志郎

首都警警備部特殊武装警備大隊隊長。元・軍人の硬骨漢。

首都警の中心的人物の一人であり、特機隊の徹底した攻性的性格の大元とも云える人物。

特機隊こそが首都の治安の要であると自負し、移り変わる時代や社会情勢に抗い、孤立してもなお最後まで己の意思を貫こうとする自分達の生き方を犬に例えている。


室戸文明

首都警公安部部長。首都警の中心的人物の一人。

嘗ては安仁屋や巽と理想を共にした同志だったが、特機隊への世論の攻撃と当面の敵であった「セクト」が立法措置によって地下組織化したことを受け、公安活動による治安維持への姿勢転換を主張。自治警公安部との間に独自のパイプを通じ、特機隊武装解除を取引材料にして首都警の組織存続を図るべく暗躍する。

紅い眼鏡』で同キャラを演じた玄田哲章が容姿のモデルになっている。


安仁屋勲

首都警警備部部長。首都警の中心的人物の一人。

官僚然とした人物だが優れた政治力を持つ策略家。何かと批判の槍玉に挙げられる巽率いる特機隊の戦闘的姿勢に頭を悩ませながらも、自治警始め他組織との折衝に奔走し、巽や室戸と共に掲げた嘗ての理想を実現しようとする。


半田元

首都警警備部特機隊副長。巽の忠実な部下であり、特機隊の現場指揮を担う。

かつて敗戦直後の占領統治下では、占領機構から要請されて、対敵諜報活動を指揮した経歴がある切れ者。特機隊にあっても、非公式の防諜・粛清組織『人狼』を独自に作り、ネットワークを構築しているとの噂がある。


都々目紅一

首都警警備部特機隊第一中隊第一突入小隊所属の優秀な前衛隊員。

アオや翠と共に「三人組」と呼ばれ、様々な過酷な任務を戦い抜いていく。

『紅い眼鏡』や『ケルベロス』で同キャラを演じた千葉繁を容姿のモデルに作画されている。


鷲尾翠

首都警警備部特機隊第一中隊第一突入小隊所属の女性前衛隊員。

特機隊前衛隊員のサイドアームであるモーゼルC96の扱いに長け、100m近く離れたテロリストヘッドショットで仕留めるほどの並外れた射撃能力を持つ。また、陸自プロテクトギア部隊編成のための習熟訓練にやってきた陸自隊員達に、戦技教官として「躾」を行ったこともある。

『紅い眼鏡』に登場した鷲尾真知子演じる同名キャラとは容姿・性格ともに大きく変化している人物。


鳥部蒼一郎

首都警警備部特機隊第一中隊第一突入小隊所属の前衛隊員で、「アオ」と呼ばれる。

特機隊前衛隊員のメインアームであるMG34に妙にこだわるという嗜好がある。

『紅い眼鏡』で同キャラを演じた田中秀幸が容姿のモデルになっている。


紀州八郎

首都警警備部特機隊航空実験小隊所属のヘリパイロット。

空を飛びながら何かを追いかけるという小さい頃から見てきた夢のために特機隊航空小隊に入隊した若者。普段の態度は軽くひょうきんな人物だが、パイロットとしての技量は優秀。


乾亮

特機隊第一中隊第二突入小隊の新人隊員。元は自治警警備部第六機動隊所属だったが、政治的デモンストレーションとして行われた人事交流制度に唯一志願して特機隊にやってきたという経緯がある。


小白丸忠

特機隊第二中隊第七小隊所属の前衛隊員。悍威に優れ、性格は硬性という優秀な人物だったが或る日、「冷やしタヌキの賢」を名乗る立喰師を蕎麦屋で殴殺するという事件を引き起こす。


甲斐

陸上自衛隊所属。陸自プロテクトギア部隊創設のため、首都警養成校の習熟訓練を受けに来た隊員の一人で、ギアの上からでも猛烈な痛みを与える訓練用スタン弾を食らっても不敵な表情を浮かべる底知れぬ人物。戦技教官を担当した翠に対して、警察組織でありながら軍隊に近い<時間>を生きる特機隊の性質を指摘し、自衛隊の有り様を語る。


藤原和也

「セクト」のメンバーで党歴9年の古参。筋金入りの武闘派幹部だったが組織内の主導権争いに敗れて居場所を喪い、国外逃亡を図る。その境遇から仇敵である特機隊とは互いに奇妙なシンパシーを持つ。


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ケルベロス・サーガ

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