「でもこれ以上は勘弁ですよ?」
「ウチの雇い主はあくまで天帝閣下なんで。八大使徒(みなさま)の要望っていうのは依頼(おねがい)であって、命令じゃありません。使徒聖(ウチ)が頭を垂れるのは天帝のみです」
概要
CV:竹達彩奈
使徒聖の第五席。天帝参謀。知的な黒縁眼鏡をかけた怜悧で端正な女性。あらゆる分野で才能を発揮する万能の天才で軍学校を首席で卒業した上、異例の速さで使徒聖に昇格し、防衛機構の司令部特別客員を務めるエリート。
さらには使徒聖の中でも天帝の正体を知る数少ない一人であるなど、主君からもかなり重用されている。
イスカたち第907部隊に期待をかけており自身の特務に組み込む。
人物像
ミスミスと士官学校からの同期で仲が良く、いろいろと可愛がっている(というより遊んでいる)。上記の通りできる軍人だが、軍務中に隠れて飲酒するなどいい加減さも目立ち、楽しく気さくなお姉さんといった佇まいだが、その一方で底知れぬ腹黒さと冷徹さも併せ持っており、無理無謀な命令を笑顔と正論でゴリ押す上、第907部隊を平然と囮に使って自らは逃げ遂せるなど、ジンからはまるで信用されていないばかりか警戒さえされている曲者でミスミスが魔女化したことは友人である彼女にさえひた隠しにするほどである。
帝国と皇庁の二重国籍を持ち、「四回目の二十二歳」であると嘯くなど経歴に不穏な謎が多い。
しかし天帝への忠誠心は本物。
能力
上記の通り学問、格闘術や銃器に生存技術、戦略指揮などあらゆる分野に精通する天才で、最上位戦闘員たる使徒聖に恥じぬ戦闘力の持ち主であり、人為的に超人を製造するというコンセプトで開発された、ネームレスを模した光学化スーツを身に着け、皇庁の十三州『アルカトルズ』でサリンジャーを逃がした後に時間稼ぎのためアリスリーゼと交戦したことからもそれが窺える。
その後、帰還した彼女に当のネームレスは「そもそもお前にそんな玩具は必要ない」と評されていることからも底知れぬ実力を未だ隠している節が見受けられ、実際上記のサリンジャーを逃す際に監獄のガラス壁を手も触れずに破壊するなど謎の力を持つ描写もある。
だが、それでも本人曰く使徒聖の中ではそれほど戦闘向きではないらしい。
関連タグ
イスカ(キミ戦) ミスミス・クラス ジン・シュラルガン 音々・アルカストーネ
ネタバレ
ここから先は作品の重要なネタバレを含む為、閲覧注意。
実は、ミスミスが魔女化していることはとうの昔にお見通しである。
そもそも、これまでも星脈噴出泉を巡る争いは幾度もあり、ミスミスのように帝国兵が魔女化してしまうという事例は今更であった。むしろ、そうした場合は皇庁へのスパイにも使えるので左程重要視はしていなかった。
かくいう彼女も皇庁襲撃で仮面卿と対峙した際、帝国領の星脈噴出泉から確保した星の第四世代型に類する『紡』の星霊の力を保有していることが明らかとなった。もっとも彼女の場合は人体に星霊を付着させる実験の結果であり、一時的に星紋と星霊術を付与するが、一週間が限度という限定物(かつて907部隊をアルカトラズに潜入させるために試行した人工星紋の発展型)。
『紡』の星霊は星霊エネルギーの糸を伸び縮みさせるという単純なものだが、使いようによっては暗器のように利用し蜘蛛の巣ように相手を絡め取ることができるなど応用はそれなりに聞く。
しかし、あくまでも借り物の力なので十全に扱えているわけではない。
また八大使徒には謀反の証拠を見つけるために依頼に応じているに過ぎず、グラスナハトのケルヴィナの隠しアジトでそれを掴んだ時にはいつにない冷たい怒りを発露し、その場に『巨星兵』という星体パーツを組み合わせた器に憑依した八大使徒の一人ルクレゼウスが現れ交戦。907部隊とシスベルとの共闘と連携で辛うじて撃退し、ルクレゼウスの思念体も消滅させるに至った。
ここから先はさらに11巻以降のネタバレがあるため閲覧注意
今から百年前の帝都。かつて八大長老と呼ばれていた八大使徒は、ある星霊使いを狡猾かつ悪辣に甘美な囁きで脅し、篭絡していた。
大魔女が主導する星霊使いたちの帝国脱出計画――それを星霊使いによるクーデターとして詐称しろと。
その代わり自身と家族の帝国安住を保証すると。
悪魔の囁きだと跳ねのけようとする彼に八人の老害は、帝国を出たところで星霊使いに居場所はない。悪いのはみんな大魔女であると嘗め回すようにのたまい、論理をすり替え、かつ弱みにつけ込み遂に屈服させた。
そして、その裏切り者の星霊使いの名を――
ドレイク・イン・エンパイアと言う。