『――終わりなのだよ』
『璃洒。皇庁の魔女シスベル。そして黒鋼の後継イスカ。君たちが帝都に着くことはない。この冷たい地下が終着点だ』
『「優先」は、すべてに優先する』
概要
帝国議会を牛耳る最高幹部八大使徒の一人。「優先はすべてに優先する」というロジックの持ち主で非情に合理的な判断をする。だが、その反面傲慢かつ慢心家で神経質。星の中枢に辿り着き星の未来を担うのは天帝ではなく自分たちだと豪語するなど典型的な選民思想の持ち主。
彼も例に漏れず百年前に老いた肉体を捨てた電脳体の身となっている。
帝国領第二十一都グラスナハトのケルヴィナのアジトの地下ホールで「第79次報告書」を読み、自分たちの関与を知った璃洒とイスカたち907部隊にシスベルを刺客として始末するため電脳体の姿を顕わにし、さらにそこへ保管していた殲滅機械(オブジェクト)の後継機にして肉体を失った自分たちの器である半霊半機『巨星兵』に憑依し襲い掛かった。
星体パーツで組まれ星霊の力を宿した本機の圧倒的な力もさることながら上記のように理に適った戦法で追い詰めるのみならず、天帝に勘付かれることを防ぐため、星霊エネルギーを遮断する偽装結界『星の中枢』(これによりシスベルの「灯」の星霊による攪乱も防いだ)で地下ホール全体を覆うという万全の態勢で907部隊を圧倒するも、イスカと璃洒のみを優先し、907部隊や力を封じたシスベルを軽視したことに加え、上記の神経質な性格と露骨な演技から、星の中枢を支えているのが、四柱の「星晶」であり、ホール全体への大規模攻撃を避けていたことで非常に脆いことをもジンに見抜かれ、砕かれる。
それでも星の中枢など天帝に勘付かれることを防ぐためのものに過ぎないと一蹴。今度こそ大規模な攻撃で諸共に吹き飛ばそうとするも、してやられた激昂のあまり星の中枢を破られたことで灯の星霊の力を解放されたシスベルを失念しており、彼女が映した始祖の映像に気を取られ、イスカたちに向けるはずだった攻撃を映像に過ぎない始祖に向けたことで致命的な隙を見せてしまい、それをすかさずイスカと璃洒が攻め、胸部を破壊され、動力源である星霊を閉じ込める檻が露出し、そこをジン、音々、ミスミスが銃で撃ち抜き檻を破壊されたことで巨星兵は沈黙。同時に器を失った自身も見苦しく身勝手な怨嗟を吐露しながら消滅という末路を辿り、八大使徒で最初の死亡者となった。