これは、すべての期間限定イベント海域に挑戦した提督へ送る言葉である。
概説
DMM.comのブラウザゲームである艦隊育成SLG『艦隊これくしょん』における、プレイヤー艦に存在する格言の一つ。
2015年2月6日~2月23日までに開催された期間限定イベント海域『迎撃!トラック泊地強襲』で初登場した、勲章系アイテムの上級版「甲種勲章」の存在から、この言葉は生まれた。
それまで艦これの期間限定イベント海域には難易度設定がなく、艦隊司令部のレベルに応じて否応なく難易度が上昇していた。これには当然提督(プレイヤー)諸氏からも不満は存在し、イベントが開催されるごとに運営側への対策を訴える声も大きくなっていった。
そこで運営側は、当イベントで待望の難易度設定を決行し、「甲」「乙」「丙」の三つの難易度を設けて提督各位に合わせた攻略の進め方を提案するようになった。
この際、最終海域を最高難易度である「甲」で突破した提督に対し、一種の褒章として配布されたのが「甲種勲章」である。
一種のトロフィーであり、自身の武勲を誇るための記念碑でしかない。
甲種勲章の呪縛
難易度の登場は、それまでイベント参加に抵抗感を持っていた多くの提督に対し、参加への垣根を低くすることに成功し、より多くの提督がイベント海域への挑戦を楽しむことが出来るようになった。
ところが、同時にある厄介な観念も派生することになる。
甲種勲章は獲得できて然るもの。
この風潮が時間を待たずして艦これ界隈を浸食していったのだ。
勿論、登場した当初でもトリプルダイソンという特大の悪夢が存在したため、獲得できたのは全海域突破者の全体としても半数にも満たなかった。
だが同時に、このときの調整を鑑みて次の春イベントでは若干手心が加えられ、勲章の授与者は増加した。
その後の夏イベントでは再び理不尽の塊が登場したことで、勲章の授与者は減少したものの、その次の秋イベントと翌年の冬イベントでは、難易度が相対的に落ちたことで勲章を獲得できた提督も増えることになった。
これにより「頑張れば勲章は獲れる」と、勲章登場からイベントを進めてきた提督たちのあいだで、徐々に甲種勲章獲得への抵抗感も下がっていった。
その結果、ある事件が勃発してしまう。
問題の爆発と余波
2016年の春イベント『開設!基地航空隊』にて、運営側のたび重なる不備によりトラブルが続出するという、艦これ史上でも稀に見る最悪の事態が起こってしまった。
また難易度についても、イベント期間前半は“歴代最凶”の評が付けられるほどだった。
当然、この直撃を受けたのが、甲種勲章を総なめにしてきたRTA常連の上位ランカー提督たちである。
艦これ検証部という集団のトップが激怒しイベント中につぎ込んだ課金アイテムの総額の返金を訴える署名活動を先導、展開し始める事態となった。署名は先導者となった人物と協力者との齟齬によって頓挫している。http://noisyk5.jp/kancolle/ 頓挫せず続けられたとしてもDMM.comの利用規約には「如何なる理由であれ返金には応じない」とあるのでやるだけ無駄であった。
その後、検証部内の内ゲバが表面化し、検証部で運用していたデータベースサーバの仕様や、一部の専用ブラウザで搭載されていたDB送信機能が必要のない個人情報まで抜き取っていたこと、検証部メンバーが第三者からの質疑に対する応答があまりに稚拙で炎上しているところにガソリンをぶちまける行為が続いた。更に検証部に協力していたフリーライターの南条匡が検証部に対して「田中謙介は艦これ運営から離れているので2016年春イベントはアベという人物がデザインした」とデマを流布し、ユーザーを更に混乱の渦に巻き込むことになった。騒動を知った南条は謝罪しライターを無期限休業を宣言。事実上の廃業に追い込まれた。
勲章よりも装備をくれッ……!!
一方で撃破ボーナスで配布される装備がほしいがため、何としてもその難易度で突破しようとして泥沼にはまってしまう提督もいる。
特に厄介なのが有効な装備が手元にないせいで攻略の足止めをされるパターン。
前述の『開設!基地航空隊』ではE2で登場する砲台小鬼に対し効果を発揮するU-511の初期装備であるWG42やあきつ丸が持つ大発がないために躓き泣きを見る提督も多数いた。
大発はE1クリア時に乙以下(甲では上位版にあたる『大発動艇(八九式中戦車&陸戦隊)』)で1つもらえるものの、あきつ丸を改造する手間がかかる上に装備できる艦娘が少ない。
一方である程度自由に搭載艦娘を選べるWG42はよりにもよって装備しているU-511がドロップする最も早い海域は問題のE2を突破した先のE3であった。
丁は・・・?
2018年冬のイベントにして艦これ第1期を締めくくるイベント「捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)」において、丙よりも難易度が低い「丁」難易度が実装された。
そのため、丁に当てはまる言葉が何なのかは提督の間で熱い議論が交わされているとかいないとか。