概要
国際日本文化研究センター教授(2023年1月現在)。
歴史学のうち、専門は日本近世・近代史・日本社会経済史。
著書「武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新」が2010年に「武士の家計簿」の題名で映画化されて一気に知名度を得る。その知識と情熱、わかりやすい語り口からNHKの歴史番組「英雄たちの選択」への出演(司会)として知られるほか、著書「無私の日本人」の一編「穀田屋十三郎」が2016年に「殿、利息でござる!」の題名で映画化されたことでも知られる。
現在は近世中後期の幕藩政改革、歴史地震津波の史料の解読と地域防災への応用、伊賀・甲賀など忍び(忍者)の古文書の調査、感染症の日本史などについて研究を進めており、それらについての著書も多数ある。
エピソード
- 若かりし頃、彼女(現在の奥様)とデートに向かったのはやっぱり歴史の博物館。その際、磯田はものすごく熱心に展示品についてガイドをしており、気づいたら他の来館者も周りで熱心に聞いていたとか。このデートでの一件で奥様は結婚を決心したらしい。
- わかっている方も多いとは思うが、普通、博物館デートは片方ばかりが盛り上がってしまい、下手すると破局の原因にもなりかねない、少なくともお付き合いし始めた頃にはおすすめできないスポットである。磯田の博物館デートが成功したのは、彼の「好きなものへの膨大な知識」「それを楽しげに語るだけの熱意」「相手も楽しめるし聞き飽きない表現力」の三つが遺憾無く発揮されたからである。
- 先述の通り、専門は中近世・近代史だが基本どんな時代、どんな人物だろうと語り尽くすせないほど語ることができる。対談番組「スイッチインタビュー達人たち」に出演した際には「どんな時代においても楽しげに語らせたら右に出るものはいない」とナレーションで紹介された。
- 「武士の家計簿」の主演だった堺雅人とは歴史好きという点で親交があり、女優の杏や漫画家のヤマザキマリも交えて定期的に歴史を語りあう会を開いているらしい。
- なお、ヤマザキとの初対面の際には挨拶もそこそこに近年発見された秀吉のお風呂の史料に関して力説し、ヤマザキに吃驚されたことがヤマザキ自身の口から明かされている。
- 岡山出身のため、同地を治めていた池田家、特に江戸時代の二代藩主池田綱政に関心を抱いており、著書「殿様の通信簿」でも詳しく書いている。彼に興味を持ったきっかけは幼少期に自身の祖父から「綱政公は無類の女好きで子供がたくさん(史実的には二十男二十八女)いたそうな」とひそひそ声で打ち明けられたことだという。ちなみに綱政は江戸時代の大名名鑑「土芥寇讎記」には暗君として描かれているのに対し、綱政の父である初代藩主光政は現在でも岡山の人々から尊敬される名君であるが、調べるうちに磯田は光政より綱政の方に惹かれたらしい。
- 実際、綱政には藩政改革や後楽園造成など多数の功績があるため、「女好き=暗君」と決めつけることはできない。どっちかというと父親が偉大すぎた感がある。
関連タグ
さかなクン:対談番組「スイッチインタビュー達人たち」にて共演。かたや魚オタク、かたや歴史オタクとしてそれぞれの視点から熱く語り合った。なお、双方ともに研究者、専門家であるため、この場合のオタクは「ファン」というよりも「その道を愛し、極めたもの」というような使い方である。ちなみに二人とも天皇陛下(当時、現上皇陛下)とのエピソードがあるという共通点がある(磯田は御進講経験があり、さかなクンはクニマスのエピソードがあまりにも有名)。