解説
自動車、オートバイ、鉄道車両などの車輪が空回りしている状態のこと。
転じて、物事が上手く行かない、進捗がない状態のことを比喩する際にも用いられる。
濡れた路面、雪道、油、ぬかるみといった摩擦の少ない路面で起こりやすい。
自動車やオートバイなどの場合、タイヤで車速と進行方向を制御することとなるので空転≒車両が制御できない状態である。このため、運転では最も避けるべき事の一つである。また騒音の原因となったり後方へ砂や泥・小石を飛散させるといった危険もある。
対策としては以下の方法が挙げられる。
- スリップや沈み込みが予想される路面を避ける。
- 路面に対する摩擦を上昇させる。
- チェーンを巻くことで路面への食いつきを良くする。
- タイヤの空気を少し抜き、接地面積を増やす。
- 無限軌道(キャタピラ)の車両などを使用する。
- 雪道においては除雪や、砂箱・凍結防止剤・融雪剤などを利用する。
- 既に空転して脱出不可能な場合
- 分厚い板などを車輪の下に噛ませ脱出する。
- 大勢の人間または他の車両に引っ張ってもらう。
- 自車または他車両のウィンチやクレーン装置で引っ張る。
- 脱出不可能であった場合、予備車両に乗り換える。
など。
日本では、慣例的に意図しない空転(或いはタイヤが滑走している状態)を、スピン或いはスリップ、高い運転技術で意図的に空転(滑走)させている場合はドリフト或いはバーンアウトと呼ぶことが多い。
鉄道では、特に上り勾配で発生することが多く、鋼鉄製の車輪とレールという「お互いに滑りやすい物」を組み合わせて走るため、一度空転が起きると正常な状態に戻すことが極めて難しく、悪条件が重なると立往生する恐れがある。
いずれも、正常な状態以上にパワーを使っているにもかかわらず、車両が一向に進まない状態であるため、労力を掛けているにもかかわらず物事が一向に進まないことを、「空転する」と比喩することもある。