概要
岐阜県羽島郡笠松町にある、名古屋鉄道名古屋本線と羽島・竹鼻線の分岐駅。駅番号はNH56。
ちなみに名古屋本線は当駅より岐阜県に入る。
カオスな笠松駅移転の歴史
笠松駅は移転や改名を繰り返しているため歴史が非常にややこしく、現在の笠松駅は4代目。
初代は1914年、今の駅より南、東笠松駅寄りに初代笠松口駅※として誕生。1916年、笠松に改称したが、10月には東向きに移転(2代目)。この頃は名鉄の路線が木曽川を渡っていなかったので、対岸の木曽川橋駅(尾西線の玉ノ井駅から先の廃止区間にあった駅)との間で徒歩連絡、後にバス連絡という形で名古屋と岐阜を結んでいた。
1921年には現在の西笠松駅に移転(3代目。実は移転前に竹鼻鉄道の初代新笠松駅として暫定開業しており、美濃電気鉄道が乗り入れるまで仮駅として使われていた)。終点だった初代と2代目へのルートは廃止され、現在の竹鼻線ルートが開業した。
1935年、名岐鉄道によって現在の名古屋本線西側にあたる名岐線が開通し、竹鼻線との接続位置に現在の笠松駅が新笠松駅として開業。このとき笠松駅は名岐連絡の拠点から竹鼻線と名古屋本線の分岐駅に役目を変えている。
1936年に新笠松駅を笠松駅(4代目)、3代目笠松駅を西笠松駅に改称…という、複数の駅を巻き込んだ複雑怪奇な経歴がある。
※笠松口駅もまたややこしく、初代笠松駅とは別に竹鼻線上にも現在の笠松と西笠松の間に笠松口(2代目)という駅が1921年にできている。こちらは1942年廃止となり現存しないが、線路脇にホームの残骸が残る。
まとめると…
- 笠松口駅(初代)→笠松駅(初代):1914年-1916年。1916年2月、笠松駅に改称した後10月に2代目に移転。
- 笠松駅(2代):1916年-1921年。1921年9月、竹鼻鉄道の初代新笠松仮駅を笠松駅に改称し移転。
- 新笠松駅(仮駅、初代)→笠松駅(3代)→西笠松駅:1921年-。1936年5月に笠松駅から西笠松駅に改称。
- 新笠松駅(2代)→笠松駅(4代、現行):1935年-。1936年5月に新笠松駅から笠松駅に改称。
駅構造
島式1面2線・単式1面1線の地上駅で、1・2番線が島式ホームとなっており、名古屋方面と羽島・竹鼻線とが同一ホームで乗り換えられる。
ミュースカイは全列車通過、特急も平日朝方は上りに通過する便があるが、その他はすべて停車する。
竹鼻線が分岐する上、名古屋本線も東方向に大きく向きを変えるためか、ホームがカーブしており、車両との間が空く箇所があるので要注意。その構造上待避線を作れず、待避は岐南か新木曽川で行うようになっている。
隣の駅
名古屋本線 | 前の駅 | 次の駅 | |
---|---|---|---|
| 通過 | ||
| 新木曽川駅(NH53) | 当駅 | 名鉄岐阜駅(NH60) |
| 木曽川堤駅(NH55) | 当駅 | 岐南駅(NH57) |
羽島・竹鼻線 | |||
| 西笠松駅(TH01) | 当駅 | (名鉄岐阜方面) |
かつて、当駅と木曽川堤駅との間に東笠松駅があったが、利用者が減少した為に、2005年(平成17年)1月29日に廃止となった(こちらの方が笠松競馬場の最寄り駅だった)。