名鉄竹鼻線
岐阜県羽島郡笠松町の笠松駅から岐阜県羽島市の江吉良駅までを結ぶ名古屋鉄道の鉄道路線。1921年に竹鼻鉄道の手で開業し、1943年に名鉄に吸収されている。
全駅でmanacaをはじめとする全国共通の交通系ICカードが使用可能。
江吉良駅で名鉄羽島線と接続し、直通運転を行っている。このため実態に即し羽島・竹鼻線とひとくくりに呼ぶこともある。
現在の竹鼻線は笠松駅~江吉良駅間までだが、2001年9月30日までは江吉良駅から先、大須駅まで路線が伸びていた。大須駅と言っても名古屋市中区の「大須観音駅」のことではなく、岐阜県羽島市桑原町に所在していた。
(元々は岐阜の方が大本で、慶長17年(1612年)に大須観音を名古屋の地に移転させて現在に至っている。)
この亡き大須駅はちなみに「お千代保稲荷」の最寄駅でもあり、「名古屋の大須は観音様、岐阜の大須はお稲荷様」と呼び分けられていたという。
現存区間は4両編成まで入線できるが、廃止区間は2両分の有効長しかなく、やむを得ず4両編成が入線してきた場合は2両分のドアカットを実施していた。しかし車両単位でのドアカットのできない7700系がダイヤ乱れの影響で4両のまま入線することになってしまい、やむなくドアカットせずに走らせたという噂も伝わっている。また、晩年は交換設備も撤去されていたため、廃止区間には1編成しか入線できなかった。
廃線跡はその大半がそっくりそのまま太陽光発電に利用されており、中には駅のホームが残ったままになっている場所もある。
名鉄羽島線
東海道新幹線の岐阜羽島駅は開業当初は新幹線唯一の単独駅であり、他の鉄道路線との接続が望まれていた。当時岐阜県に路線を持っていた近鉄は養老線(今の養老鉄道)から分岐してこれに連絡、それにより岐阜県内において近鉄グループの影響力を拡大させることを画策していた。近鉄のこの構想を察知した名鉄は岐阜における自社グループの防衛の意味合いも兼ね、近鉄に先駆けて建設免許を取得し新線計画を始動。用地取得の難航もあり1982年12月11日、ようやく江吉良駅から分岐し新幹線駅方面へ結ぶ路線を開業させた。これが名鉄羽島線である。実は江吉良駅は1944年から休止しており、羽島線開業と同時に分岐駅として営業を再開している(それまで羽島市役所前駅の次は、今は亡き牧野駅だった)。
江吉良駅~新羽島駅間1.3kmを営業。
運行形態
原則15分間隔で笠松~新羽島を往復する普通列車が設定されるほか、平日の朝晩や夕方、土休日のごく一部は名古屋本線へ直通して名鉄岐阜駅発着で運行される列車となる。その大半は名古屋本線内はノンストップで運行される急行だが、平日朝の一部・土休日夜の列車は名古屋本線内も各駅に停車する普通列車で運行される。
また、羽島市役所前駅で笠松・岐阜方へ折り返す列車もある。
かつては竹鼻線内でも急行運転を行う列車が名鉄岐阜(当時は新岐阜)~新羽島の直通で設定され、岐阜方より順に笠松、竹鼻、羽島市役所前の3駅にのみ停車していたが、大須口が廃止された2001年10月より全列車とも線内各駅停車に変更された。これにともない竹鼻、羽島市役所前以外の駅では停車本数がほぼ倍増している。
現在の駅一覧
駅番号 | 駅名 | 備考 |
---|---|---|
NH56 | 笠松 | 名鉄名古屋本線乗り換え・一部名鉄岐阜駅方面へ直通 |
TH01 | 西笠松 | 列車交換可能 |
TH02 | 柳津 | |
TH03 | 南宿 | 列車交換可能 |
TH04 | 須賀 | |
TH05 | 不破一色 | |
TH06 | 竹鼻 | |
TH07 | 羽島市役所前 | 列車交換可能 |
TH08 | 江吉良 | 竹鼻線・羽島線の境界 |
TH09 | 新羽島 | 東海道新幹線乗り換え(岐阜羽島駅) |
竹鼻線・羽島線は名古屋本線との分岐点である笠松駅を除き、すべての駅が無人駅である。管理は名鉄岐阜から行っている。
廃止区間の駅一覧
(江吉良) - 牧野 - 長間 - 中区 - 市之枝 - 八神 - 大須
大須方面へは、羽島市役所前駅(バス停は、羽島市役所駅前)より岐阜羽島バスが運行されている。平日昼間や休祭日は1時間に1便しかないものの羽島市コミュニティバス路線であるので運賃が安い(100円)。
関連項目
八神マキノ(アイドルマスターシンデレラガールズ)・・・竹鼻線の部分廃止区間に存在した牧野駅と八神駅が名前のもとになっているといわれる(実際、彼女は岐阜県出身である)。