概要
牙獣種のモンスター、青熊獣アオアシラの中でも「紅兜」の二つ名を冠する特殊な個体。
通常のアオアシラは序盤に出てくる、青い毛並みが特徴の大型モンスターであったが、
この個体は全身が赤黒く染まっており、腕甲はより重厚に発達、体格も一回りもふた回りも巨大化しているなど、非常に物々しい出で立ちをしている。
特に頭頂部に生えた逆巻く赤毛はトサカのようにそそり立っており、この様から『紅兜』の二つ名が付けられた。
非常に凶暴かつ身体能力も飛躍的に高まった個体であり、その危険度も高く設定されている。
その恐ろしさたるや、かの個体に触発されて怒り喰らうイビルジョー、激昂したラージャンといった強大なモンスター達が一緒に暴れまわるクエストが存在する程。
そのため、龍歴院所属のハンターの中でも専用の許可証が与えられた者に限り、狩猟が認められている。
戦闘能力
強い。むちゃくちゃに強い。
MHXにおけるみんなのトラウマ枠。
攻撃力、リーチ、耐久力が大幅に上昇しており、その戦闘力は元のアオアシラとは比べ物にならないほど上。
大雪主ウルクススもそうだが、元が中型モンスター(中ボスクラス)だからと侮って掛かれば、間違いなく返り討ちに合うだろう。
元より、アシラ骨格はモーション自体は非常に優秀であり、それを体力と攻撃力の低さでバランスを取っていたのだから、その前提条件がひっくり返ればどうなるかは火を見るより明らかである。
事実、発売当初に二つ名モンスターの様子見程度の気分で挑んだプレイヤー達は、殆どが時間切れ、三乙となり死屍累々の有り様だったという。
狩猟許可自体はハンターランク2に到達すれば可能になるのだが、この時点ではすぐに挑んでも勝算は薄い。
下位個体ですら、下手をすると通常アシラの上位個体よりも手強いというのがもっぱらの評判である。
圧倒的な攻撃力
まず戦闘開始の威嚇モーション、この時の雄叫びがバインドボイスになっており、こちらの度肝を抜いてくる。なお、このおかげか通常種で有効だった音爆弾は無効。
赤黒に染まった両腕は棘が肥大化した腕甲、さらに巨大化した爪から想像できるように凶悪な発達を遂げており、ここから繰り出される攻撃はガンナーは勿論、剣士にとっても致命傷クラスのダメージを与える。
そしてアオアシラ自体、引っかきやベアハッグなど前脚での攻撃が多いので大半の攻撃が強化される形となり、本体も大型なのでリーチも広い。
モーションにもテコ入れがされており、例えばベアハッグは腕の周囲に風圧が発生し、ダメージ判定の持続が長い上ダメージも高いという凶悪技。
連続引っかきは追尾性能が大幅に上がり、しかも通常アシラが4回までだった連続引っかきを紅兜は5回、おまけに途中で任意に強化ベアハッグへと派生する。
それ以外の攻撃も強化されており、
拘束攻撃は通常種がノーダメージだったものが、紅兜はあのイビルジョーもかくやというスリップダメージが発生するようになった。
突進攻撃は火力が上がり前方に吹っ飛ばし判定が追加。起き上がりに高確率で前脚の攻撃を重ねてくるため、状況次第で乙が確定する事もありうる。
距離の離れたハンターには積極的に突進してくるため、ガンナーで遠くからハチの巣にする、といった戦法は通用しにくい。
ダブルクロスでは立ち上がりながら突進→引っかきという新コンボを習得し、積極的にガンナーを狩りに来るようにすらなってしまった。
唯一火力が低いのは飛びかかり程度のものである。
通常アシラの上位個体が使うヒップアタック、ウルクススが使用するジャンプアタックも下位の時点で解禁されており、見上げるような巨体が宙を舞う様は圧巻。特にジャンプアタックは被弾すると確定で気絶し、続く大技の被弾も確定する要注意技である。
最大の大技は、右前脚で地面をすくい上げるようにして放つ溜めアッパー。
HR2程度で作れる防具はもちろん、下位終盤で作れる装備ですら、剣士の防具であっても即死するバカげた火力を誇る。
ちなみにこの技が水場で使用されると、水しぶきに魚のエフェクトが混じり、実際に魚系アイテムが落とし物として出現するという若干の癒やし(?)要素もあったりする。
トドメとばかりに、怒り状態での攻撃力の上昇倍率は作中トップの1.8倍。他に倍率が高いキリンですら1.45倍と言えば、その凄まじさが分かるだろう。
なお、紅兜アオアシラを始めとした二つ名持ちモンスターはクエストに設けられた10段階のレベルに応じステータスが上がっているが、
上述の攻撃力云々はその中でも一番弱い、レベル1相当の個体について述べたものである。
高レベルの個体や、ダブルクロスで追加された更に上の段階では被弾=即死という状況になるため、「一発も喰らわない」立ち回りが要求される。
凄まじいタフネス
耐久力も高く、体力の上昇は勿論、とにかく硬い。
全身の肉質がかなり固くなっており、全モンスターの中でも最上位に君臨するレベルの硬さを誇っている。
見た目通り強固に発達した前脚は勿論、通常種の弱点だったフカフカなお尻も前脚と同等レベルで硬い。生半可な斬れ味の武器では弾かれ、大きなスキをさらすハメになる。ダブルクロスでは斬れ味白でも刃が立たない。
何よりも全身が硬化したため、特にガンナーの場合、柔らかい部位を攻撃すると会心率が上がるハンターの切り札的スキル「弱点特攻」は一切効果がない。
近接武器で弱点となりうる頭部も硬い前脚に判定を吸われがちで、やはり弱点特効の恩恵はかなり薄い。しかも立ち上がった場合、腕との距離こそ離れるが剣士では絶対に手が届かない高所に位置するという嫌らしい仕様となっている。
属性耐性も上半身は火以外、下半身は氷以外を全カットという凄まじいもの。
このように一見、ただただ理不尽なモンスターにも見えるのだが……?
実はニガテな状態異常
乗り状態・気絶状態以外の状態異常への耐性は意外にもいっさい上がっていない。序盤モンスター、アオアシラにふさわしい貧弱っぷりが据え置きであるため、搦め手には非常に弱い。
序盤で有効とされるのが睡眠属性で眠らせ、肉質を無視するタル爆弾のダメージで体力を削り切る、いわゆる睡眠爆殺戦法。
終盤では麻痺や睡眠での拘束、毒や爆破属性のダメージソースを活用して戦うと良いだろう。
距離が離れれば突進するという特性上、罠への誘導もかなり簡単。
また、気絶はしにくいものの疲労はしやすく、さらに疲労すれば通常のアオアシラと同じく頻繁に息切れモーションを挟むため大きなチャンスが生まれる。
通常フィールドなら終いにはハチの巣までのそのそ歩いていき、ゆっくりとハチミツをしゃぶり始めるというこれまたビッグチャンスが発生するため、この時を狙って畳み掛けるべし。
…もっとも、強力なモンスター故に体力回復や武器研ぎなど、体勢の立直しが優先される事も珍しくはないのだが。
余談
元ネタ
スタッフの発言も勘案すると、十中八九コイツを意識していると思われる。
通常種の時点でモチーフとして挙げるファンの考察もあったようだが、ここまで来ると露こ……分かりやすい。
ただし、本作では犬ではなく猫が相手になるかも知れないが。
また、本作でのトラウマレベルな強さの元ネタは、通常種が初登場したMHP3において、メインモンスターが序盤でクエストに乱入する、いわゆる「トラウマクエスト」…に見せかけて登場した事が元ネタだと噂されているようだ。
誰が本当にトラウマにしろと言った。
最硬の肉質
実は作中最硬クラスの肉質の持ち主であり、リーズが進んだ2022年現在でも、特定武器種に限るとしても「弱点特効すら発動しない」というモンスターは彼を含め僅かしかいない。
また、属性耐性の振り切れっぷりも異常であり、ここまで極端に属性が通らないのは古龍種か、古龍級生物と称されるようなごく一部のモンスターに限られる。
いったい、何がアオアシラをここまで強化したのだろうか…。
紅兜の怒髪
クロスから存在する専用の素材として、新たに部位破壊できるようになった頭部の素材「紅兜の怒髪」「怒髪天」「天頂怒髪」がある。
武具にも要求されやすいこの素材、基本的には頭部の部位破壊のみでしか入手できない激レア素材となっており、ハンターの悩みのタネでもある。
前述の通り、紅兜の頭は剣士の攻撃が届きにくく、ガンナーでも弱点特効の対象外&的が小さいため集中して狙うのが困難。罠や乗り攻防を駆使してどうにか、という難易度であり、さらに壊せたとしても他の素材が手に入るケースもままある。
しかも、武器や防具の強化にまとまった数を要求されるという二つ名屈指のストッパー素材である。
二つ名では最初の並び位置にいる紅兜だが、彼の武具を最後まで完成させるのは至難の業なのだ。
関連タグ
モンハン モンスターハンター カプコン アオアシラ 二つ名持ちモンスター
大雪主ウルクスス・矛砕ダイミョウザザミ - 同時期に狩猟可能になる二つ名持ちモンスター。こいつらも紅兜に負けず劣らずの強豪である。
ヌシ・アオアシラ - 事実上の後釜と言える存在で、一部のモーションを引き継いでいる。
ガチグマ(アカツキ) - ポケモンシリーズにおける似たような存在。