解説
柳内たくみの小説『ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり』及び、それを原作とするTVアニメ、漫画に登場する騎士団。
“帝国”の第三皇女ピニャ・コ・ラーダが指揮する軍事組織。国軍とは独立した指揮系統を持っているが、皇帝モルト・ソル・アウグスタスによって成立を認められた正規の軍事組織である。
元々はピニャの私設組織であり、男装した女性が活躍する演劇に影響を受けた14歳のときのピニャが、貴族の子女(主に女性)を集めて始めた軍事教練“ごっこ”である。
平民出身で帝国軍の下士官だったグレイ・コ・アルドを指導員に迎えた本格的な訓練は、思春期の少年少女の意識教育に丁度よいと評価が高まり、貴族の子弟・子女が入団し、組織としての規模が大きくなっていった。
しかし当初は正式な軍事組織ではなかったため、特に男性団員は一定の年齢に達すると正規軍士官になるため“卒業”していった。
ピニャが21歳のときに正式な軍事組織としての騎士団として認められたが、上記のような経緯から上位の騎士はほとんどが女性であり、それに正規軍からスピンアウトした男性兵、というような構成になっている。
このようなチグハグな構成を取っていながらも、多くの団員がその団長である皇女ピニャに心から忠誠を誓っている。
正式な騎士団となったあとも皇帝以下周囲からは儀仗兵扱いをされており、団長であるピニャはそのことに強い不満を抱いていたが、ゲートが開き日本と戦端を開いたことによって正規軍が多大な被害を被ったため、その地位が相対的に向上した。
以来、日本の国力と自衛隊と自国との圧倒的な戦力差を知り、帝国の存亡の危機を回避すべく行動するピニャの部下として行動する。
実力
前述のような経緯から、周囲からは正式な騎士団となってからも皇女ピニャの自己満足的な存在と思われていたが、初期のやらかし具合とは裏腹にかなり高度な軍事力を有する。
ピニャのカリスマによって統率された団員たちの士気は非常に高い。上位騎士が女性ばかりである事から卑下されがちだが、彼女たちは一騎当千の実力の持ち主が多い。
武装秘密警察にすぎないオブリチーニキなど物の数ではなく、自衛隊との戦闘で損耗した上、皇帝モルトが意識不明の間に実験を握った皇太子ゾルザル・エル・カエサルの専横で士気の低下した正規軍は倍の数を相手にしても防衛線を突破させないほど。
ボーゼスが自衛隊の栗林志乃とタイマンで敗けているが、この時はボーゼスが身重であった事に加え、そもそも栗林は亜神並とか、かなり無体な戦闘力を持つため…これはノーカンと言っても良いだろう。
騎士団章と部隊の構成
騎士団章は赤・黄・白のバラだが、竿尾悟のコミカライズ版とアニメ版で意匠が異なる。
- コミカライズ版:赤・黄・白の3色の薔薇3輪が三角形状に配置されており、その周囲にリボン状の装飾が施されている。
- アニメ版:赤・黄・白の3色の花びらをもつ1輪のバラが描かれており、その周囲にリボン状の装飾が施されている。
部隊はピニャ直率の赤薔薇隊、ボーゼス麾下の黄薔薇隊、パナシュ麾下の白薔薇隊に分かれているとされているが、作中ではその詳細ははっきりとは描かれていない。
構成員
騎士団長。帝国第三皇女。
黄薔薇隊隊長。公爵家の子女。ピニャ不在時に騎士団全体を統率する副団長的存在でもある。
白薔薇隊隊長。
ポンコツ1号。団員の1人だったが、イタリカに関する日本との有利に協定をまとめたとして、以後ピニャの秘書官的立場になる。実際には日本側の都合だったとか言うな。
ポンコツ2号。
元々は平民出の軍の下士官であり、モルトの命でピニャの騎士団“ごっこ”の教官として招かれた。正式な騎士団となってからもその一員として、ピニャへの忠誠を誓っている。
ロゥリィや栗林の前では霞むものの、彼も大概のワンマンアーミー。
ヘルム
フルネーム不明。元騎士団員の正規軍騎士。日本侵攻(日本側呼称「銀座事件」、帝国側呼称「ギンザ戦役」)の際に日本側に拘束され、後解放された1人。日本に対する憎悪からゾルザル派に与し、日本で言うところのゲリコマ戦術を提唱してピニャに叱責されるも、「名誉も誇りも死んでしまっては意味がない」と逆にピニャを卑下する。
が、日本側にとっ捕まったら裁判無しで死刑にされても文句は言えないとか当然知らないんだろうな……