CV:内田真礼
概要
「ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり」に登場する女性陸上自衛官。階級は二等陸曹。
格闘徽章持ちで特地の巨大怪異とナイフ1本&格闘術で渡り合って勝利する程の猛女。
伊丹耀司率いる第3偵察隊のメンバーとして行動した際には、イタリカを襲う盗賊団に銃剣格闘術で相対し、死神と恐れられる使徒ロゥリィ・マーキュリーとは息をあわせたコンビネーションを見せた。
と、ゆーか地球なめんなファンタジーである本作ではあるが、彼女は主として自衛隊の現代兵器の能力ではなく、己の身体能力によって無双する、しかもそれがファンタジー世界側の人外(亜神)レベルという、ある意味本作で一番理不尽な存在である。
実際、彼女の所業はその現場を見ていない者はその痕跡を見てロゥリィの仕業ではないかと疑うほどで、原作後半では亜神クリバヤシと呼ばれた事もある。悪所の人間にはマフィアのベッサーラ一味を1人で潰したと都市伝説化されている(実際にやったのは特戦群)。
ちなみに握力で64式小銃の二脚を破壊できる(樹脂製の89式ではない)。
- つうか、厳密に言うなら彼女の格闘能力はロゥリィをも超えていると言っても過言ではない。というのも、彼女は剣戟乱れ矢羽飛び交う戦場でもほとんど負傷していないのだ。ロゥリィは亜神の不死性に頼り、普通の人間なら致命傷クラスの負傷を度々している。
- なお彼女も本作のキャラの例にもれず文庫版挿絵-アニメとコミカライズ版で大幅にデザインが異なる(メイン画像がアニメ版、上画像がコミカライズ版。言っとくが衣装は違うぞ)。
隊長の伊丹のオタク趣味の事は良く思っておらず、脊髄反射的にキモオタ死ねとばかりに伊丹に対してつれない態度をとる事も多いが、仲が悪いわけではない。(ただし、外伝では初対面の伊丹が持っていた本を卑猥物だと決めつけた上に、違うと釈明する伊丹を無視して本を蹴って破壊し、謝らずに立ち去るなど、非常識なところがある)
が、女性自衛官には道が開かれていないレンジャーに憧れていたところ、普段レンジャー徽章をつけていない伊丹が実はレンジャーだった事や特戦群だった事を知ると、世の中の理不尽を呪ったり、暴走したりする。なお女性自衛官にレンジャー(少なくとも空挺レンジャー)の道が開かれたのは2017年になってからであり、その後の2020年に初の女性空挺団員が誕生している。
また独断専行をするなど自衛官としての認識にかけているところも。
前述のように脊髄反射的な発言もある事から、脳筋扱いされる事もある。
基本的に体を動かすのが好きで、高校時代には空手部と新体操部を掛け持ちしており、そのスタイルとカワイイ系の顔立ちゆえにファンが多かったが、その中にレオタード姿の栗林のフィギュアを作って当人に見せびらかした(俗に言うキモオタ?)者もおり、そういう連中に辟易させられたのが後のオタク嫌いに繋がっている。
しかし当の本人は米中露のエージェントから武器を取り上げる際の言動からして明らかに銃オタクである(つまり志乃に自覚がないだけで、伊丹らとは類友)。
加えて、漫画及びアニメでは一人だけコンバットシャツにチェストリグ、タクティカルグローブと不正規と思われる装備を用いていることから装備オタクでもある模様。
なお、酒癖は伊丹より遥かに悪い。
漫画及びアニメ(放送版)では襲撃を受けた直後とはいえ、上官である伊丹に銃口を向けた挙句にトリガーに指を添えている(アニメはソフト版では修正されており、銃口は向けるもののトリガーに指は添えていない)。
また、襲撃者の一員である情報部のロシア人に対し、武装を取り上げた際に撃って良いかといった発言をしている(連行する余裕はなく、殺傷しない無力化は難しいと判断した為)。
戦闘狂気味で、イタリカの戦闘においては命令前に突出したり航空支援時に退避の無視未遂(漫画版のみ)等を行なっているが、状況を見失うほどに戦闘にのめりこむ事はない。
身長は自衛隊の合格基準未満だったがいろいろとごまかして入隊している、とされているが、1999年の男女雇用機会均等法の改正により、女性自衛官の最低身長は150cmに引き下げられているため、志乃は問題なく通過できると思われる(それまでは男性と同じく155cmだった)。なお法改正されても基準未満だった場合、150cm以下ということになる(少なくともアニメ版ではそこまで極端ではない)。
そのため同僚で身長190cmと長身の黒川茉莉とは、第3偵察隊の凸凹コンビと言われていた。
全身筋肉と言われるような猛者だがバストは92cmとトランジスターグラマーな体型をしている(伊丹からはバストも筋肉ではないかと疑われていた)。結婚願望が高く、伊丹に特戦群メンバーを紹介してもらったものの、デートの最後に道場で『お突き合い』を要求して打ち負かしてしまう為、なかなか願望が叶えられない。
同僚でレンジャー徽章持ちの富田章に告白したものの、すでに富田はボーゼス・コ・パレスティーの間に子種を設けていて富田自身もボーゼスと結婚することを決めていた為に振られる。
しかし、自らの意思で閉門騒動後に特地に残ると、富田がボーゼスにプロポーズしようとしていたところに乱入してボーゼスと相対し、自分が富田の娘の母になれば良いんだと都合の良い事をいいながらボーゼスを打ち負かしたが、ロゥリィによって最悪の事態は回避される事となった。
また、TV局で女子アナを務めている菜々美という妹がいる。
志乃のようなあからさまな肉体派ではないが、やはり童顔巨乳のトランジスタグラマーでそこそこ視聴者からは人気を集めている模様。
富田やピニャに次いで、その結末が大きくWeb版から変更された一人である。
詳細は省くが、同僚を襲った悲劇を目の当たりにして心境に変化が訪れ、男性の好みが変化。
ゲートの最終争奪戦において大きく負傷し退役。ゲート閉鎖後は、同じくWeb版では日本側に戻ってきているある人物の追っかけをしている。
「内心期待しつつもう少し様子を見たい」とのことである。
栗林の拳銃
志乃が携行している拳銃は「旧型兵器を持ち込んでいる」という設定とその威力からコルトM1911ガバメントと思われる。
柳田などの他の自衛隊員が9mmけん銃を使用しており、兵站の都合から特戦群でもない彼女が一人だけ口径の違うM1911を使えるとは限らない。
ただ、柳田は事務職寄りの防衛省陸上幕僚本部二課要員であり、訓練はしているものの、実戦部隊の伊丹達ほど重武装の扱いには慣れていない。
また、志乃は女性でも取れる「格闘徽章」は持っているし、特戦と言うことなら不正規戦に関わるようになってからであれば伊丹に頼んで……と言うことは充分考えられる。
なお、自衛隊では前身となった警察予備隊時代にM1911A1を米軍から供与・貸与されており、自衛隊となって以降も11.4mmけん銃の名称で装備、現在は予備装備として保管されている。
考察
ガバメントであると推測される理由について。
志乃は接近戦にもつれ込み小銃ではその長さがアダとなる事態の際によく発砲しているが、魔法やファンタジー要素、物語のための都合を抜きに考えた場合、現用の9mmけん銃(SIG SAUER P220)の9mmパラベラム弾では防具を容易に貫通可能である。
これは距離や弾種、防具の素材や含有率により変わる特性、厚さにもよるが、本来、ロングソードや棍棒と言った手持ち質量兵器の方が破壊力の総量は遥かにデカいが、それらを弾いたり受け流して防ぐ盾や鎧を.38スペシャルや9mmパラベラムといったソフトスキン向けの拳銃弾で貫ぬくのは難しいものの、マスケットの発達によって従来の鎧が役立たずとなって胸甲騎兵の胸甲のように倍以上の装甲厚を持つが重量が大きく増したので仕方なく防護面積を減らした鎧が生まれたように、銃が存在しない時代の鎧では銃弾を防ぐ事は不可能である。
対人用の弾はある程度変形しやすくすることで殺傷力を増しているのでギルティングメタルで覆われたフルメタルジャケットであっても基本的に鉛の弾なので固い防具に中れば変形して貫通力は落ちてしまうが、鎧に使われるような厚さ3ミリ以下の薄い金属板相手では多少落ちたところで貫通してしまう。
しかし特地では魔法という技術や亜人種、竜の鱗のような特殊な素材などの地球にはない条件が加わるため、銃こそなくとも胸甲騎兵のような防御力を高めた鎧が存在していると推測できる。
条件にもよるが金属製の防具を貫通するには最低限製造時に想定された火器以上の威力が必要で、マスケット相手とはいえ厚さを倍以上にしたことで銃弾を弾ける装甲を持つ胸甲騎兵の胸甲を相手にする場合、9mm拳銃に用いられる9mmx19弾ではある程度の距離があって角度が良ければ通常の軍用弾であるフルメタルジャケットを弾くことが可能で、強装弾とした+P弾ならば十分に貫通可能。しかし自衛隊では+P弾は普通科ではほとんど使われていないようなので弾薬の供給から言っても.45ACP弾のガバメントと考えるのが妥当と思われる。
(一応補足しておくと胸甲騎兵といえども国や地域等の条件が異なれば弾けるはずの傾斜部分に中った場合でもマスケットの弾が貫通してしまい、助かるには運が必要というものもあり、日本でも火縄銃を防げると謳われた鎧も実演用には装薬量を減らしたので防げても実際には貫通してしまうものもあった)
実際、銀座事件では9mmパラベラムより劣るとはいえ警察の.38スペシャルは殆ど効いてない。
(参考までに9mmパラ弾:約480J、.38SPL弾:約330J、.45ACP弾:約450J。実際撃ち込むとなると弾頭の重量や形状、素材、装薬量や使用する銃等々、条件が変わると効果も変わるため、あくまで参考程度である)
しかし漫画版では現用の9mmけん銃らしきものが描かれている。
小説において11.4mmけん銃を使用していることを前提として解釈するなら特別許可で9mmけん銃の原型であるP220の派生モデル(現在ではアメリカ市場における現行モデル)である.45ACP仕様のP220-1を(日本では使用されていないのでアメリカからわざわざ輸入した挙句に9mmけん銃と同じグリップ底部マガジンキャッチ仕様のコンチネンタルタイプ特注フレームに変更して)使用している、彼女のみを特別扱いせずに他の自衛隊員と同じものを持たせているといったところだろうか。
アニメでは第6話のイタリカにおける交戦では漫画版同様に現用の9mmけん銃と思われる銃の使用が描かれている。
なお、先述の柳田の他、伊丹も9mmけん銃を用いている。
体力自慢の健軍も同様にアニメでは9mmけん銃を使用している。
もっとも、特地専用装備なるものもそれなりに持ち込んでいる(アップデートキット付きの74式戦車など)。とすると、猛獣などが出てきたことを考え、高威力拳銃が渡された可能性もある。制式の9mmけん銃とほぼ同じサイズで日本でも入手のハードルがそれほど高くなく、かつ日本人でも(少なくとも.45ACPよりは)扱いやすいものというと、.357マグナム仕様の拳銃があげられる。
実際、アメリカは特地派遣部隊に対して装備品の援助を行っている。
漫画版では中東で使用したもののお下がりではあるがMRAP(耐地雷・伏撃防護車両)であるマックスプロやM-ATV(全地形対応対地雷軽装甲機動車)が供与され、第三偵察隊が試乗を行なっている。
関連タグ
- 古賀沼美埜里:榊一郎氏のライトノベル『アウトブレイク・カンパニー』に登場するメインキャラの一人。作者も作品も違うが、童顔かつ巨乳で、日本と繋がってしまったファンタジーな異世界の帝国に派遣された、異世界基準でもひとかど以上の格闘技の達人の女性自衛官で、どちらも身近の重要人物(作品主人公)が筋金入りのオタクである点、二人ともCV:内田真礼……などなど、共通点が非常に多い。ただ、栗林がオタク嫌いなのに対し、美埜里は極度の腐女子という業の深いオタクであるという点で好(?)対照となっている。
- 倉光麻由子(かーちゃん):ねんまつたろう氏の漫画『自衛隊上がりのかーちゃんが怖い』に登場するメインキャラ。こちらは特殊作戦群所属だった元女性自衛官。戦闘能力が高く、栗林と同様の低身長(148cm)で、彼女も身長をごまかして入隊したが、彼女の場合は第1空挺団の基準を合格できなかったなど、共通点が多い。こちらも姉妹(双子)で奈菜子という妹が居るが、バストサイズが極端に違う(一応フォローすると、設定画を見る限り麻由子が小さいというより奈菜子がデカすぎる)。