モルト・ソル・アウグスタス
もるとそるあうぐすたす
CV:斧アツシ
モルト・ソル・アウグスタスとは、柳内たくみの小説『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』の登場人物。
日本の交戦国である“帝国”の皇帝、国家元首。またメインキャラクターである皇女ピニャ・コ・ラーダや、重要キャラのゾルザル・エル・カエサル、ディアボ・ソル・カエサルの父。
本作の他のキャラの例に漏れず、萌えアニメのアニメ版と戦争劇画のコミカライズ版でデザインが大きく異なるが、イメージ的にはそれほど変わらない。初老で長身の男性で、口元に髭を生やしている。
老獪で熟達した謀略家であるが、最高位故にあからさまな行動や態度を見せることもい。その本質は実子であるゾルザルとディアボからも完全に知り尽くされ、冷めた目で見られている。
一方で、第三皇女のピニャには、薔薇騎士団の創設を許すなど、意外と親バカな面も見受けられる。
国内の閉塞感を打破するため対外戦争(侵略)を求めていた折、アルヌスに門が開いたため、これを魔導装置で固定し、異世界出兵──日本に攻め込んだものの、圧倒的な戦力差により帝国軍は壊滅してしまう。
周辺国の脅威から逃れるために、周辺国を半ば騙してアルヌスにいる自衛隊にぶつけたり、自衛隊に対抗して焦土作戦を行おうとする等、非情な行動をとった。
即位直後にカティ(フルネーム不明)という人物を“責め殺した”とゾルザル・ディアボの口から語られている。このカティという人物は表向きゾルザルの兄として育てられた皇子だが、実際には先代皇帝の実子(隠し子)であった。
- 不義の子など、世間的に、実際の親子関係を明らかにすることによって不都合がある場合、別の血縁関係をでっち上げることはよくある話である。日本でも昭和40年代頃までは普通にあった。その後日本では市井の助産師(いわゆる産婆)による分娩よりも医療機関での出産が奨励されたため、こうした手法のための虚偽内容の出生届を出す(本来であれば立派な公文書偽造だが、実際に調べられることは少なかった)ことが難しくなり、急速に廃れ昭和50年代にはほぼ消滅した。
しかし日本との戦争で絶望的な戦力差を思い知るや、日本との講和には皇帝の退位は必須とモルト以下帝国側の要人が勝手に思い込んだ(そもそも日本は自身がボロクソに負けたときにも昭和陛下がその地位を失うことだけは阻止している)結果、退位後も実権は握りたいモルトは、一度は扱いやすいバカであるゾルザルを立太子し、皇太子、皇位継承者に指名した。ただし、基本的に長子相続が習わしであり、特段問題がなければいずれゾルザルが皇太子となっていた(行為を欲しがっていたディアボも建前上の権威に執着するバカだし)。
だが、“帝国”に対し復讐を誓うテューレの姦計により、毒を盛られて体調を崩し、一時期意識不明の状態が続いた。この間に皇太子となったゾルザルが事実上のクーデターを起こして実権を握る。その後、自衛隊によって救出されると、ゾルザルの立太子を取り消してピニャを皇太女に据え、イタリカに正統政府を打ち立てる。
以降は原作とアニメでやや異なる。
原作版の正統政府成立後
先に脱出していたピニャは日本で放蕩の日々を送っていたが、モルトが救出されると“特地”に戻り、モルトとともにイタリカに帝国正統政府を打ち立てた。
日本との講和を取りまとめるために、シェリーを大使として送り出した。日本との講和条約により2年以内には退位してピニャに皇帝の位を譲らなければならない事になっているが、既に老害となりかけているのでそれでも実権を握りたがっている。