概要
「行逢神」と表記される場合もある、人や動物に行きあって災いを齎すとされる神霊の総称。「いきあいがみ」とも読み、地域ごとにその呼び名も違っている。
日本各地に怪異として伝わっており、特に中国地方や四国に多いとされる。
山中などの野外を歩いている最中などに、天気も良い上に風も無いのに急に意味も無く悪寒が走り、時には発熱して気分が悪くなったり怪我をする。最悪の場合は命を落とすことがあるが、これは行き逢い神に出会った為に起きる事とされており、広島県では牛がこれに出会うと腹が膨れたり、足を挫いてしまう事があるといわれている。
また馬などもこれを感じる事ができ、気配を感じるとその場から決して動こうとしなくなるともされている。
その正体は地域によって様々だが、山の神や水神、非業の死を遂げた人間の怨霊、またはそれらが乗った風だとする事が多い。
もしも運悪く行き逢い神とすれ違った場合は地域ごとにその対処法は異なるが、箕(み)で煽いだり、土鍋を被せると良いとされる。また、馬や牛が遭遇した場合は尾の先を少し切って血を出すと良いといわれている。