概要
警務科(Military Police)は、陸上自衛隊に全16種類存在する職種の一つである。軍隊で言うところの憲兵に相当する。自衛隊では軍隊色の強い名称が排除されているが、そのせいで「憲兵」ではなく「警務科」と微妙に分かり辛い名称になっている。
職種標識の色は藍色。職種学校は小平駐屯地の陸上自衛隊小平学校。
部隊の特徴
要人や施設の警護、道路の交通統制、自衛隊員の規律違反の防止、犯罪捜査等部内秩序の維持等が任務である。任務の特殊性から、任官直後から警務官になれる隊員は存在せず、陸曹に昇任する際などに職種変更で警務官になることができる。
旧日本軍の憲兵と比べると権力が弱く、基本的には自衛官を対象としているが、駐屯地に侵入した場合など、必ずしも一般人を逮捕できないという訳では無い。
幹部自衛官の警務官は、副検事選考試験に合格すれば副検事 (検察官の一) に任官することができる。例えば2016年4月1日付で長野地検に次席検事として着任した検察官は、防衛大学校卒業後、陸上自衛隊警務隊在籍時に検察官を志し、副検事選考、特別選考試験を経て1996年に札幌地検検事として任官した経歴を持つ。
警務隊が使用する車両は基本的に白色に塗装されている。また英語名称は憲兵を意味する「Military Police」で、警務官が「MP」と書かれた腕章を身に着けていることもある。
隊員の特徴
警務科の隊員は正義感が非常に強い者が多い。任務の特殊性から内外ともに情報が伝わってこない部隊である。
第302保安警務中隊
第302保安警務中隊とは、市ヶ谷駐屯地に所在する東部方面警務隊直轄の警務科部隊である。外国の国賓の来日等に際しては、第302保安警務中隊から特別儀仗隊が編成される。
また、この部隊に入るためには容姿、身長、体力に基準があるため、それらを満たさないと入ることなできない。この為、この部隊に選ばれた者は皇宮警察の門衛と同様「国家公認のイケメン」とネットでは言われている。
以前までは儀仗銃としてM1ガーランドが採用されていたが、2019年より儀仗隊専用の儀じよう銃が採用された。本銃は単発手込め式のボルトアクションライフルであり、一応射撃はできるが命中精度などは考えられていないものとなっている。