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概要

近眼のマグーとは1949年にUPAの短編映画から誕生したアニメおよびキャラクター。

そのマグーの本名は、クインシー・マグー。

裕福で小柄な老人だが、近眼の関係から自分自身の問題やちょっとトラブルに巻き込まれることも。

それに信号を人間と見間違えることもある。

歴史

  • そもそもUPAって何?

近眼のマグーを誕生させたのはUPAの短編映画ということを前述したが、その『UPA』とは、『ユナイテッド・プロダクションズ・オブ・アメリカ』という、1940年代から1970年代まで活動していたアメリカ合衆国のアニメーションスタジオのことである。

UPAの歴史は、1941年に、とあるネズミカンパニーに所属していたアニメーターの殆どが労働組合結成と賃上げを求めてストライキを発生させたことから始まる。これによって、殆どのアニメーターがそのアニメーションスタジオから去ることになったが、その内の1人、ジョン・ハブリー氏は、極めて写実的なアニメーションスタイルに不満を抱いていた。ハブリー氏は、より新しく、より抽象的で、より実験的なアニメーションという彼自身のビジョンを追求するために、様々なアニメーターと共に小さな制作会社を誕生させることになった。それが、『ユナイテッド・プロダクションズ・オブ・アメリカ』、略してUPAの誕生である。そして、UPAスタジオを維持するために競争相手に満ちた劇場用アニメーション映画の分野に乗り出すことになり、コロンビア映画と契約を結ぶことになったのだ。

  • 近眼のマグーの誕生

その頃、当時のコロンビア映画はアニメーション短編映画の分野でかなり手遅れてしまい、傘下にあるスクリーン・ジェムズ・カートゥーンスタジオの作品に失望させられている状況だった。そんな中、コロンビア映画は、前述したように、アニメーション映画の分野に乗り出したUPAと契約を結ぶことになる。コロンビア映画の傘下になったUPAのアニメーターは、コロンビアのキャラクターであるフォックス・アンド・クロウが主役である『Robin Hoodlum』&『Tha Magic Fluke』を制作。

この二つの映画は人気になり、アカデミー短編アニメーション賞にノミネートされた。それを見たコロンビアは、UPAに新キャラクターの創造を許可することになった。これを受けてUPAのアニメーター達は、似たり寄ったりの作品がひしめきあうアニメーション業界の中にあって、一頭地を抜く作品を制作することになった。その際に新キャラクターとして誕生したのが、この記事で紹介する近眼のマグーなのである。

  • 近眼のマグーの歴史

近眼のマグーは、1949年の『The Ragtime Bear』で初登場した。そして、1年後の『Trouble Indemnity』で初めてアカデミー短編アニメーション賞にノミネートされた(ちなみに受賞されたのは、同じくUPA制作の『Gerald McBoing-Boing』。また、同年にはトムとジェリーの『ごきげんないとこ』(マッスルの初登場作品)もアカデミー短編アニメーション賞をノミネートされていた)。そして、1954年では、『When Magoo Flew』が、多く強豪を打ち破り、初のアカデミー短編アニメーション賞を受賞した。1956年では、後述の『近眼のマグー 海底旅行(Magoo's Puddle Jumper)』もアカデミー短編アニメーション賞を受賞している。

その後、UPAは、1959年に劇場用アニメーション短編の制作を中止することになり、1964年にアニメーション部門を永久に閉鎖した。だが、近眼のマグーは、それ以降も、かつてハブリー氏が所属していたとあるネズミカンパニーにて実写映画が製作されたり、フランスでCGアニメが制作されたりするなど、今でも様々な作品に出演することがある。

1949年版

アメリカのUPAが1949年に劇場公開した短編アニメ映画。

日本でも劇場公開されたことがあり、テレビ放映もされていた。

近眼のマグー 海底旅行(Magoo's Puddle Jumper)

アメリカでは1956年7月26日に公開、日本では1957年に公開。

近眼のマグー 猛獣狩り(Trailblazer Magoo)

アメリカでは1956年7月26日に公開、日本では1957年に公開。

近眼のマグー 珍闘牛士(Matador Magoo)

アメリカでは1957年3月30日に公開、日本では1958年12月24日に公開(配給:COL)。

近眼のマグー千一夜物語(1001 Arabian Nights)

アメリカでは1959年12月1日に公開、日本では1960年3月18日に公開。

キャラクター原語版日本語版
クインシー・マグージム・バッカス大森義夫
ヤスミンダ姫キャスリン・グラント吉行和子
青年アラジンドウェイン・ヒックマン安田正利
大臣ワジアハンス・コンリード下条正巳
王様下元勉

1960年版(Mister Magoo)

アメリカ合衆国で1960年から1962年まで放送されたテレビアニメ。日本では『がんばれマグー』のタイトルで1963年7月4日から1964年3月26日までNETテレビ(テレビ朝日)で土曜18時15分 - 18時45分に放送。OPロゴでは「Magoo」の「oo」が虫眼鏡で目がデカくなっているのが特徴。地方局でも再放送されたことがある。

キャラクター原語版日本語版
クインシー・マグージム・バッカス戸田浩久
ウォルドージェリー・ホースナー→ドーズ・バトラー不明
役名不明???大竹宏

スタッフ

エグゼクティブ・プロデューサー:ピーター・デメット

プロデューサー:グラン・ヘイス

製作:ユニテッド・プロダクションズ・アメリカ

1970年版(The Famous Adventures of Mr. Magoo)

アメリカのNBCにて1964年9月19日から1965年4月24日まで放送されたテレビアニメ。日本では『名優マグー』(1960年代後半)と『近眼のマグー』のタイトルで放送されたことがあり、ディック・トレイシーが登場している。これも地方局でも再放送されたことがある。

キャラクター原語版日本語版
クインシー・マグージム・バッカス不明
ウォルドーケイシー・ケイセム不明

スタッフ

スーパーバイジング・ディレクター:アヴェ・レヴィトー

監督:ボブ・マッキンソン、グラント・シモンズ、レイ・パターソン、

シーケンス・ディレクター:スティーブ・クラーク

脚本:ウォルター・ブラック、バーバラ・チャイン

音楽:カール・ブラント

製作:ユニテッド・プロダクションズ・アメリカ

1977年版(What's New, Mr. Magoo?)

アメリカのCBSにて1977年9月10日から12月24日まで放送されたテレビアニメ。全16話が放映されていたが、日本では未放送。

キャラクター担当声優
クインシー・マグージム・バッカス
ウォルドーケイシー・ケイセム

スタッフ

製作:DePatie-Freleng Enterprises

2018年版(CGアニメ)

フランスのフランス4にて2019年5月4日から放送されているテレビアニメ。日本では未放送。

マグー(声 - イアン・ハンリン)

フィズ(声 - コリン・マードック)

ウィーセル(声 - ショーン・マクドナルド)

スタッフ

アニメーション製作:Xilam

長編映画

1997年に公開されたウォルト・ディズニー・ピクチャーズ製作の実写映画。レスリー・ニールセン主演。この映画は、ブラジルのフォス・ド・イグアスや、カナダのバンクーバーで撮影された。

日本では1998年11月7日に公開された(1)

キャラクター原語版日本語版
マグーレスリー・ニールセン羽佐間道夫
ウォルドーマット・キースラー松本保典
ルアンケリー・リンチ山像かおり
ボブ・モーガンニック・チンランド大塚明夫
チャック・スチューパック捜査官スティーヴン・トボロウスキー田原アルノ
ガス・アンダース捜査官アーニー・ハドソン長島雄一
オースティン・クローケマルコム・マクダウェル佐々木梅治
ステイシー・サンパナホディトラジェニファー・ガーナー篠原恵美
オルテガ・ペルーミゲル・フェラー小川真司

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近眼

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