雷様剣士ダイジ
らいさまけんしだいじ
2014年、とちぎテレビ開局15周年記念番組として製作が決定し、同局が総力を挙げて製作したオリジナル番組。本項では続編およびリニューアル番組についても解説する。
タイトルの「雷様」は栃木県の県庁所在地である宇都宮市の名物である「雷」、「ダイジ」は栃木県の方言である『だいじ』と『大事(大切)』のダブルミーニングである。栃木県は「雷都」と呼ばれるほどに雷が多く、雷獣伝説もあり、宇都宮ライトレールの名称の由来にもなっている。
あくまでローカル番組なので低予算であり、怪人は毎回同じであり、ゲスト登場人物もほとんどが素人とある等、B級感は否めないものの、当初2クールで終わる予定であったが、地域に密着した内容やヒロインの人気により好評の為延長、4年間で200話まで放送された。
さのまるやとちまる等、県内のゆるキャラが「こめら」と呼ばれる妖精という設定で登場し、またご当地アイドルが歴代のヒロインとして出演していることも話題を呼んだ。
なお衣裳・造型には、鹿児島のご当地ヒーロー『薩摩剣士隼人』の制作会社である「ボッケモンプロ」が関わっている。
遥か昔、栃木県は『下毛野(しもつけの)』と呼ばれ、日本有数の霊的エネルギーが集中している場所、超パワーゾーンであった。この地に住んでいた霊獣は超エネルギーを奪い合い、果てしなき戦いを繰り広げていた。やがて時は流れ、下毛野は『下野野』、そして『栃木県』となり、霊獣たちは平和を愛する精霊・こめらとなった。しかし、突如として出現した謎の鬼・鬼怒羅(きどら)が出現し、こめらを再び霊獣に変え、その力を手にしようと企んでいた。その野望を阻むべく、我らがヒーロー「雷様剣士ダイジ」が立ち上がった!!(公式サイトより)
猫介/雷様剣士ダイジ
主人公で東照宮の眠り猫のこめら(妖精)。戦闘時には青い甲冑に身を包んだ剣士・ダイジに変身する。番組当初は両者が同一人物であることは伏せられていた。
第3作では諸事情により変身後の姿しか登場しない。
ぎょうたん
準レギュラーの宇都宮餃子のマスコット。第2作では主人公の相棒ポジションとなる。
猿丸/太陽剣士イゴウ
第3クールから登場した三猿のこめら。戦闘時には赤い甲冑に身を包んだ剣士・イゴウに変身する。第3作では諸事情により変身前の猿丸の姿しか登場しない。
陰神 鬼怒乱
栃木の支配を目論む邪悪な存在(スケールが小さいと言ってはいけない)。随所で倒されても何度も復活する某異次元人並のしつこさを誇る。
ひょごる三人衆
敵幹部であり、毎回の敵怪人枠でもある。姉御肌でリーダーの紅一点、頭脳派、力自慢からなるいわゆる三悪。
テンテン
第2クールの途中から登場した新たなる敵幹部。卑劣な策略を得意とする。モチーフは九尾の狐。
正式タイトルは『雷様剣士ダイジ〜新記〜万象光神ヤコウ』。200話まで続いた『ダイジ』であったが、やがてマンネリ化が目立つようになり、新たな展開を望む声が挙がる。そこで、スタッフを一新しリニューアル。前作とは打って変わってシリアスで重厚なストーリーが展開されるが、好評だったヒロインやゆるキャラの廃止や、厨二病じみた主題歌や設定の数々等、あまりの作風の違いから前作に慣れ親しんだ視聴者から総スカンを買ってしまい、17週で打ち切りが決定してしまった。
平成ライダーに影響を受けたのか、2話完結方式となっているが、前作が基本的に1話完結だった為にテンポが悪くなってしまっており、最終回は全ての伏線を無理やり回収する超展開だった。
万象光神ヤコウ
ダイジに代わって栃木を守る事となった新たなヒーロー。名前の由来は栃木にも縁が深い徳川家康から。最終話にて、唐突に復活した前作のラスボスである鬼怒乱に敗れ、同じように復活したダイジに後を託して姿を消した。
『ヤコウ』が急遽打ち切りになってしまった為、人気回復の為に第一作のキャラクターを復活させて再度リニューアルした第3作。しかし、失った人気は戻らず、とちぎテレビでの放送中止が決定。その後はyoutube配信で製作が継続されるも、製作委員会のスタッフへのパワハラおよび長期間に及ぶ賃金の未払い問題が発覚、裁判沙汰に。それに伴い、番組公式サイトは消滅、SNSアカウントも非公開となる等、完全に無かった扱いとなっている。
本作より番組スポンサーが代わり、その会社のマスコットキャラが番組にも登場するようになるのだが、それらを目立たせる為に既存のキャラが抹消されるという本末転倒な事態となっている。
ウルトラマンネクサス、妖怪ウォッチシャドウサイド:それまでのシリーズとの作風の違いからファン離れを起こしてしまった作品繋がり。前者は打ち切り後に従来作に作風を戻した作品が放映されたという共通点があり、後者は奇しくも同年に放映が開始された。