曖昧さ回避
もしかして:未成年の主張
- 青年に類する人々による主張。
- NHKが1956年から1989年まで主催・放送していた論文演説コンクールであり、これをまとめた特番。1990年からNHK青春メッセージとしてリニューアルされ2004年まで続いた。2020年にコロナ禍を受けて単発ながらも復活した。本項目で詳述。
- とんねるずの楽曲。作詞:秋元康、作曲:見岳章。上述したNHK主催のコンクールのパロディであり、また同コンクールに対して痛烈に風刺(批判)する作品となっている。
青年の主張(NHK)
NHKが成人の日の企画として、新成人となった人たちの「未来への抱負」や「社会参加に対する前向きな意欲」などを主張する場を設け、その中で優れた(≒理想的な社会人として社会の良識に沿った)壇上演説を選定して表彰したコンクールであり、その受賞演説を放送した番組。なおコンクールであるため内容には各年、一定のテーマ(課題)が課せられていた。
番組としては1956年からラジオ番組としてスタート。1959年よりテレビ番組となる。
しかしコンクールとして、またNHK(公共放送)としての性質上、どうしても選考基準や放送内容は社会(大人)が望む優等生のそれに他ならず、その枠から脱する事に苦慮し、年代を経るに従っては実際の社会に生きる「青年」の実情とは解離していき、1980年代後半あたりには上述したとんねるずの曲のように、それを揶揄するような言説が横行しだしていた。
さらには民放側も、その裏番組として「同年代の青年・少年が活躍する番組」「子どもが大人の仲間入りなどのために背伸びしようとせず等身大で頑張る(自然体で大人へ成長をしようとする)姿を見せる番組」(高校サッカーなどのスポーツ大会や文化バラエティ)の放送をぶつけるようになり、熾烈な争い(というか一方的にNHK側がお株を奪われていく羽目)になった。
これを受けて番組や企画はリニューアルされ『NHK青春メッセージ』となりカジュアル化を図った……が見た目が取っつきやすくなっただけ(当時のNHKである事を考えればコレだけでも凄い事だが)で、根本は変われなかったため批判点は変わらず課題として残った。
さらに2000年代以降になると上述の状況から価値観の相対化に伴う多様化が起こり『青年の主張』のような「大人の仲間入りのため、襟を正して生きる」という価値観は「やりたい人はやればいいけど、スタンダードにするのは個性の否定で押しつけじゃないか」という見識に晒されて陳腐化(ロートル化)し、その上で一部地域での成人式の暴徒化(→荒れる成人式)なども問題となり「青年の主張」は視聴者から見た時には建前だけの非常に空虚な、まさに「虚構/虚言」として捉えられるようにもなる。
さらにネット社会の到来により人々がわざわざ社会に対してメディアを通して「主張」する意義も薄れていき、その結果として2004年をもって「役目は終わった」として企画とシリーズは終焉を迎えた。
しかし世界がコロナ禍に苦しんだ2020年に「青年の主張2020」として復活している。
余談
これのガチな意味での未成年版に「独立行政法人 国立青少年教育振興機構」が主催する『少年の主張』があり、こちらは純粋な論文コンクールとして現在も続いている。
関連項目
未成年の主張:元々は本企画のパロディの側面もあったのだが時々、混ざっている人がいる。