概要
主人公であるユーフラン(フラン)とその妻であるエラーナ(ラナ)の故国。
山上の大湖上に王都を置いており、この大湖から流れ落ちる川が全大陸ほとんどの河川の水源となっている事から「水の国」の異名をとる。
山上に王都、そこから標高が低くなっていくにつれ徐々に低い身分の者の居住地となっていく都市(国家)構成を持つ。「水は高きから低きに流れ、低きに行くにつれ水の質は落ちていく」という事から身分制度が非常に厳格であり、上への意見具申や口答えが決して許されない国家文化を持っている。上に意見する場合、真面目にこれをやる時にはたとえどれだけ些細な事であっても命懸けであり、おおよそは真面目に取られないように冗談と軽口でまぜっかえすという程度しか具申の方法はない。(そして冗談と軽口交じりであるため、それが聞き入れられる事は無い)
大陸の全ての水を一手に握っている事情から、戦乱の時代は「水をせき止める」事で常に勝利を得ていたため、他国に対する態度も対等ではなく「上から目線」での外交が常で、周辺国からは不快に思われる事も多い。(そして、この国の外交担当者は、いつもその部分で相手国の感情を損ねないように苦労している……のだが、王族や内政担当がブチ壊しにしてしまうケースも少なくない)
性差意識
実は、作内に登場する各国の中においては赤竜三島ヘルディオスと並びジェンダーがカッキリと反論の余地が許されないほど常識として定められている国で、いわゆる性差別のドぎつい国のひとつである。
一方で女性に対しては、とりあえず初見で特徴をつかみ第一声で褒めるという文化があり、全体的に愛妻家傾向も強い。これはエラーナいわく「リファナ(主人公)が愛され系ヒロインなので、とにかく彼女がさしたる事をすることもなく(無意味に)チヤホヤされるために作者が描いたご都合設定」であるという。
女性が特定の専門職(侍女や家政婦、男性職能者のお手伝い、など)以外に就く事は許されていない。特に医者や弁護士や管理職などの知識階級職や兵士などの警護系職などに就く事は事実上(社会通念上)禁止されている。
ぶっちゃけると女性は子供を産める体なので、そんな存在を恨みを買ったり直接的な危険のある職業に就かせる事は、いわば「国の次世代を産み出す事に対して大きなリスクとなる」がゆえ「子を産む母体を守る事で国家国民の世代継続性を守る」という価値観に依る。
なので、それなりに礼などを弁えていれば女性ならば、ぶっちゃけニートでも許されたりする。
フランの母などは、乗馬(遠駆け)を趣味としており事ある毎に家を出ては好き勝手にツーリングしているが、それは彼女が6児の母親(しかも産んだ全員が男の子でうち一人など歴代最強クラスの能力者)である(つまり、立派に次世代を産み落とした母親として十全に役割を果たしたと私的にも公的にも認められている)ため。
……つまり変に前に出たり意見を言ったり主張がキツいような事をしなければ、それこそ女性は「なにも、知らなくていい、おひめさま」(あるいは愛玩動物)みたいに大事に大事にして貰えるのである。ただし、そうなれば事実上の籠の虜でしかないが。
その意味では前世覚醒前のエラーナは婚約者であったアレファルドはじめ三バカに対して表立って正論で(心を)殴るような真似をした(ぶっちゃけ王太子たちのメンツを潰した)り、リファナを叱り飛ばしたりしているので、この価値観から見れば(あくまでも、この価値観から見れば)確かに非常識な事をしでかしていた、とも言える(ただし、それを差し引いても国外追放されるほどの事でもなく、アレファルドたちが非常識だったのは変わり無いが)。
関連タグ
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