「あなたが作ったの!? あの道具を!?」
「あんなバカ王子とお花畑ヒロインの(活躍する魅せ場シーンをお膳立てする)ために(邪竜に取り込まれ当て馬として)死ぬなんて、冗談じゃありませんわ!」
「婚約破棄されたのも国外追放も、別にいいわよ! あんなバカップルのイチャイチャを側で見せつけられるより、はるっかに! まし! でも、そのためにフランまで巻き込んで外交を疎かにした結果がコレでしょう! それで困るのがアイツらじゃなくてセルジジオスの人達だなんて違う!」
「あなたの価値をわたしが解らせてあげる!!!」
概要
『追放悪役令嬢の旦那様』のヒロインにして、本編の原典作品とされるネット小説『守護竜様の愛し子』の悪役令嬢。
青竜アルセジオス王太子アレファルドの元・婚約者。青竜アルセジオス国王家を支える四大公爵家の最筆頭ルースフェット宰相家の一人娘。薄緑の髪に翡翠色の瞳を持つ。
アレファルドから婚約破棄を喰らった結果としてユーフラン・ディタリエール・ベイリー(フラン)の嫁となった。
愛称はラナ。実はフランの只唯一となる"初恋の君"でもある。
対外的にフランとは夫婦という形で通しているのでエラーナ・ディタリエールを名乗る場合もある(嫁、つまり直接的な血筋は継いでいないので「ベイリー」は名乗れない)。
のちにフランと同じ事情によって、公的な場ではエラーナ・ライヴァーグを名乗る事になる。
経歴
青竜アルセジオス王太子アレファルドの婚約者であったが、彼からの婚約破棄(と、他の公爵家派閥による政治工作、さらにアレファルドの側近たちによる偽装書類)によって国外に追放される事となった。
そして事態を憂慮したアルセジオス国王とアルセジオス国法官長ディタリエール伯爵(フランの父)によってフランと結婚させられる羽目になった。
と、いうのも王家としては宰相として功の多いルースフェット家と表だって事を構えるわけにはいかず、かといって王太子の言を王権を以て強引に引っくり返せば王家の意志の不一致を露呈させて王権の前提を揺るがせてしまう可能性があった。
さらにはアレファルドの事実上の恋人(浮気相手)となっていたリファナが「守護竜の愛し子」である事から彼女に不利益をもたらす思いきった処断ができない(やれば守護竜の怒りを買いかねない)という各種の事情が重なりあった結果「本来であれば冤罪の被害者に等しいエラーナの無実の証明に時間を要する」、「王としてはエラーナの身の安全を確保してルースフェット家との信頼関係を取り戻したいが、婚約破棄と国外追放の影響で彼女に正規の護衛をつける事ができない」という事態に陥り、これをクリアさせるために「名目上フランと結婚させ、フランに家族としてエラーナを守護させる」という苦肉の策が取られた次第。
婚約破棄のショックで『守護竜様の愛し子』愛読者としての記憶を取り戻した転生者…なのだが、その事はフランも含め周囲には言わない事にしている。(のちフランには打ち明けている)
人物
本来は高飛車で厳格で上から目線で無情な正論の嵐を振り撒くような性格だったが、前世覚醒の影響により平民感覚を目覚めさせる。前世は知的財産管理や経営戦略を担当する部署で辣腕を奮っていたらしく(今世ではそんな経験など無いにもかかわらず)交渉事が、かなり得意。
しかし前世覚醒で人格が前世側に引っ張られた影響で、この世界での常識や育ってきた体験(特に学園で受けた教育や人間関係)が意識からぽっかりと弾き飛ばされている場合がある。(頑張れば思い出せるようだが)
原典『守護竜様の愛し子』では婚約破棄から国外追放に至った後、正ヒロインと王太子を恨み、自らを棄てた故国を恨み、それを邪竜信仰の教団につけこまれたあげく、邪竜復活の生贄にされて死んでしまう。が、前世に覚醒した今では、その破滅だけは回避したいとの思いから恩讐(つまり倍返しルートやざまぁルートの可能性)を早々に捨て去り前を向いて奮闘する事になる。
前世
実は前世では料理も趣味であり、そのレシピの記憶も一通り今世に持ち越している。のち元・牧農場はその知識を生かした地産地消の農家(牧場)カフェになった。
ちなみに前世での死亡原因はブラック企業に使い潰されての過労死(ただし上司の教唆による自殺)。そのため「成果を上げた(努力した)人が、正当な報酬を得る」という事に、ものすごくこだわるトコロがある。そして、青竜アルセジオスにおいてフランの置かれていた環境を知り激怒した。結果、物語の当初よりフランに対して手放しでの高評価を伝えまくり、それはフランに自身の本当の才能と価値を教える事となった。
ちなみに前世ではネット小説を読むことが趣味だったようで、その記憶が蘇ってからは、かつて前世で読んだネット小説に出ていた農民を目指して学園の敷地まで耕した公爵令嬢を全力でリスペクトするのだと息巻いており、住むことを許された元・牧農場の開拓にも思いっきりやる気になっている。(書籍版設定)
また、どういうワケか森の動物とも心を通わせている(会話をしている)かのような描写がある。