追放悪役令嬢の旦那様の登場人物一覧
ついほうあくやくれいじょうのだんなさまのとうじょうじんぶついちらん
※以下、本項目ではWeb版を中心に解説し、必要に応じて書籍版の内容に触れております。書籍・漫画版の読者は、ネタバレに注意
あと、王族に関して姓を記していないのは、この作品の王族の姓は、そのまま国名と同じであるため(すなわちアレファルドならフルネームは"アレファルド・アルセジオス"となる)で、王族に姓が存在しないわけではないので注意。姓が無いのはあくまでも平民のみである。
ユーフラン・ディタリエール・ベイリー(フラン)
本作の主人公。
赤毛の髪と赤瞳を持つ青年。王家の側近として法官長の役職を代々務めるディタリエール伯爵家の長男。
本作のヒロイン。ユーフランの嫁で、通称はラナ。
薄緑の髪に翡翠色の瞳を持つ。青竜アルセジオス王太子アレファルドの元・婚約者で、青竜アルセジオスの四大公爵家の1つ、ルースフェット宰相家の一人娘。
エラーナを国から追い出したアルセジオスの王太子。
アレファルドがエラーナを追い出す原因となった金の瞳を持つ平民出身の少女。
スターレット・アロード・フェンディバー
アレファルドの「親友(側近)」のひとりで四大公爵家のひとつアロード家の嫡男。リファナの色気にヤラれた色ボケPART2。次期(アレファルドが王座に就いた時における)宰相候補。バカ王子の手下となる3バカ1号。ちなみにアロード・フェンディバー家は青竜アルセジオス国においては国家公共事業(特に国土運用にまつわる公共工事)の割り振りや長期計画を一手に引き受ける役目を負っている。
物事の表側を繕うのが得意ではあるが、スグにボロが出る、脇の甘いバカ。リファナを想うがあまり、彼女の心をアレファルドから自分の元に向けさせるため貢ぎに貢いだ挙句、王よりアロード家へと開発を命じられた辺境の村の開発資金より公金横領をやらかす事になり、さらには、その尻拭いを部下(ユーフランの元・友人)に押し付けるという、なかなか最低な事をしでかしている。
エラーナを国から追い出す手続きを、あれよあれよという間に調整を終えて推し進めたのは、こいつ。
ニックス・マシール・クレロアン
アレファルドの「親友(側近)」のひとりで四大公爵家のひとつマシール家の嫡男。やっぱりリファナの色気にヤラれた色ボケPART3。各種決裁の書類管理を引き受けている3バカ2号。
リファナを想うあまりに本来なら手を取り合って仕事を進めるべき仲間である3バカ2人さえ敵とみなしており、自らの政治手腕で追い落とそうとしている。
エラーナの国外追放に必要な各種書類(偽造)を揃えたのは、こいつ。
ちなみにニックスが思い描いていた企みは、全てユーフランに読まれきっていた。最終的にはユーフランの暗躍と、それを受けたアレファルドの行動により、企みは人知れず潰える事となった。
カーズ・ルッスルール・ロージス
アレファルドの「親友(側近)」のひとりで四大公爵家のひとつルッスルール家の嫡男。やっぱりリファナの色気にヤラれた色ボケPART4。ルッスルール家は王国軍の総帥権を持つため、言うなれば次期軍総帥。あと、その権限を都合よく利用して家専用の私兵(本来はそんなモノは持ってはいけないので、タテマエ上は軍総帥直下の特別部隊)を持っている。
良くも悪くも騎士道精神に憧れまくっているThe脳筋にして3バカ3号。その想いから3バカの中で彼だけはリファナの独占は全く考えておらず、ただ「リファナの騎士」としてリファナとリファナが想いを寄せているアレファルドに忠義を尽くす事を考えている。(もっとも、そのひたむきさによってリファナがもう少し自分の方を向いてくれればいいな、と考える打算は持っている)
のちに、その単純馬鹿をスターレットとニックスに利用されエラーナの暗殺を企てようとした。(当然ユーフランに返り討ちに遭った上で、自身のバカさ加減を懇切丁寧に講義される事となった)
ちなみにユーフランの弟(次男の方)よりも弱い。
ダージス・クォール・デスト
スターレットの「友人」である、クォール伯爵家の息子。ユーフランとは学園時代に「パシリ仲間」だった人物。ユーフランおよびエラーナとは学園時代のクラスメイト。ユーフランがエラーナと共に国外追放となってからは、ユーフランの身代わりとして色ボケどもの人身御供(無茶振りの犠牲者)と化していた。
しかし本人はユーフランほど器用でもないために、正真正銘「友人たち」のストレスのサンドバッグと化している。
スターレットの公金横領の片棒を担がされた挙句、窮地に陥りアレファルドの入れ知恵でユーフランを頼る羽目に。そしてユーフランに帰ってきてほしいと懇願するが、すでにエラーナによって自らの価値を知ったユーフランがその帰還願いに応じる事は無く、逆にユーフランから「俺は(それを誰の助けも借りられずに)4年我慢してきた」と責められる事となった。(しかしユーフランは話がこじれて長居されるのを嫌ったため、一応の応急策を授けて返した)
アルベルト
青竜アルセジオスの王様。息子とその取り巻きのアホぶりとムチャに頭を抱え、ついにブッ倒れてしまった少々可哀想な苦労人(まあ継承教育の失敗が原因なので、ある意味では自業自得なのだが)。その結果、流行病にもかかってしまい病の床から起き上がれなくなってしまう。
若い頃からそれなりに面倒見は良い人で、かつて青竜アルセジオスに留学に来たシャオレーン(現在の紫竜ディバルディオス王)の面倒をなにくれとなく見ており現在も彼からは頼りにされている。
息子の起こしたバカ騒ぎを憂慮しディタリエール伯と相談して国から出されるエラーナにフランを「夫婦」という形で伴わせた。
『守護竜様の愛し子』では宰相であるルースフェット公爵に逆恨み込みで恨まれた末に毒殺されてしまうが、本編ではラナの機転でこれを回避している。
しかしWeb版ではアホ息子の叩き直しのために命を費やし羽目となり結局絶命。ただ、その死は遅かりながらもアレファルドのアホ脱却と大覚醒に繋がった。
一方、書籍版ではリファナのKYによって、この世界随一の名医のひとりデルハンの診察と治療を受ける事ができて生還。しかし息子を鍛える名目で譲位してしまい(いわば上王となり院政状態に移行する羽目に)自分を治してくれたデルハンと何故かあまずっぺー遅い青春を謳歌する事になった(そしてアレファルドたちが悲鳴を上げる事に)。
ドゥルトーニル家
カールレート・ドゥルトーニル
ユーフランの遠縁にして緑竜セルジジオスの辺境伯であるドゥルトーニル家の長男(次期当主)。ユーフランの才能に惚れ込んでいる。そのためユーフランが引っ越してくる前には、幾度となく「ウチに養子に来ないか」と勧誘していた。
両親譲りの感激屋にして細かいことを気にしない豪快な声のでかい人。心の裏表を持たず懐はでかいが、その分、デリカシーも無い。(悪い人ではないのだけれど、本人が気にしている様々なことを「大したことじゃない」と筒抜けにしてしまうため、モヤらされるタイプ)そのためユーフランも時に(というか大抵は)接されてウザく感じる事もある。
カールレートの父。ドゥルトーニル家の現当主。
常に大声で怒っているように見えるが、実はそれは相手を本気で心配しまくってくれているがゆえの事。人をボロクソに扱き下ろすが、意外と言っている事は普通。
彼の本心をわかる人はかなり少ない。
エールレート・ドゥルトーニル
カールレートの弟。両親&兄譲りで声がでかい。一方でそれなりに気遣いのできる人ではあり、デリカシーがいまいち足りない兄をフォローしている苦労人。
カレンナ・ドゥルトーニル
ドゥルトーニル伯爵夫人。つまりカールレート&エールレートの母。オペラの愛好家で、まるでミュージカルのように会話をする。領主の奥方であるために顔は広く、地域の流行の仕掛人(いわゆるインフルエンサー)のひとりでもあったりする。
ディタリエール家
ルース・ディタリエール・ベイリー
フランの弟。ディタリエール六兄弟の次男。兄様大好きのブラコン。兄が出立する時には泣き叫んで「行かないでほしい」と訴えた。あと数ヶ月で社交界デビューかつ、近く学園に上がる予定の14歳男児。
実は密かに「好きな子には意地悪をしたくなる」タイプであるらしく、自らの婚約者には「いけず」に接しており、その度にユーフランから苦言を呈されているという。
フランの弟でディタリエール六兄弟の三男。9歳。やっぱり兄大好きのブラコン。
幼いうちから「ベイリー家」の力を強く発現させており、ディタリエール家の嫡子でもある。その事はユーフランも知っており、了承済み。
ディタリエール伯爵
ユーフランたちディタリエール六兄弟の父。ディタリエール伯爵家(青竜アルセジオス・ベイリー家)の現当主。国の法を司る法官長の地位にあり、バカ王子の無体に仕えている現王ともども頭を痛めている人。王太子に婚約破棄されたエラーナの事後を案じ、息子であるユーフランを彼女につけた人、その2。(その1は青竜アルセジオスの現王)
上述のように青竜アルセジオスにおける「ベイリー家」の当主であり、実は仕えている相手は国の王ではなく「守護竜」たる青竜アルセジオスそのものであり「守護竜」の御前においてアルセジオス王家とは対等とされる「王家の影」たる家。王家の暴走を止めるストッパーとしての役割を持つ。
実はかなりの愛妻家で、18になる息子のいる身にもかかわらず、常に自分の妻に愛の言葉を囁きまくっている人(無自覚)。そして息子たちはものの見事に、その親の仲睦まじさによって「夫婦(恋人)とはこういうもの」という無言の学習を行っていた。(つまりディタリエール家自体が愛妻家の家系と言える)ちなみに息子たちにソレを指摘された時には「うそじゃん!?」と驚愕した。(長男と三男はソレを素直に自らのものとしていたが、次男はその点ではちょっとだけヒネている模様)
ルースフェット家
ルースフェット公爵
エラーナの父。青竜アルセジオスにて現王の宰相を務める、ルースフェット公爵家の当主。フランが度々出していたリファナに関するレポートを話半分に聞いたために娘の破滅を招いてしまった人。エラーナの破滅と追放に思いっきり激怒&号泣するも、最後の最後でエラーナに手を差し伸べたユーフランに一縷の希望を見出し、涙ながら彼に娘の未来を託す。宰相としては優秀だが家庭人としては激情家でガチの娘バカ。
原典『守護竜様の愛し子』では娘バカゆえ、娘ともどもに邪竜教団に付け込まれ、教団に手を貸したあげく(実は王太子からエラーナを守ろうとしてくれていた)王を誤解で暗殺して娘もろともに破滅(死亡フラグ)一直線となってしまう人。しかし本作ではエラーナの前世覚醒で、そのルートから離れる事となった。
レグルス
緑竜セルジジオスに本拠を据える、新進気鋭の商人。色黒で少しラテンめいた筋骨隆々のオネエ。フランの生み出した道具の販売権を巡ってエラーナと丁々発止の大交渉を繰り広げた挙句に意気投合し、周囲にあーあ、出会っちまったかと言わしめ混ぜるな危険コンビと化す。ラナいわく「とても話の分かるいい人」。
北方熱帯の火山島国「赤竜三島ヘルディオス」の孤児出身。ヘルディオスは弱肉強食と自己責任論が行き過ぎた果てに若年(一桁)結婚や子捨てや幼少期の夭折(貧困層の子どもを見捨てる事)が横行している文化が蔓延しており、そうした「捨てられた子たちが真っ当に生き残れるようにする」事を生涯の目標に掲げて商人となった過去がある。
のちにユーフランとエラーナの協力を得て、赤竜ヘルディオスの子どもたちを引き取り緑竜セルジジオス(の、ユーフランたちがいる農場の近く)に養護施設「レグルス商会こども園」を建てる事となった。
グライス
レグルスの兄。気鋭の竜石職人(本職かつ凄腕)。素人であるはずのユーフランの技術(天賦の才)に驚愕し、のちには彼の元で自らの腕をさらに(レグルスのせいで強制的に)研鑽するとともに、のちには竜石の職人学校にて技術研究と後進の指導を行う事となる。
クーロウ
ユーフランたちが腰を落ち着けた牧農場に一番近い町「エクシの町」の町長であり大工の棟梁。町の代表者であるため、一応、男爵位の持ち主でもあり、領主でもあるドゥルトーニル伯爵からの信頼も厚い人物……というか、似た者同士。伯爵とは謎の師弟関係を結んでいる間柄で、二人揃ってテンションが上がると、なぜか外に出て挨拶代わりの格闘戦をおっぱじめる。
ワズ
ユーフランたちが町に引っ越してきた最初の買い出しの際に声をかけてきた子ども。家畜屋の息子で牧農場に引っ越してきたユーフランたちに家畜を飼わないかと売り込みに来た。この取引で母親にプレゼントを買いたいという目的もあってか、商売に関してはシビアでしっかりしている。商売人の先達である事からレグルスを尊敬している。ユーフランたちと仲良くなってからは、牧農場の家畜の様子を継続して診るというタテマエで、よく遊びに来るようになる。(仕事である事は本当)
ローレン
ワズの母で家畜屋。夫の腰痛に悩まされていたが、エラーナの助言で解決する。
ナードル
ワズの父。もちろん家畜屋だが同時に獣医でもある。腰痛に悩まされていたがエラーナが生活の助言をした事で改善する。
メリンナ
「エクシの町」にて薬師を営んでいる女性。酒好きで常に酔っぱらっている残念な美人。しかし薬師と言いながらもエクシの町は無医の町であるため、実質上の医者として活動せねばならないこともままあり、町の健康を一手に引き受けている。(本職の医師はさらに王都に近い場所にある「エンジュの町」まで行かないと呼べない)
アイリン
メリンナの助手を務めている少女。おおよそ酒絡みでやらかす師匠のストッパー役。言葉が丁寧(時に行きすぎて慇懃無礼)なメガネっ娘。その丁寧さはユーフランが「令嬢教育でも受けていたのか?」と感じてしまうレベル。
初めてユーフランと会った際、彼に紳士的な対応をされて惚れそうになるも、直後にエラーナから夫婦であることを自己紹介され、一時的に落ち込む羽目になった。
ユーフランたちが居を構える牧農場に隣接する森林に住んでいる母虎。
クラナ
孤児たちをまとめている「おねえさん」格の16歳。本来なら施設を出て独立してもおかしくない年齢であるが、子どもたちの面倒を看る事のできる人間がいない事から、子どもたちのまとめ役として「弟妹の育児」と「施設の家事」に明け暮れていた。この事から、しっかり者の頑張り屋。緑竜セルジジオスのこども園に来てからはエラーナの妹分として、彼女の助手的な立場となる。のちにダージスに惚れられてアタックを受ける事となった。
こども園に来るまでに苦労を重ねた事から、いくぶんワーカホリックな部分がある。ラナからは「この子、いけない! 社畜の血が目覚めかけているわ!」と危惧され「積極的に休みを取るように」「自分自身の楽しいことを優先するように」と申し渡されている。
ニータン
地に足をつけた考え方をする、真面目でしっかり者な茶髪に茶毛を持つ8歳の男の子。警戒心が強く注意深い。他の男子たち(年上含む)たちがはしゃぐ中でストッパーを務める事も多い。
アメリー
少し独特(というか電波系な芸術家肌)な感性と、紫髪に赤瞳を持つ6歳の少女。早起きをして花の蜜を吸うのが好き。好きなもの、気になるものは、どんどん極めていくタイプ。
クオン
ピンク髪に緑瞳を持つ9歳の少女。活発で勢いがいい。ヤンチャな奴らに対してはスグに手が出るのが玉に瑕。瞳の色の事もあり、エラーナに印象が似る。
シータル
冒険野郎な10歳のやんちゃ坊主。赤毛赤目の少年。頬に大きな古傷があるが、虐待などではなく、実は木登りをしている最中に落ちて枝で大きく切った跡。後先考えずに思ったことを即座に口に出したり、軽口を叩いたりするために失言が多く、その都度叱られている。(初対面時には、エラーナを指して、やんちゃ坊主にありがちなブス呼ばわりをしてユーフランに半ギレされ、手痛い目に遭わされた)
アル
シータルに次ぐやんちゃ坊主。赤茶髪に紫の瞳を持つ9歳。派手なそばかす持ちで、よくニヤニヤ笑いを浮かべている。
好きな子にイタズラやちょっかいをかけたいお年頃。特にクオンによく絡む。が、ユーフランとエラーナとクラナに滔々と逆効果を説かれて改心を誓う。(その際にユーフランのエラーナに対する「紳士」ぶりを目の当たりにして、ユーフランの事を真面目に尊敬して「さん」付けをするようになる)
金髪に茶色の目を持つ少女。竜石の力を無効化させる「加護なし」と呼ばれる能力を持つ娘。
緑竜セルジジオス(王都ハルシオン)
緑竜セルジジオスの第一王女。
濃緑色の髪に翡翠色の瞳を持つ12歳のお姫さま。
年相応にアクセサリーや魔法道具や料理などに興味を持っているがすでに政治の指揮をとっており、国民からも親しまれている優秀な姫。
ゲルマン王
緑竜セルジジオスの王様。威厳と寛容、優しさと厳しさ、確かな部下に恵まれ、経験に裏打ちされた王の器を持ち、これらをキチンと御せていて、さらにはちゃっかり国益もゲットしてたりする、とってもデキた王様。
ユーフランとエラーナに窮地を救われた礼として、二人の国民権を承認した。
青竜アルセジオスには様々な局面で煮え湯を飲まされていた(とはいえソレらは即戦争に至る程の大きな問題ではなく、それゆえタチが悪かった。そして、それらの原因は大概アレファルドにあった)事もあり、ユーフランとエラーナの市民としての迎え入れはアレファルドが出席した会食の場で行われ、しかもその際に「こんな優秀な子たちを国外追放にするとか、どんだけバカだ。いらないならわが国がありがたく貰おう(意訳)」と皮肉タップリにブチ挙げている。そのため、デキた王様ではあるが何らかのスイッチが入ると途端に大人げなくなる人でもある。(このあたりは娘のロザリーにも似た部分が見られる)
トワイライト
黒竜ブラクジリオスの王子。金の瞳を持つ、ブラクジリオスにおける「守護竜の愛し子」。まだ幼く、自らの事を「トワ」と称する。心優しく素直で天使な男の子。
守護竜がらみでお供とはぐれた際に野党に襲われていたが、その現場がユーフランの住む牧農場の近くであったため、偶然、場に居合わせたユーフランに保護され、それ以降、定期的に交流するようになり、これを通してワズやシータル・アル・ニータンと立場を超えた友達になる。
のちに緑竜セルジジオスの第四王女・ロザリア姫と婚約する事となった。
ロリアナ
トワイライト王子の護衛を務める女性近衛騎士。その正体はトワ王子の姉、すなわち黒竜ブラクジリオスの姫君(第四王女)。弟がとっても大好き。
本来は姫君だが、黒竜ブラクジリオスの公爵家のひとつが跡継ぎの無いままに死んだため、この家を存続させるため臣籍降下されて末期養子となった。が、姫君うんぬんはともかくとして愛する家族(特に可愛い弟)と離れたくないがゆえに幾度となく養子先からの家出を繰り返し、ついたあだ名が(ダブルミーニングで)『家出姫』。結果「弟と離れたくない」思いと「養子先の都合」が合致する形として自ら弟の近衛騎士となった経緯を持つ。
初めて出会ったとき、ユーフランに惚れかけるが、直後にユーフランが既婚者と知って人知れずショックを受けてしまう。
ジルドロッセ
書籍5巻より登場。(Web版には登場しない)
ブラクジリオス4大公爵家のうちの1家クロパス家の当主を務めている公爵にして外交官、とフランは認識していたが実は王族でディーロッサ王(ロリアナの父)の弟(公爵家を継いだ事情はロリアナとほぼ同じ)。そして、実はトワ様の実父。
しかしディーロッサ王が体調不良により政務が不可能になったとして引退を表明したため、結果として王より譲位され、改めて新たなるブラクジリオス王となった。
フランとは外交関係で面識があり、彼の事を高く買っている。
クラーク
アレファルドの兄貴分を自称しているメジレジンスの王太子。Web版においては本人は登場しないが、ユーフランの過去回想や関連する話題に断片的に登場する人物。
アレファルド(と、ユーフラン)に対してご執心な束縛屋気質の持ち主。そのアレっぷりはあの人レベル。アレファルドの人間関係をすべて把握したがり、そしてその周囲の人間たちをもアレファルドもろともに自らの元に迎え入れたいというヤバいお人。ちなみにバイセクシャルの気が垣間見える。
実は幼き日のユーフランも彼によって薔薇の世界に連れて行かれそうになり(その時壁ドン顎クイでユーフランの股間にクラークの太ももをあてがわれ耳元で「ボクの影にならないかい?」「優しく教えてあげるよ」などと危険な色気たっぷりにささやかれた)血相を変えて慌てて逃げた過去がある。その事はバッチリ、ユーフランにとって大きなトラウマと化しており、下手なタイミングで「黄竜メシレジンス」の名を聞こうものなら頭を抱えて震え出すレベル。またアレファルドも迫られた事があり、こちらもトラウマと化している。
書籍5巻にて満を持しての登場を果たした。各国の王族たちからは胴大陸随一のクセ者にしてキレ者という評価を与えられており、その行動は天衣無縫にして捉えどころがない。現場主義かつ自由人の側面もあり、従僕の皆様はいつも苦労している旨が語られる。おそらくは様々な意味で作中最強の一角。
良くも悪くも自分の総てを賭けて全力でぶつかってくる相手には、それがどんな相手(例えば自分を殺しに来た刺客)であっても自らも相手への敬意と誠意を以て全力でお相手をする、という主義を持っており、その面では完膚なきまでにタガが外れてブッ壊れてしまっている、まさに「掟ひろきうつはもの」あるいは「愛の人」とすら言い得る人物でもある(まぁ周囲は大概大迷惑を被るが)。
ハノン・クラリエ
クラーク王子のお付き。寡黙な強面。金色の瞳を持つ黄竜メシレジンスにおける「守護竜の愛し子」であり、この世界に現存する「守護竜の愛し子」の中では最高齢の56歳。
元々は黄竜メシレジンスの近衛騎士でありクラーク王子の(教育係を兼ねた)お付きであったがクラーク王子の誘拐事件が巻き起こった際、後天的に「守護竜の愛し子」の力に覚醒した。覚醒後もクラーク王子に仕える事を選んでおり「変わり者」と言われている。
老境にあっても近衛兵として鳴らしたその強さは衰える事無く、剣や武術のみならず暗器すらも使いこなす。そして、そんな彼に育てられたクラーク王子も、その強さを寸分違わず受け継いでいたりする。
のちに(7巻で)クラリエ家こそが黄竜メシレジンスのベイリー家である事をフランに明かし、またフランにベイリー家に伝わる(ディタリエール家では失伝していた)竜石を利用した「竜爪」の一時的な貸し出しの方法を教えた。
ティム・ルコー
書籍5巻に登場する紫竜ディバルディオスにおける「守護竜の愛し子」。当然「聖なる輝き」を宿しており、その事によって平民から貴族の養子へと召し上げられ、わがまま放題に育てられた。ガチのチャラ男気質で、自分に向けられている非難に関しては全て「冗談」として強引に受け流している。
自らが「守護竜の愛し子」である事を鼻にかけ、あるいはその事を理由に人々を恫喝し、自らの目に留まった女性たちを強引に自らの元に召し上げてハーレムを作り上げていた。その態度は自らと同じ「守護竜の愛し子」であるリファナとファーラの怒りを買う。(が、本人はその事態の深刻さに全く気付いていなかった)
紫竜ディバルディオスの現王であるシャレオーン王の妹姫であるエリリエを正規の婚約者として定められているのだが、そのエリリエの事は「自分より年上で高身長で自分を立てる事ができない醜い女」として側にも寄らせず歯牙にもかけていない。
エリリエ
ティム・ルコーの婚約者。紫竜ディバルディオスの現王であるシャオレーン王の妹姫。
紛れもないティムによるDVの犠牲者。ティムによるモラハラによって心が衰弱しており、そのために声が人に聴き取れぬほどに小さく、また姿勢も体を小さく見せるために猫背が常となっており、堂々とした立ち居振る舞いができなくなっている。せめて、そのティムから投げかけられる「醜い」という評価をなんとか覆そうと考え、必死の思いでレグルスから化粧品を買い付けようとしてラナたちに出会う。
ラナに出会った時には、すでに鬱病を発症して自己肯定が消え去っており、命の危険すらあった。そのエリリエの有様はラナの怒髪天を突くことになった。そしてラナとフランとリファナとファーラとアレファルドとレグルスによる総がかりのケアによって「ティムの婚約者をやめたい」という本音に行き当たり、結果ラナが司令塔となって彼女の婚約破棄へと動くことになった。
婚約破棄後は、なぜかクラーク王子からプロポーズを受ける羽目に。本人はまんざらでもない模様だが、ユーフランとアレファルドは壮絶に不安を隠せなかった。
シャオレーン王
紫竜ディバルディオスの王でエリリエの兄。かつて青竜アルセジオスに留学していた事があり、アレファルドの父であるアルセジオス王とは深い友誼を持っている。アルセジオス王の事を、自らの「王族としてのふるまいの師匠」として強く慕っている。
ティム・ルコーの無体に常に頭を痛めている。そればかりか実はティムの無体な所業が「もっとも礼と義に厳しい守護竜」とも言われるディバルディオスを激怒させており、このままではディバルディオス国が滅びてしまうと怯えと嘆きを繰り返している。この事を相談しようと自らの誕生日にアルセジオス王を呼ぼうと考えたが、肝心のアルセジオス王がアレファルドのやらかしでブッ倒れているため、アレファルドが名代として来てしまい絶望する……が、フランとクールガン(ベイリー家の者)も同時にやって来てくれたため(強引にだが)光明を見出す。
デルハン・イーテン
紫竜ディバルディオス随一の錬金術師にして時計職人であり、そしてディバルディオス王家御典医の一角を務める女医。
そして実はエラーナが大事にしている懐中時計の制作者。この懐中時計、名目上は婚約者時代にアレファルドからエラーナに贈られたものだったが、実はアレファルドのお付き時代のフランがデルハンにエラーナの人となりを伝え自らデザインを選び特注したもの。のちにソレをバラされてフランは大慌てする羽目になった。
Web版では名前だけが出てくる(その時にデルハンの名と医者の身分を騙った男性の詐欺師がアルセジオス王を診察していた事が明かされた)人物だが、書籍版ではリファナとアレファルドの要請によってアルセジオス王の状態を診るべく青竜アルセジオスへと本当に出張する事となった。