概要
CV:篠原恵美
本作の依頼人であるゲストヒロイン。27歳。
横須賀にあるドイツ風の城(白鳥曰く「ノイシュヴァンシュタイン城に似ている」)の城主であり、かつて彼女の家が所蔵していたインペリアル・イースター・エッグを狙った怪盗キッドが予告状を出したことにより、その行方を知る。
良家のお嬢様らしく清楚で気品があり、性格も穏やかで社交的。
ロシア人の曾祖母譲りの灰色の瞳を持つ美人だが、曾祖母の写真は一枚も残っていないため彼女自身は顔を知らずにいる。
職業はパティシエール。城の管理を執事の沢部に任せて現在はパリで働いており、お茶をしているときもお菓子が並べられていた。
ゲストキャラクターの中でも容姿や設定から、ファンからの人気が高い。
ネタバレ
劇中終盤に登場したロマノフ王朝(ロシア帝国最後の皇帝・ニコライ2世とその一家)の家族写真や、夏美の曾祖父・喜市が妻(夏美の曾祖母)と思しきロシア人女性と共に映る写真を見て、コナンは夏美本人や彼女の曾祖母の顔がニコライ2世の三女・マリアと瓜二つであることに気付く。また、喜市が亡き妻の為に建てた城がロシア風でないのはマリアの母・アレクサンドラがドイツ人だったからではと思い至る。
このことから、コナンは「夏美の曾祖母とマリアは同一人物であり、喜市と共に日本へ亡命した後に彼と結婚し、娘(夏美の祖母)を授かったのではないか」という仮説を立てた。この仮説に基づいた推理が正しかった場合、夏美はマリアの孫娘であり、即ちロマノフ王朝の末裔ということになる(同じく家族写真を見た後のセルゲイもエッグの所有権を夏美に譲る意を示したことから、彼も同様の結論に達したと受け取れる)。
しかし、あくまでも推測に過ぎず他人の空似を否定する確証が得られなかったため、コナンはその仮説をキッドにのみ話し、キッドも「君に一つ助言させてもらうぜ。世の中には謎のままにしておいた方がいいこともあるってな」と返している。
余談
『世紀末の魔術師』が上映された当時、ニコライ2世一家のうち大公女(皇女)の一人(※)と皇太子・アレクセイの遺骨は発見されていなかった。2007年にロシア国内で2体の遺骨が発見され、DNA鑑定の結果、2009年に2体の遺骨がマリアとアレクセイのものだと断定される。これにより当時の処刑による一家全員の絶命と生存の可能性の完全否定が科学的に立証された。
(※)当時、唯一遺骨が発見されていなかった大公女については、三女・マリアもしくは四女・アナスタシアのいずれかであると考察されていたが、2007年に残り2体の遺骨が実際に発見されるまでは、未確認の遺骨がどちらのものであるか不明瞭であった。