「404号室を借りたいのだが・・・・」
概要(あらすじ)
主人公が勤務する不動産会社に黒ずくめの男(以下男)が訪れ、とあるビルの存在しない404号室を借りたいと注文を受ける。存在しない部屋なので突っぱねる主人公だったが、上司に押し切られて書類を作成してしまう。
なお書類に記された名前は妙な筆跡で読み辛いが『Nyaru・hotep』というものであった。
後日、“404号室”のビルに所用で訪れた主人公だったが、存在しないはずの“404号室”が存在する事に驚き、男を問い詰めるも煙に巻かれてしまう。4階の他の住人と管理人、上司も存在しないはずの“404号室”が存在する事実に疑問を抱かない。
苛立って実際に“404号室”へ踏み込もうとするも、まるでバリアが張られたかのようになり部屋に入ることはできない。荷物を届けに来た運送業者はたやすく入ることができるにも拘らずだ。
なんとかして部屋の謎を解き、男に一泡吹かせてやりたいと思う主人公であったが……
関連タグ
ドラえもん:「ナイヘヤドア」というエピソードは、野比のび太がドラえもんの道具の一つで同名の道具であるアパートに存在しない4号室を作り出してしまうという内容になっている。ちなみに4号室が無いというのは意外と験担ぎな意味で実際にそういうケースはあったりする。(4=死が縁起が悪いという意味で)
だるま(ゲゲゲの鬼太郎):作中で存在しない4階を作り出し拠点としていた妖怪。
もしかして:元ネタ?→404_Not_Found
外部リンク
参照動画…YouTubeチャンネル『コミックパンダ』が配信しているこの話を題材とした漫画動画。
(この先物語に関わる重大なネタバレがあります!未読の方は閲覧をお控えください)
結末
ある日、所長より男が404号室から退去することを聞かされ、明け渡しに立ち会うように命令される。
ケチのつけようがない立派な用事が出来たことで、タネを暴いてやると息巻いて部屋に入り込んだ主人公であったが、そこにあったのは何の変哲もないただの部屋であった。
困り果て降参し、男になにをどうやったのか問い詰めるも、「私は何もしていない。契約だから部屋が出来た。契約終了と同時に部屋は消える」という要領を得ない答えばかり。
「一緒に帰らないか」という男の言葉を無視しなんとか謎を解こうとするも、何もわからない。
いつのまにか夕方になっており、一旦帰ろうとするが、ドアが開かないことに気が付く。嫌な予感がして窓を開けようとするがこちらも開かない。ベランダにも出れない。
ふと時計を見ればまだ午後三時だというのに、どんどん暗くなっていく。ドアを叩いて部屋の外を歩いている住人にアピールするが、反応は無い。
気が付けば外にあるのは見慣れた街並みではなく、何も見えない真っ暗な空間となっていた。
それから半年が過ぎた。
主人公は男の「契約終了と同時に部屋は消える」という言葉を思い出す。
契約終了とはつまり主人公が現状確認をしてこの部屋を出ていくこと。つまり主人公がこの中にいるかぎりこの部屋は存在できる。
備え付けの冷蔵庫の中にはいつも食料がたっぷりだ。どういう仕組みか水もでるし、電気も通っている。
もしかすると、部屋は消えたくないんじゃあないのか。