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715系

3

ななひゃくじゅうごけい

715系とは、日本国有鉄道及びその業務の一部を継承した九州旅客鉄道と東日本旅客鉄道に在籍していた近郊形交流電車である。寝台特急電車からの改造車両として有名であった。
715系とは、日本国有鉄道及びその業務の一部を継承した九州旅客鉄道と東日本旅客鉄道に在籍していた近郊形交流電車である。寝台特急電車からの改造車両として有名であった。

概要

概要

大量の余剰車が発生していた寝台特急形交直両用電車581系及び583系を改造して、1984年から1985年にかけて誕生した車両である。九州地方向けの0番台(48両)と東北地方向けの1000番台(60両)に分類される。屋根の高い寝台特急形電車を無理矢理近郊形電車改造したため、その奇抜過ぎるスタイルから、同じ経緯で製作された交直両用電車419系と共に"食パン電車”というあだ名をつけられた。


誕生の背景・419系との共通の改造箇所については食パン電車を参照。


主な改造

主な改造

ここでは本形式のみの改造箇所を記載する。


交流専用化

元々が交直流電車であるため、主回路を交流側で固定して「切替スイッチ」等を撤去しただけである。交流区間普通列車用とされたため、直流区間高速運転時の離線対策であったモハ714の副パンタグラフを撤去した。交流用電気車としては性能面からすると実質の出力効率が劣る抵抗制御の直流車並みとなり、一見本末転倒であるが、使用期間が限られたことからの判断である(並行して使用される交直流急行型・近郊型とさほど変わらぬ、といっていい)。


編成

編成

九州・東北用とも4両編成である。

0番台 クハ715(クハ714)+モハ714+モハ715+クハ715-100

1983~84年に12本が改造された。モハ714/715はモハネ580/581(60Hz用)からの改造、クハ715(0番台)はクハネ581からの改造、クハ715-100とクハ714はサハネ581からの改造である。なお種車の関係で偶数向きのクハのうち、2本は食パンスタイルのクハ714となっている。


1000番台 クハ715+モハ714+モハ715+クハ715-1100

1984~85年にかけて15本が改造された。

種車の関係は0番台と同様であるが、モハユニットは50/60Hz両用のモハネ582/583からの改造である。また偶数向きのクハは全て「電気釜」スタイルのクハ715に統一されている。

また投入先が寒冷地ということもあり、客用扉の半自動化や耐雪ブレーキ、暖房の増設など耐寒耐雪工事が追加されている。


運用

運用

0番台長崎本線及び佐世保線、1000番台が東北本線及び仙山線に導入された。なお塗装は当初どちらもクリーム色をベースに緑色の帯が入れられたシンプルなものであったが、正面の塗り分け方に相違があった。


0番台は1984年(昭和59年)2月のダイヤ改正で運用を開始、12本が南福岡電車区に配置された。主に長崎本線や佐世保線の普通列車を中心に運行された。しかし、客用扉の狭さなど車体構造の問題から、鳥栖以北(福岡県内)の鹿児島本線での営業運転は始終ほぼ入出庫絡みの列車に限られていた。JR九州への移行前後から「九州色」に塗り替えが進み、寝台の撤去なども行われた。また、特急型電車の名残であるボックスシート部を活かし、一時は繁忙期の臨時急行「ひのくに」(1985〜1993)を担当する事もあった。近郊形交流電車の813系に置き換えられる形で1996年から廃車開始、1998年(平成11年)に全車が廃車となった。


1000番台は1985年(昭和60年)3月に、15本が仙台運転所に配置されて東北本線(黒磯~一ノ関)にて運用を開始(後に仙山線でも運行)、同区間に残っていた客車列車を置き換えた。その後車体のベース色がクリーム1号から(格下げ使用された急行型電車と同じ)白に近いクリーム10号に変更されている。九州とは異なり、本線内の区間運用が多い仙台地区では当初行先表示のコマ数が足らず(20コマしか対応していない583系の側面幕をそのまま転用していた)、「石越」などは種別表示サイズに行先を入れたサボを挿して対応していた。通勤形交流電車701系および719系により置き換えられる形で1995年(平成7年)から廃車が始まり、1998年(平成11年)に全廃となった。

なおこの「1000番台」は投入先の「仙台」運転所にかけた語呂合わせで附番されたという。


保存車

保存車

現在、クハ715-1が九州鉄道記念館に保存されている。

この保存に際し、外観塗装を特急時代のクリーム1号+青15号に塗替・車両番号表記の復元(クハ715-1→クハネ581-8)・側面の中・上段寝台用明り取り窓と特急エンブレムの再設置する等と言った復元工事が実施された。

ただし内装は715系改造時に施工された増設扉・セミクロスシート・開閉窓・中吊広告枠などがそのまま残っており、どっちつかずの中途半端な仕様となっている。

しかもこの車両、Nゲージの完成品として世に出たこともある。


富山県伏木市の日本車両リサイクルに置かれていたクハ418-1が2021年11月中旬に解体されたことから、この保存車が「寝台電車からの近郊電車への改造車」の存在を後世に伝える唯一の存在となった。


余談

余談

1999年発売のゲーム『電車でGO!プロフェッショナル仕様』には、鹿児島本線で715系を運転するダイヤが収録されている。このダイヤは時間設定が813系と共通なのだが、作中どころかシリーズ屈指の難関として有名。性能がまったく足りない上に天候はランダム、雨天や雪になろうものならB6でも晴れの非常ブレーキより効かないという酷さである。

特に悪天候の場合は赤間・海老津・遠賀川・水巻・枝光の5駅には絶対に遅れる設定になっている。中でも海老津〜水巻は連続しているため、ここまで定時運転にこだわっていると水巻までに必ず±2秒以内のボーナスは取得不可能になってしまう。全駅でgreatボーナス獲得を狙うのであれば教育大前駅に2秒早着する必要があり、その上でも水巻までに2秒延着に抑えられるかはかなりギリギリとなる。

ちなみにTASですらこの区間に関しては±0秒の運行は不可能であった。


関連イラスト

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関連項目

関連項目

日本国有鉄道 九州旅客鉄道 東日本旅客鉄道

419系 食パン 食パン電車 魔改造

概要

概要

大量の余剰車が発生していた寝台特急形交直両用電車581系及び583系を改造して、1984年から1985年にかけて誕生した車両である。九州地方向けの0番台(48両)と東北地方向けの1000番台(60両)に分類される。屋根の高い寝台特急形電車を無理矢理近郊形電車改造したため、その奇抜過ぎるスタイルから、同じ経緯で製作された交直両用電車419系と共に"食パン電車”というあだ名をつけられた。


誕生の背景・419系との共通の改造箇所については食パン電車を参照。


主な改造

主な改造

ここでは本形式のみの改造箇所を記載する。


交流専用化

元々が交直流電車であるため、主回路を交流側で固定して「切替スイッチ」等を撤去しただけである。交流区間普通列車用とされたため、直流区間高速運転時の離線対策であったモハ714の副パンタグラフを撤去した。交流用電気車としては性能面からすると実質の出力効率が劣る抵抗制御の直流車並みとなり、一見本末転倒であるが、使用期間が限られたことからの判断である(並行して使用される交直流急行型・近郊型とさほど変わらぬ、といっていい)。


編成

編成

九州・東北用とも4両編成である。

0番台 クハ715(クハ714)+モハ714+モハ715+クハ715-100

1983~84年に12本が改造された。モハ714/715はモハネ580/581(60Hz用)からの改造、クハ715(0番台)はクハネ581からの改造、クハ715-100とクハ714はサハネ581からの改造である。なお種車の関係で偶数向きのクハのうち、2本は食パンスタイルのクハ714となっている。


1000番台 クハ715+モハ714+モハ715+クハ715-1100

1984~85年にかけて15本が改造された。

種車の関係は0番台と同様であるが、モハユニットは50/60Hz両用のモハネ582/583からの改造である。また偶数向きのクハは全て「電気釜」スタイルのクハ715に統一されている。

また投入先が寒冷地ということもあり、客用扉の半自動化や耐雪ブレーキ、暖房の増設など耐寒耐雪工事が追加されている。


運用

運用

0番台長崎本線及び佐世保線、1000番台が東北本線及び仙山線に導入された。なお塗装は当初どちらもクリーム色をベースに緑色の帯が入れられたシンプルなものであったが、正面の塗り分け方に相違があった。


0番台は1984年(昭和59年)2月のダイヤ改正で運用を開始、12本が南福岡電車区に配置された。主に長崎本線や佐世保線の普通列車を中心に運行された。しかし、客用扉の狭さなど車体構造の問題から、鳥栖以北(福岡県内)の鹿児島本線での営業運転は始終ほぼ入出庫絡みの列車に限られていた。JR九州への移行前後から「九州色」に塗り替えが進み、寝台の撤去なども行われた。また、特急型電車の名残であるボックスシート部を活かし、一時は繁忙期の臨時急行「ひのくに」(1985〜1993)を担当する事もあった。近郊形交流電車の813系に置き換えられる形で1996年から廃車開始、1998年(平成11年)に全車が廃車となった。


1000番台は1985年(昭和60年)3月に、15本が仙台運転所に配置されて東北本線(黒磯~一ノ関)にて運用を開始(後に仙山線でも運行)、同区間に残っていた客車列車を置き換えた。その後車体のベース色がクリーム1号から(格下げ使用された急行型電車と同じ)白に近いクリーム10号に変更されている。九州とは異なり、本線内の区間運用が多い仙台地区では当初行先表示のコマ数が足らず(20コマしか対応していない583系の側面幕をそのまま転用していた)、「石越」などは種別表示サイズに行先を入れたサボを挿して対応していた。通勤形交流電車701系および719系により置き換えられる形で1995年(平成7年)から廃車が始まり、1998年(平成11年)に全廃となった。

なおこの「1000番台」は投入先の「仙台」運転所にかけた語呂合わせで附番されたという。


保存車

保存車

現在、クハ715-1が九州鉄道記念館に保存されている。

この保存に際し、外観塗装を特急時代のクリーム1号+青15号に塗替・車両番号表記の復元(クハ715-1→クハネ581-8)・側面の中・上段寝台用明り取り窓と特急エンブレムの再設置する等と言った復元工事が実施された。

ただし内装は715系改造時に施工された増設扉・セミクロスシート・開閉窓・中吊広告枠などがそのまま残っており、どっちつかずの中途半端な仕様となっている。

しかもこの車両、Nゲージの完成品として世に出たこともある。


富山県伏木市の日本車両リサイクルに置かれていたクハ418-1が2021年11月中旬に解体されたことから、この保存車が「寝台電車からの近郊電車への改造車」の存在を後世に伝える唯一の存在となった。


余談

余談

1999年発売のゲーム『電車でGO!プロフェッショナル仕様』には、鹿児島本線で715系を運転するダイヤが収録されている。このダイヤは時間設定が813系と共通なのだが、作中どころかシリーズ屈指の難関として有名。性能がまったく足りない上に天候はランダム、雨天や雪になろうものならB6でも晴れの非常ブレーキより効かないという酷さである。

特に悪天候の場合は赤間・海老津・遠賀川・水巻・枝光の5駅には絶対に遅れる設定になっている。中でも海老津〜水巻は連続しているため、ここまで定時運転にこだわっていると水巻までに必ず±2秒以内のボーナスは取得不可能になってしまう。全駅でgreatボーナス獲得を狙うのであれば教育大前駅に2秒早着する必要があり、その上でも水巻までに2秒延着に抑えられるかはかなりギリギリとなる。

ちなみにTASですらこの区間に関しては±0秒の運行は不可能であった。


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715系

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ななひゃくじゅうごけい

715系とは、日本国有鉄道及びその業務の一部を継承した九州旅客鉄道と東日本旅客鉄道に在籍していた近郊形交流電車である。寝台特急電車からの改造車両として有名であった。
715系とは、日本国有鉄道及びその業務の一部を継承した九州旅客鉄道と東日本旅客鉄道に在籍していた近郊形交流電車である。寝台特急電車からの改造車両として有名であった。

概要

概要

大量の余剰車が発生していた寝台特急形交直両用電車581系及び583系を改造して、1984年から1985年にかけて誕生した車両である。九州地方向けの0番台(48両)と東北地方向けの1000番台(60両)に分類される。屋根の高い寝台特急形電車を無理矢理近郊形電車改造したため、その奇抜過ぎるスタイルから、同じ経緯で製作された交直両用電車419系と共に"食パン電車”というあだ名をつけられた。


誕生の背景・419系との共通の改造箇所については食パン電車を参照。


主な改造

主な改造

ここでは本形式のみの改造箇所を記載する。


交流専用化

元々が交直流電車であるため、主回路を交流側で固定して「切替スイッチ」等を撤去しただけである。交流区間普通列車用とされたため、直流区間高速運転時の離線対策であったモハ714の副パンタグラフを撤去した。交流用電気車としては性能面からすると実質の出力効率が劣る抵抗制御の直流車並みとなり、一見本末転倒であるが、使用期間が限られたことからの判断である(並行して使用される交直流急行型・近郊型とさほど変わらぬ、といっていい)。


編成

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九州・東北用とも4両編成である。

0番台 クハ715(クハ714)+モハ714+モハ715+クハ715-100

1983~84年に12本が改造された。モハ714/715はモハネ580/581(60Hz用)からの改造、クハ715(0番台)はクハネ581からの改造、クハ715-100とクハ714はサハネ581からの改造である。なお種車の関係で偶数向きのクハのうち、2本は食パンスタイルのクハ714となっている。


1000番台 クハ715+モハ714+モハ715+クハ715-1100

1984~85年にかけて15本が改造された。

種車の関係は0番台と同様であるが、モハユニットは50/60Hz両用のモハネ582/583からの改造である。また偶数向きのクハは全て「電気釜」スタイルのクハ715に統一されている。

また投入先が寒冷地ということもあり、客用扉の半自動化や耐雪ブレーキ、暖房の増設など耐寒耐雪工事が追加されている。


運用

運用

0番台長崎本線及び佐世保線、1000番台が東北本線及び仙山線に導入された。なお塗装は当初どちらもクリーム色をベースに緑色の帯が入れられたシンプルなものであったが、正面の塗り分け方に相違があった。


0番台は1984年(昭和59年)2月のダイヤ改正で運用を開始、12本が南福岡電車区に配置された。主に長崎本線や佐世保線の普通列車を中心に運行された。しかし、客用扉の狭さなど車体構造の問題から、鳥栖以北(福岡県内)の鹿児島本線での営業運転は始終ほぼ入出庫絡みの列車に限られていた。JR九州への移行前後から「九州色」に塗り替えが進み、寝台の撤去なども行われた。また、特急型電車の名残であるボックスシート部を活かし、一時は繁忙期の臨時急行「ひのくに」(1985〜1993)を担当する事もあった。近郊形交流電車の813系に置き換えられる形で1996年から廃車開始、1998年(平成11年)に全車が廃車となった。


1000番台は1985年(昭和60年)3月に、15本が仙台運転所に配置されて東北本線(黒磯~一ノ関)にて運用を開始(後に仙山線でも運行)、同区間に残っていた客車列車を置き換えた。その後車体のベース色がクリーム1号から(格下げ使用された急行型電車と同じ)白に近いクリーム10号に変更されている。九州とは異なり、本線内の区間運用が多い仙台地区では当初行先表示のコマ数が足らず(20コマしか対応していない583系の側面幕をそのまま転用していた)、「石越」などは種別表示サイズに行先を入れたサボを挿して対応していた。通勤形交流電車701系および719系により置き換えられる形で1995年(平成7年)から廃車が始まり、1998年(平成11年)に全廃となった。

なおこの「1000番台」は投入先の「仙台」運転所にかけた語呂合わせで附番されたという。


保存車

保存車

現在、クハ715-1が九州鉄道記念館に保存されている。

この保存に際し、外観塗装を特急時代のクリーム1号+青15号に塗替・車両番号表記の復元(クハ715-1→クハネ581-8)・側面の中・上段寝台用明り取り窓と特急エンブレムの再設置する等と言った復元工事が実施された。

ただし内装は715系改造時に施工された増設扉・セミクロスシート・開閉窓・中吊広告枠などがそのまま残っており、どっちつかずの中途半端な仕様となっている。

しかもこの車両、Nゲージの完成品として世に出たこともある。


富山県伏木市の日本車両リサイクルに置かれていたクハ418-1が2021年11月中旬に解体されたことから、この保存車が「寝台電車からの近郊電車への改造車」の存在を後世に伝える唯一の存在となった。


余談

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1999年発売のゲーム『電車でGO!プロフェッショナル仕様』には、鹿児島本線で715系を運転するダイヤが収録されている。このダイヤは時間設定が813系と共通なのだが、作中どころかシリーズ屈指の難関として有名。性能がまったく足りない上に天候はランダム、雨天や雪になろうものならB6でも晴れの非常ブレーキより効かないという酷さである。

特に悪天候の場合は赤間・海老津・遠賀川・水巻・枝光の5駅には絶対に遅れる設定になっている。中でも海老津〜水巻は連続しているため、ここまで定時運転にこだわっていると水巻までに必ず±2秒以内のボーナスは取得不可能になってしまう。全駅でgreatボーナス獲得を狙うのであれば教育大前駅に2秒早着する必要があり、その上でも水巻までに2秒延着に抑えられるかはかなりギリギリとなる。

ちなみにTASですらこの区間に関しては±0秒の運行は不可能であった。


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日本国有鉄道 九州旅客鉄道 東日本旅客鉄道

419系 食パン 食パン電車 魔改造

概要

概要

大量の余剰車が発生していた寝台特急形交直両用電車581系及び583系を改造して、1984年から1985年にかけて誕生した車両である。九州地方向けの0番台(48両)と東北地方向けの1000番台(60両)に分類される。屋根の高い寝台特急形電車を無理矢理近郊形電車改造したため、その奇抜過ぎるスタイルから、同じ経緯で製作された交直両用電車419系と共に"食パン電車”というあだ名をつけられた。


誕生の背景・419系との共通の改造箇所については食パン電車を参照。


主な改造

主な改造

ここでは本形式のみの改造箇所を記載する。


交流専用化

元々が交直流電車であるため、主回路を交流側で固定して「切替スイッチ」等を撤去しただけである。交流区間普通列車用とされたため、直流区間高速運転時の離線対策であったモハ714の副パンタグラフを撤去した。交流用電気車としては性能面からすると実質の出力効率が劣る抵抗制御の直流車並みとなり、一見本末転倒であるが、使用期間が限られたことからの判断である(並行して使用される交直流急行型・近郊型とさほど変わらぬ、といっていい)。


編成

編成

九州・東北用とも4両編成である。

0番台 クハ715(クハ714)+モハ714+モハ715+クハ715-100

1983~84年に12本が改造された。モハ714/715はモハネ580/581(60Hz用)からの改造、クハ715(0番台)はクハネ581からの改造、クハ715-100とクハ714はサハネ581からの改造である。なお種車の関係で偶数向きのクハのうち、2本は食パンスタイルのクハ714となっている。


1000番台 クハ715+モハ714+モハ715+クハ715-1100

1984~85年にかけて15本が改造された。

種車の関係は0番台と同様であるが、モハユニットは50/60Hz両用のモハネ582/583からの改造である。また偶数向きのクハは全て「電気釜」スタイルのクハ715に統一されている。

また投入先が寒冷地ということもあり、客用扉の半自動化や耐雪ブレーキ、暖房の増設など耐寒耐雪工事が追加されている。


運用

運用

0番台長崎本線及び佐世保線、1000番台が東北本線及び仙山線に導入された。なお塗装は当初どちらもクリーム色をベースに緑色の帯が入れられたシンプルなものであったが、正面の塗り分け方に相違があった。


0番台は1984年(昭和59年)2月のダイヤ改正で運用を開始、12本が南福岡電車区に配置された。主に長崎本線や佐世保線の普通列車を中心に運行された。しかし、客用扉の狭さなど車体構造の問題から、鳥栖以北(福岡県内)の鹿児島本線での営業運転は始終ほぼ入出庫絡みの列車に限られていた。JR九州への移行前後から「九州色」に塗り替えが進み、寝台の撤去なども行われた。また、特急型電車の名残であるボックスシート部を活かし、一時は繁忙期の臨時急行「ひのくに」(1985〜1993)を担当する事もあった。近郊形交流電車の813系に置き換えられる形で1996年から廃車開始、1998年(平成11年)に全車が廃車となった。


1000番台は1985年(昭和60年)3月に、15本が仙台運転所に配置されて東北本線(黒磯~一ノ関)にて運用を開始(後に仙山線でも運行)、同区間に残っていた客車列車を置き換えた。その後車体のベース色がクリーム1号から(格下げ使用された急行型電車と同じ)白に近いクリーム10号に変更されている。九州とは異なり、本線内の区間運用が多い仙台地区では当初行先表示のコマ数が足らず(20コマしか対応していない583系の側面幕をそのまま転用していた)、「石越」などは種別表示サイズに行先を入れたサボを挿して対応していた。通勤形交流電車701系および719系により置き換えられる形で1995年(平成7年)から廃車が始まり、1998年(平成11年)に全廃となった。

なおこの「1000番台」は投入先の「仙台」運転所にかけた語呂合わせで附番されたという。


保存車

保存車

現在、クハ715-1が九州鉄道記念館に保存されている。

この保存に際し、外観塗装を特急時代のクリーム1号+青15号に塗替・車両番号表記の復元(クハ715-1→クハネ581-8)・側面の中・上段寝台用明り取り窓と特急エンブレムの再設置する等と言った復元工事が実施された。

ただし内装は715系改造時に施工された増設扉・セミクロスシート・開閉窓・中吊広告枠などがそのまま残っており、どっちつかずの中途半端な仕様となっている。

しかもこの車両、Nゲージの完成品として世に出たこともある。


富山県伏木市の日本車両リサイクルに置かれていたクハ418-1が2021年11月中旬に解体されたことから、この保存車が「寝台電車からの近郊電車への改造車」の存在を後世に伝える唯一の存在となった。


余談

余談

1999年発売のゲーム『電車でGO!プロフェッショナル仕様』には、鹿児島本線で715系を運転するダイヤが収録されている。このダイヤは時間設定が813系と共通なのだが、作中どころかシリーズ屈指の難関として有名。性能がまったく足りない上に天候はランダム、雨天や雪になろうものならB6でも晴れの非常ブレーキより効かないという酷さである。

特に悪天候の場合は赤間・海老津・遠賀川・水巻・枝光の5駅には絶対に遅れる設定になっている。中でも海老津〜水巻は連続しているため、ここまで定時運転にこだわっていると水巻までに必ず±2秒以内のボーナスは取得不可能になってしまう。全駅でgreatボーナス獲得を狙うのであれば教育大前駅に2秒早着する必要があり、その上でも水巻までに2秒延着に抑えられるかはかなりギリギリとなる。

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