概要
93式近距離地対空誘導弾とは、日本の陸上自衛隊が運用する地対空ミサイルのひとつ。高機動車の車体に91式携帯地対空誘導弾と同じミサイルを発射する4連装ランチャーを左右に装備した発射機を備える。通称「近SAM」(きんサム)。
主として低空域での防空を担当し、自衛隊が保有する車載型地対空ミサイルとしては最も射程が短い。目視による照準が主となるので、固有のレーダーも持たない。しかし高機動車1台で構成される簡素さから、山岳地帯やビル街など入り組んだ地形にも展開でき、やろうと思えば輸送ヘリに吊り下げ、ヘリボーンによる緊急展開も可能。
運用は隊員3名によって行われる。隊員が車外から遠隔操作でミサイルを発射することも可能であり、たとえ車両ごと発射機が破壊されても、隊員が生残しやすくなっている。
導入コストが低いこともあり、全国各地の高射特科部隊に配備されたが、近年「重要度が低下した」との理由で近々廃止されることが決定している。後継は新近距離地対空誘導弾と呼ばれるもので、11式短距離地対空誘導弾の後継も兼ねる。
関連動画
93式近距離地対空誘導弾射撃 - 陸上自衛隊第11旅団