概要
アイアンドームとは、イスラエル製のCounter-RAM地対空ミサイル防空システムの事。2005年から開発が始まり、2011年から配備が開始された。開発はイスラエルのラファエル・アドバンスト・ディフェンス・システムズ社がイスラエル国防軍と共同で行っている。イスラエルはパレスチナのハマスやレバノンのヒズボラといった軍事勢力と抗争を繰り返し、国土を多数のロケット砲で攻撃されてきている。その中でアイアンドームは、配備以来97%という防御成功率を誇るというイスラエル軍の切り札である。
システム構成
アイアンドームは1つのシステムで大隊を編成する。その内訳は、指揮・制御車両、EL/M-2084レーダー車両、「タミル」ミサイル20連装ミサイルランチャーが3~4両からなる。レーダーはおよそ70km範囲の飛行体を検知、制御車両は着弾地点から危険度を算出し、ミサイルランチャーに迎撃指示を出す。ロケット弾、迫撃砲、無人ドローンなどにも対処が可能であるという。
誤解
よく勘違いされるが、アイアンドームは上述の通り、あくまでもロケット砲弾などを迎撃するためのシステムであり、弾道ミサイル迎撃能力はない。弾道ミサイルに対しては、同じくイスラエルが開発した「アロー」とアメリカの「パトリオット(PAC-2)」が担当している。
そのため迎撃戦闘を見た人から、「日本も導入すべき」という意見が出るが、日本は海を挟んでいるため弾道ミサイルの脅威はあれど、大量のロケット砲弾を「直接」市街地に撃ち込まれることはまずあり得ないため、あまり意味が無い。
逆にイスラエルと同様に相手と地続きである韓国では、北朝鮮から大量のロケット砲弾を首都に撃ち込まれる可能性が高いため、興味を示された。